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トップページ > デジカメの選び方 > 写真ネット講座は役に立つか? 第1回 「秒速上達写真の撮り方講座」

写真ネット講座は役に立つか?
第1回 『秒速上達写真の撮り方講座』

Panasonic LUMIX DMC-GX7 チルト液晶を使った撮影風景


〈はじめに〜企画の趣旨〉


 最近、「写真がうまくなるにはどうすればよいでしょうか」といった質問をいただく機会が増えてきました。多くの方にとって、デジタルカメラを購入するのは写真や動画を撮るためです。いざデジタル一眼レフを買ったものの、思うような写真が撮れずに悩まれている方は、決して少なくないことを実感しています。

 「写真がうまくなるには、1枚でも多くの写真を撮ることに尽きます。しかし、漫然と撮っていても、思うような写真が撮れるようになるには時間がかかるかもしれません。デジタルカメラの大切なメリットの一つに、撮ったその場で写真を見ることができる点があります。撮影したら、すぐに写真をプリントやパソコン・テレビの大画面で確認し、撮影意図がきちんと伝わってくるかをチェックする、ということを繰り返していけば、みるみるうちに実力は向上します。

 とはいえ、やはり短時間で効率的に上達するためには、メーカー等が主催しているスクールに通われるのが、一番の近道だと良いと思います。また、通信講座で写真に関するテーマを扱っているものもいろいろとありますので、それも良い選択だと思います。」

 今まで、いただいた質問に対しては、概ね上記のようなお返事をしてきました。ただ、メーカーのスクールに通うには、大都市圏に住んでいなければ現実的に難しいのも確かです。また、仮にスクールに通えたとしても、時間や費用面のハードルは決して低くはありません。比較的手ごろな価格のNHK通信講座にしても、入門編と実践編をあわせると1年間の期間と6万円近くの費用を要しますし、スクールであればなおさらです。

 インターネットが普及してから、ネット上で行われる講座やスクールも急速に増えてきました。写真やカメラに関するものも、数はそれほど多くはありませんが、着実に増えてきています。こうしたネット講座のメリットは、自宅で自由な時間に動画やテキストで勉強することができることと、費用面でも数千円程度から始められる点にあります。

 他方で、いくらコスト的に魅力があっても「安かろう悪かろう」では、時間とお金の無駄になってしまいます。

「こうした写真ネット講座は役に立つのか?もし役に立つとしたら、どういう方に向いているのか?」

 この疑問に答えることが、本企画「写真ネット講座は役に立つか?」の趣旨となります。
 この企画では、実際にネット講座の教材を評価する予定です。不定期での掲載となると思いますが、ご参考にしていただければ幸いです。



〈『秒速上達写真の撮り方講座』はどういう教材か〉


「秒速上達写真の撮り方講座」

 まずはじめに、「秒速上達写真の撮り方講座」の教材について見てみたいと思います。

講 座 名  秒速上達写真の撮り方講座
提 供 元  株式会社 コムヘル
価  格  8,800円(梅コース)
教材概要  動画7本(合計218分)
 テキスト113ページ(PDFファイル)
付  記  3か月間のメールサポート(回数無制限)の付いた「竹コース」(税込12,800円)や、さらに3回の添削サポートも付いた「松コース」(税込17,800円)も用意されています。
 教材内容は3コースとも共通です。

 教材は、動画ファイル7本と113ページのテキストによって構成されています。動画ファイルは合計で218分ですので、仮に1日15分学習するとすると、概ね2週間程度で終了する分量となっています。

 教材は3部構成になっており、各部は1〜3本の動画ファイルによって説明されています。
 ○はじめに
  • 教材の学び方などのガイダンス:約11分。
 ○第1部:基礎学習講座
  • 今すぐ良い写真が撮れる秒速アドバイス:約38分。
  • カメラの基本と撮影についてきちんと学ぶ、基礎学習講座:約104分。
 ○第2部:実践講座
  • コンパクトカメラでの実践的撮り方講座:約12分。
  • 一眼系カメラでの実践的撮り方講座:約31分。
 ○第3部:写真の後処理講座
  • 写真を撮った後の調整や修正講座:約24分

