【一口コラム】 ニコン COOLPIX S1100pj プロジェクター内蔵カメラ 〜デジタル画像の新しい愉しみ方 毎年数多くのデジタルカメラが発売される中、一言でそのカメラの特長を表現することは、決して簡単ではない。しかし、COOLPIX S1100pjに関しては極めて簡単である。「プロジェクターを内蔵したデジタルカメラ」の現行機はこれ一台であり、COOLPIX 1000pjの後を引き継ぎ2009年10月に登場した。 このカメラが店頭に置いてあっても「ちょっと大きめの薄型カメラ」としか見えない。おそらく触ってみる人もほとんどいないだろう。しかし、実際にこのカメラを操作してみると、とたんにその場の注目を集める。そんな「実物が持つ魅力」にあふれたカメラなのである。 フィルムカメラの時代、写真の楽しみ方は−−ポジフィルムをビュアーやスライド投影機で見る以外は−−紙に焼くことに決まっていた。デジタルの時代になり、カメラ内蔵の液晶モニターやテレビに接続して鑑賞しやすくはなったものの、やはり今でも紙にプリントして楽しむことが圧倒的に多い。その理由も明らかで、いろいろとケーブルを接続したりテレビを切り替えたりすることが面倒だからだ。 S1100pjは、そのハードルを一気に引き下げた。たとえば仲間内での飲み会で撮影をし、その場で壁面に写真を映しだしたり、旅行先の部屋で大写しにして楽しむことが、カメラのスイッチを切り替えるだけで可能になるのだ。この面白さは、実際に目にしなければ伝わらない。逆に言えば、実際にまわりの人間のを見て自分も購入した、という買い方が極めて多いカメラである。 前機種のS100pjも十分実用的なカメラであったが、S1100pjになって、さらに使いやすくブラッシュアップされた。まず第一に、プロジェクターの明るさが10ルーメンから14ルーメンと向上し、最大投影サイズも40インチから47インチに拡大された点である。もともとビジネス用プロジェクターのように「明るい会議室でもOK」という製品ではないが、少しでも光量が増えることで使い勝手も増したことはうれしい。家庭の居間やホテルの室内のように、ある程度暗くできる場所であれば、かなり大画面にしても楽しむことができる。また、屋内であれば少々明るい場所でも、A3程度であれば十分鑑賞可能である。 第二に、パソコンのプロジェクターとして使用できるようになった。旧機種ではjpegに変換したうえでパソコンのデータを投影できたが、S1100pjではUSBケーブルを接続することで、パソコンのモニター画面を出力できるようになった。この機能はビジネスユーザーからの要望で実装されたとのことだが、ホームユースでも愉しみ方を拡げてくれる機能だ。 その他にも、背面液晶パネルのタッチパネル化や、プロジェクター使用時のスタンドを内蔵するなど、細かいところで使い勝手が向上している。 もし、身近にこのカメラを持っている人がいたら、ぜひとも触らせてもらってほしい。デジタルカメラの新しい愉しみ方は、必ず購入意欲を高めてくれるだろう。 |
【厳選レビュー記事】 ◎デジカメWatch 【新製品レビュー】ニコンCOOLPIX S1100pj
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