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特集 キヤノン PowerShot S100
1.ニコン COOLPIX P300の位置づけと概要 |
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ニコン COOLPIX P330
by Inaba Kunio
ニコン初のコンパクトサイズ「高級」デジカメ
評価:5.0
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ニコンの「高級」コンパクトフィルム時代、ニコンには35Tiと28Tiという、高級コンパクトカメラがあった。もともとは京セラのCONTAXシリーズが切り開いた分野であるが、その後ニコンやミノルタ、コニカ、リコー等も参入し、その流れはデジタルカメラにも引き継がれている。 ニコンCOOLPIX P300は、こうした流れをくんだカメラかもしれない。はっきりと「高級コンパクトカメラ」と言い切るところまでにはいかないものの、高倍率ズームや小型化などではなく、「写り」を中心に据えたという意味では、やはり他のカメラとは異なる。 つまり、COOLPIX P300のイメージは、まさにキヤノンのPowerShotS95と重なるのである。おそらく、ニコンからは今後、誰もが「高級コンパクト」と評価するようなデジタルカメラも出てくるだろうが、仮にそれまでのつなぎであったとしても、大切な役割を担ったカメラである。 2011年3月の発売以来、P300はビジネス的にもかなり成功を収めた機種となった。すでに登場から半年以上が経過し、メーカーからの出荷も終了した製品ではあるが、記憶されるべき機種としてこの場で取り上げることとした。 PowerShot S シリーズのライバルCOOLPIX P300は、キヤノンのPowerShotSシリーズ、とりわけ同時期の製品であるS95と比べられることが多い。サイズ面ではほぼ同じであるが、イメージセンサーではS95が一歩進んでいるのに対し、P300の方がより広角側に広く明るいレンズを搭載しており、実売価格の面でもアドバンテージがあった。S95がS100に世代交代する中で、性能的には若干水をあけられた感があるが、価格差を考えれば、今現在でも「良きライバル」といえるだろう。 下記に、PowerShotS100を含め、いわゆる「高級コンパクト」のカテゴリーに入るカメラのうち、ズームレンズを搭載しているものを比べてみた。必ずしも際立った特徴があるカメラではないが、高級コンパクトカメラのトレンドを踏まえていることがわかる。なお、P300には他の機種に搭載されているRAW撮影モードがない。P300が搭載しているイメージセンサーのサイズを考えれば、ある意味合理的な判断かもしれない。 【各機種の主な仕様】
一眼レフのサブカメラとしてニコンには、一眼レフのサブカメラとしての使い方も視野に入れたコンパクトカメラとして、COOLPIX P7100とCOOLPIX P300の2つの製品がある。このあたりも、キヤノンのG12とS100の関係に似ているが、両機種の性格はやはり大きく異なる。COOLPIX P7100は、「一眼レフの代役としてすべてのシーンでそこそこ使えるカメラ」を目指しているのに対し、COOLPIX P300は「一眼レフユーザーが気軽に持ち歩け、きちんとした画質で撮影できるカメラ」といったスタンスとなる。つまり、機能や操作性ではP7100に及ばないものの、その代わりとして小型軽量なボディを得たわけである。それではCOOLPIX P300の実力はいかほどか、順次チェックをしていきたい。
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