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【一口コラム】 キヤノン IXY 32S タッチシャッターを搭載したIXY ~マイナーバージョンアップの是非 デジタルカメラは、基本的にコンピュータと同じペースで新機種の発売がされる。ハイエンドモデルでも年1回、ミドルレンジのボリュームゾーンモデルでは年3回から4回のモデルチェンジも、珍しくはない。これは、新製品を出し続けることで売り場面積を確保するなど、マーケティング上の狙いもあるが、むしろ要素技術がまだまだ発展途上にあることが大きな要因となっている。 3月に発売開始されたIXY31Sでは、前機種からレンズが広角化(35mm換算で広角側28mmから24mmに)されるとともに、液晶パネルがタッチパネル化された。また、IXY32Sでは、さらにタッチシャッター機能が追加されているが、どれも最近のデジタルカメラのトレンドを踏襲したものである。とくに、液晶パネルのタッチセンサー化と、その機能を利用したタッチシャッターは、デジタルカメラの新たな使い方を提案するものである。 タッチセンサー自体は決して新しい技術ではないが、iPhoneのヒットとその後の急速なスマートフォン、タブレット端末の普及により、高機能なタッチセンサーが安価に入手できるようになったことが背景にある。今までのボタンや十字キー、スティックなどによる選択方式よりも、直接液晶画面をタッチする方式の方が、ほとんどのケースで、わかりやすく迅速なインターフェースとなる。また、タッチセンサー搭載によるコストアップ要因はあるものの、逆に物理的なボタンを減らせることによるコスト削減要素もあり、タッチセンサー方式はデジタルカメラにおいても今後確実に主流のユーザーインターフェースとなるだろう。 タッチシャッター搭載のデジタルカメラも増え始めているが、キヤノンはIXY32Sで新たなインターフェースを搭載した。これまでのタッチシャッターは、タッチした時にオートフォーカスを行いシャッターを切るため、シャッターボタン一気押しと同様のタイムラグが発生する。これに対し、IXY32Sでは、タッチした段階ではオートフォーカスだけが作動し、指を離したときに初めてシャッターが切れる。つまり、シャッターボタンの二段階押しと同様の撮影が可能なのである。気が付けばたいしたことではないのだが、このことでタッチシャッターが「使える機能」に大きく変わった。 ほとんどのコンパクトデジタルカメラから光学ファインダーがなくなって久しいが、いずれはシャッターボタンを含め、電源ボタン以外のすべての物理的ボタンもなくなっていくのだろう。 さて、最初の問い「マイナーバージョンアップは是か非か」について、皆さんはどう考えているだろうか。とりわけ前機種のIXY31Sは、さらにその前機種であるIXY30SやIXY10Sから約1年ぶりの新機種であったにもかかわらず、わずかその4か月後にIXY32Sが発表されたことに、憤りを感じている方もいるかもしれない。 しかし、こうしたことは良い悪いを超えて、発展途上にある製品の宿命なのだ。さらに言えば、もともと一つの機種を長期間使うユーザーにとって、頻繁なマイナーバージョンアップはそれほどマイナスではない。むしろ、前機種を廉価で購入できるチャンスが増えると肯定的に評価するかもしれない。問題は、デジカメを趣味とし、常に新しい機種を購入し、新しい機能を体感したい人々、まさにこの駄文を読んでいるあなたや私のような人々である。せっかく購入したカメラが、すぐに旧機種になってしまったときのガッカリ感は、単にリセールバリューが減ること以上にショックである。 しかし、こうした人々がいるからこそ、メーカーも常に新しい技術を製品に投入することができているのである。そして、私たちの購買行動は、さらに新たなデジタルカメラの誕生を、一日でも早めていくことに、大きく役立ったのである。 |
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【基本仕様】
メーカー製品仕様のページ |
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