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【一口コラム】 キヤノン EOS 5D MarkII 実質的に唯一のフルサイズ 〜2代目フルサイズ『中級機』 EOS 5D MarkIIは、名前の通り2代目のEOS 5Dである。2005年に登場した初代EOS 5Dは、フルサイズセンサーを搭載したミドルクラスとして、爆発的にヒットしたカメラである。 正直なところ、フルサイズ機は一時的であるにせよ、以前よりも勢いを失っているように見える。一番新しいカメラはニコンのD3Sで、そろそろ発売から丸2年を迎える。キヤノンに至っては、ラインアップ上の2台のうち、この5DMarkIIが2008年11月、EOS-1DsMarkIIIに至っては、4年前となる2007年11月の発売である。 レンズ交換式のデジタルカメラが普及し始めた頃は、現在とは雰囲気が異なっていた。あくまで本命はフルサイズであるが、技術面やコスト上の理由で、「緊急避難」としてAPS-Cサイズを搭載した、という見方が−−メーカーとしての公式見解はともかく−−常識的であった。 しかし、その後年数を重ねる中で、APS-Cサイズがこれからも中心的な位置を占めていくのではないか、もっと言えば、中心的な位置を占めていっても良いのではないか、という方向に変わってきているように思う。まず第一に、出荷されているレンズ交換式デジタルカメラの圧倒的多くはAPS-Cまたはフォーサーズなどのセンサーを搭載しており、それに対応したレンズも潤沢に蓄積されてきたこと。第二に、フルサイズを希望する主な理由は既存のレンズ資産を活用したいということであったが、実際にデジタルカメラの性能を引き出すためには、コーティングやテレセントリック性など新たな設計のレンズが必要であるとの認識が広がったこと。そして第三に、フィルム一眼レフを経験せずにデジタル一眼レフを使う層が増えているなど、今や35mmフォーマットの画角自体が必ずしも標準とは受け止められなくなっていること、などの理由によってである。 特にこの10年間は、イメージセンサーが驚くべき速さで進化し続けてきた。すでに一般的な使用方法であれば、APS-Cサイズのセンサーでさえ、オーバースペックになりつつあるのかもしれない。9月に発売予定のペンタックスQや、各社から発表が噂される小サイズセンサーを用いたレンズ交換式ミラーレスカメラなど、この流れはさらに加速されていくのだろう。 EOS 5D MarkIIから初代から進化した主な点は3点ある。まずは搭載しているセンサーが、有効1280万画素から2110万画素に高画素化されたとともに、高感度性能が強化され、標準でISO6400、拡張ではISO25600と2段分拡げられている。次に、これとも関係しているが、ライブビューやフルHDでの動画撮影が可能となった。一眼レフで動画撮影機能を搭載したのが初めてであるにもかかわらず、最初からフルHD画質で30fpsを可能とした点には、キヤノンの開発力の高さを感じさせられる。最後に、液晶モニターが2.5型23万ドットのものから、3型92万ドットへと換装されたことも、実際の使い勝手を大きく高めている。 将来的には、フルサイズのデジタル一眼レフは、フィルム時代の中判カメラの立ち位置に変わるのかもしれない。しかし、だからこそ、フルサイズセンサーがもたらす描写力を味わってもらえれば、写真表現の幅が確実に拡がるだろう。 |
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【基本仕様】
メーカー製品仕様のページ |
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