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【一口コラム】 ニコン COOLPIX P500 36倍光学ズームのネオ一眼 〜超高倍率ズームは必要か ニコンのCOOLPIX P500は、2010年に発売されたP100の後継機種として登場した。ネオ一眼高倍率ズーム搭載コンパクトデジタルカメラのシリーズは、2008年のCOOLPIX P80から続くもので、P90、P100、P500と毎年ブラッシュアップされてきた。 P500をP100と比べると、センサーサイズは1/2.3型と同じものの、有効1030万画素から1210万画素へと画素数がアップされていることと、レンズが35mm換算で26mmから678mmの光学26倍ズームから、広角側と望遠側の両方が伸ばされ、22.5mmから810mmの36倍ズームとなった点が大きな違いである。光学36倍ズームは、コンパクトデジタルカメラでは最大倍率であり、とりわけ広角側が26mmから22.5mmに拡げられたことにより、撮影の幅を大きく拡げてくれている。 P100との違いということで言えば、他にもいろいろと強化されている。「かんたんパノラマ」や「くっきり夜景ポートレート」など、撮影モードが増やされていることや、新たにHDMI出力端子が追加されたことにより、テレビでの表示もより簡単にできるようになった。また、細かいところでは、内蔵メモリーが43MBから102MBへと倍増されている。 ちなみに内蔵メモリーが搭載される機種が最近は増えてきているが、せいぜい50MBから100MB程度のメモリー容量では緊急時に使うにしても少なすぎて意味がない、と感じる方も多いだろう。P500についても、容量が倍増したとはいえ、FINEモードでは10枚足らずの撮影ができるにすぎない。実際、購入後に内蔵メモリーを一度も使ったことがない、という方が普通かもしれない。 あまり有効ではないように思える内蔵メモリー搭載機種が増えていることの種明かしをすれば、これは店頭陳列を考えてのことである。店頭のデモ機には、盗難上の問題があるため、なかなかメモリーカードを装着させづらい。内蔵メモリーがあれば、メモリーカードがなくても試写ができるので、店側としても扱いやすい、とう訳である。 さて、冒頭の「超高倍率ズームは必要か」について、皆さんはどう考えているだろうか。私は、超高倍率ズームは役に立つし、これからもさらに倍率は伸びていくだろうと見ている。有効画素数が増え、デジタルズームによるトリミング処理技術も向上している中で、相対的に光学ズームの必要性は小さくなっている。しかし、いまだ技術は発展過程にあり、光学ズームによってしか実現できないことも少なくない。 超望遠ズームの使い方の例として、遠くのものを大きく写すことがよく行われる。もちろん、こうした使い方も大切であるが、むしろ近・中距離のものを撮影するときの方が、レンズの特長を出しやすい。遠距離撮影では、よほど空気が澄んでいないと、なかなかクリアーな画像は得にくいからである。P500の望遠側最短撮影距離は2.2mで、近・中距離では実効倍率も36倍より低くなるが、被写体を圧縮したクリアーな画像が得られ、高倍率ズームならではの撮影が可能となる。 いずれにしても、手の上に超広角から超望遠まで撮影が可能なカメラが載るということは、フィルム時代には考えられなかったことである。しかも、撮影自体に掛かるコストは、フィルム撮影よりも格段に低い。恵まれた環境を生かして、1枚でも多くの写真を撮ることが、写真上達の一番の近道である。 |
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【厳選レビュー記事】 ◎ITmedia 超広角22.5ミリからの36倍ズーム 超高倍率だけじゃない楽しさも
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【基本仕様】
メーカー製品仕様のページ |
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