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キヤノンのベストセラーシリーズ
2000年、デジタルカメラとして最初のIXYが登場してから、すでに12年が経とうとしています。IXYはデジカメの中でももっとも古いシリーズとなったわけですが、もともとIXYはフィルムカメラに起源があります。
1996年に次世代のフィルムシステムとして発売開始されたAPS(アドバンスド・フォト・システム)のフィルムカートリッジはIX240規格と呼ばれており、このカートリッジを使うフィルムカメラとして、同年IXYが誕生しました。その後、予想以上に急速にデジタルカメラへと移行する中で、すでにAPSは実質的に終焉を迎えたわけですが、デジタル一眼レフで一般的に使われているイメージセンサーサイズAPS-Cや、このIXYシリーズとして、かろうじて名前が残っています。
IXYシリーズは、キヤノンの小型薄型デジカメのシリーズとして多くのモデルがリリースされてきました。現行機としては、IXY600Fを加え計5機種が展開されています。IXY600Fは、IXY51Sとともに、2011年9月に登場したIXY最新モデルとなります。
高倍率・軽量モデル IXY 600F
現在、5機種が展開されているIXYシリーズの中で、IXY600Fは高倍率ズームを搭載した軽量モデルとしての特長があります。ボディサイズは、IXY210FやIXY410Fと同等クラスであるにもかかわらず、35mm換算で28mmから224mmまでの光学8倍ズームを搭載しています。同時発売の51Sと比べると、ズーム倍率が低くタッチパネルにも対応していませんが、重さが1/3も経理であるとともに、実売価格も5千円前後安く入手可能です。家電量販店のPOSデータによると、キヤノンのコンパクトデジカメでIXY600Fが一番の売れ筋であることも理解できます。
【IXYシリーズ 各機種の主な仕様】
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600F |
51S |
32S |
410F |
210F |
センサー |
有効1210万
1/2.3型CMOS |
有効1210万
1/2.3型CMOS |
有効1210万
1/2.3型CMOS |
有効1210万
1/2.3型CMOS |
有効1210万
1/2.3型CMOS |
レンズ(35mm
換算) |
28-224mm
F3-5.9 |
28-336mm
F3.4-5.9 |
24-105mm
F2-5.8 |
24-120mm
F2.7-5.9 |
28-112mm
F2.8-5.9 |
撮影感度 |
ISO100〜3200 |
ISO100〜3200 |
ISO100〜3200 |
ISO100〜3200 |
ISO100〜3200 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
3.2型46万ドット |
3.2型46万ドット |
2.7型23万ドット |
3型23万ドット |
動画撮影 |
1980x1080 |
1980x1080 |
1980x1080 |
1980x1080 |
1980x1080 |
手振補正 |
光学式 |
光学式 |
光学式 |
光学式 |
光学式 |
連写性能 |
8.7コマ/秒 |
7.8コマ/秒 |
8.2コマ/秒 |
8コマ/秒 |
8.2コマ/秒 |
サイズ(mm) |
95.8x56.8x22.1 |
99x58.9x21.9 |
100.6x55.4x25 |
92.2x55.9x19.5 |
93.1x55.9x19.9 |
重さ |
121g |
183g |
165g |
122g |
121g |
その他 |
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タッチパネル |
タッチパネル |
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発売 |
2011/9 |
2011/9 |
2011/8 |
2011/2 |
2011/2 |
携帯・スマートホンとミラーレスの狭間で
先日、富士フイルムの記者発表の中で、「スマートホンのカメラが急速に進化している中、価格だけが売りのデジカメは淘汰されはじめている」という趣旨の発言がありました。確かに、コンパクトカメラの売り上げ規模は、台数ベースでも減少しつつあります。
他方、レンズ交換式デジタルカメラの敷居をぐっと下げたミラーレスカメラは、デジタル一眼レフだけでなく、コンパクトカメラの市場にも影響を与えはじめています。
デジタルカメラとして市場に残っていくためには、単に小型軽量や廉価というだけでは不十分で、そこにプラスアルファの要素が必要です。
小型モデルとして12年目を迎えるIXYシリーズ最新作のIXY 600Fは、この壁をどのように超えようとしているのでしょうか。以下、順次チェックをしていきます。
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