 この教材を開発した狙いと意図について、教材製作元である(株)コムヘルでは、次のように述べられています。(※下線と強調は、編集側で付したものです。)

 この教材を作成したのは、最近はスマホでも気軽に写真が撮れ、写真を撮る機会が多くなり、写真を撮ることが生活の一部に成っている。そうした中、なかなかいい写真が撮れずに、相談を受けることが多くなってきました。

 昔は、写真を撮るのは、撮ることを趣味にしている人が専門的に勉強して、いい写真を目指していましたが、今は、誰もが撮ること自体は簡単にできるようになっていますが、いい写真を撮るにはどうしたら良いのか、写真の原理にもとづいて学習をすることが無く、いい写真が撮れずに悩んでいる人が多くいます。

 カメラの性能も各段位良くなっていますが、その仕組みを知った上で応用しないと、偶然いい写真を撮れたとしても、安定していい写真を撮ることはできません。そこで、写真の原理をまとめて解説し、シーン別に、またカメラの種類別に、いい写真になるポイントを解説しました。

 当初セミナーの様子を撮った動画で対応することを考えていましたが、話をしている姿を見せるより、教材用に徹した図やフリップに解説を付ける形のほうが理解が早いと考え、現在のようにしました。
 この形式だと、余計な雑談なども入らずに、多くのことを収録できるのでいいのですが、長くなりすぎて必要なところを探しずらくなるのを避けるため、細かく単元を分けた構成にしました。好きなところだけをダウンロードして見れるようにしてあります。

 また、動画より書面の方が学習しやすいという方や、撮影現場ですぐに確認できるように、動画と同じ内容のPDFファイルを付けさせていただきました。

 初心者でもわかりやすいように、基礎の話から始まっていますので、ハイアマチュアの方には物足りないかもしれませんが、基礎からもう一度学ぶにはいいと思います。

 また、写真の撮り方とともに、修正の仕方についての基礎を学ぶ単元を設けています。せっかくデジタルになったのだから、パソコンで自分の思うように補正してさらに良い写真に仕上げるように解説しています。多少の失敗写真なら、後で補正できる。そんな講座にしてあります。

 みんなでいい写真を撮りましょう。
                      株式会社コムヘル 渡辺弘之


 上記の中に、この教材の狙いとターゲットとなるユーザー層が整理されています。写真についてある程度経験をされた方が、知識を整理するとともに、さらに安定的に良い写真を撮れるようになることを目指した教材であると言えます。


〈『秒速上達写真の撮り方講座』を実際に試してみる〉


「秒速上達写真の撮り方講座」

 それでは、実際に「秒速上達写真の撮り方講座」を学習してみることにします。この講座は、218分の動画とテキストファイルによって構成されていますが、動画を視聴できる環境であれば、基本的にはパソコンやテレビの画面を見ながら、必要に応じてテキストも参照する、という学習方法になると思います。

 はじめに〜学習ガイダンス

 まず最初に、学習ガイダンスである「はじめに」の動画を視聴します。この項は約11分の動画となっており、講座の概要と学習の仕方について説明がされています。

「秒速上達写真の撮り方講座」

 講座の概要については、3部構成となっている全体像と、各々の部ではどのようなことを学習するのかを説明しています。基本的にはざっと見る感じで良いと思いますが、このあとの本編でどのような中身が触れられているのかが概括的にまとめられていますので、飛ばすことなく視聴されることをお勧めします。

 第1部:基礎学習講座

 第1部の基礎学習講座は、動画ファイル3本で合計142分となっており、この講座の中で一番のボリュームとなっています。この部は、「秒速上達写真の撮り方講座」の売りの一つである「今すぐ良い写真が撮れる秒速アドバイス」と「カメラの基本と撮影についてきちんと学ぶ、基礎学習講座」の2つで構成されています。

 ○秒速上達写真の撮り方講座

 すぐに結果を出したい方向けに、良い写真を撮るためのポイントがまとめられています。コンパクトカメラと一眼系カメラにわけて整理されており、コンパクトカメラでは8項目12点、一眼系カメラでは9項目14点のポイントが説明されています。

「秒速上達写真の撮り方講座」

 ○カメラの基本と撮影についてきちんと学ぶ、基礎学習講座

 デジタルカメラでの撮影に必要な基礎知識について整理されています。動画は上下の2本に分かれており、あわせて104分のボリュームとなっています。ある程度写真に親しんだ方であれば知っていることも少なくないかもしれませんが、体系的にまとめられているため知識を整理する上でも役に立つと思います。

「秒速上達写真の撮り方講座」

 この章の構成は、写真の原理、カメラの基本構造、色とホワイトバランス、構図や露出をはじめ、一つ一つについて写真や図を中心に動画で説明がされています。本編とは別に、節目節目で良い写真を撮るためのワンポイントアドバイスも織り込まれています。
 この章で説明に使われている画面数も80枚を超えており、目で見て耳で聞くといった形で学習を進めることになります。

 第2部:実践講座

 第2部の実践講座は、動画ファイル2本で合計42分となっており、コンパクトカメラと一眼系カメラにわけて整理されています。よくある撮影シーン別にポイントがまとめられており、具体的な写真力アップに役立てる中身となっています。

 ○コンパクトカメラでの実践講座

 実際の撮影で役立つために、人物や風景などシーン別にポイントを学習することになります。たとえば人物撮影であれば、さらに細かくポートレートやスナップ撮影、記念写真など、場面に応じた注意点も説明がされています。動画の中では約20枚の画面で説明がされ、実際の撮影サンプルも多く見ることができます。

「秒速上達写真の撮り方講座」

 ○一眼系カメラでの実践講座

 一眼系カメラでは、コンパクトカメラよりもレンズの選択の幅が拡がり、表現力も高まります。そうした特長を踏まえた実践講座です。
 コンパクトカメラの章と同様に、シーン別に撮影のポイントが整理されています。コンパクトカメラ編と共通する項目もありますが、主に一眼系カメラでの撮影を行う方であれば、この章だけでもある程度完結した学習をすることができるようになっています。
 なお、こちらの章の動画では約30枚の画面で説明がされています。コンパクト編と同じように撮影サンプルで実際にポイントを確認できるような構成です。

「秒速上達写真の撮り方講座」


 第3部:写真の後処理講座

 第3部では、撮影後の写真画像データを有効に活用するためのポイントについて学習することになります。講座はWindows環境を例に行われており、実際にマイクロソフト社の無料ソフト「フォトギャラリー」のインストールから画像データの調整・修正作業の概要についてまとめられています。
 この章は、24分の動画ファイルとなっており、約30枚の画面で構成されています。

「秒速上達写真の撮り方講座」


〈『秒速上達写真の撮り方講座』は役に立つか?〉


 以上、写真ネット講座「秒速上達写真の撮り方講座」を見てきました。実際に教材を活用してみて感じた点は次の通りです。写真上達に向け、講座の選択に役立てていただければと思います。

  • 約2週間で、写真とカメラの基礎知識から写真撮影のポイント、撮影後の処理などをトータルに学習することが可能。
  • 動画とテキストの両方で確認しながら学習することが出来るため、わかりやすい。
  • 要所要所にワンポイントアドバイスなどが挿入されており、飽きずに学習することが出来る。
  • 費用は8,800円(梅コース)から17,800円(松コース)までと、総合講座としては比較的安価。
  • 基礎部分にも時間を割り振っているため、ハイアマチュアにとっては少々物足りない可能性も。


by Inaba Kunio)