【一口コラム】 パナソニック DMC-FT3 全部入りアウトドアカメラ 〜オールウェザー&タフネス フィルムカメラの時代から、防水・耐衝撃カメラというジャンルが存在したが、どちらかといえば工事現場に特化した印象を受けるものだった。それがデジタルカメラとなって、新たに参入するメーカーも増え、選択の幅が大きく拡がった。オリンパスのTG-810を筆頭に、カシオのEX-G1、富士フイルムのXP30、ソニーのDSC-TX10、ペンタックスのWG-1GPS、パナソニックのDMC-FT3と、それぞれが特色をもった魅力のある製品となっている。 パナソニックのDMC-FT3は2009年に発売されたDMC-FT1のシリーズ機種で、基本機能やデザインはこれまでのものを踏襲している。パナソニックといえば、過酷な環境での仕様を前提としたパソコン「タフブックシリーズ」を展開しているメーカーであり、量産品としてのパソコンでは、このシリーズが唯一無二の存在である。 DMC-FT3にも、当然こうした技術が生かされている。水深12mで60分までの撮影が可能な防水性能(JIS/IEC保護等級8相当)、高い対塵性能(JIS/IEC保護等級6相当)、2mの高さからの落下に耐える耐衝撃性能、マイナス10度の環境でも動作可能な耐低温性能など、過酷な環境でもきちんと動作するための機能が備えられている。 これまでのDMC-FT1、FT2では、タフネスに力点があったが、DMC-FT3はさらにアウトドアでの使用を想定した機能が強化されている。まずはGPSが搭載され、緯度や経度に加え、地名やランドマークなどの名称も登録されている。また、8方向方位計の表示機能、天候予測に役立つ気圧測定機能、高度計・水深計機能も備えられている。もちろんデジカメに搭載されている測定機能であり、専門機器の精度には及ばないだろうが、目安であったとしても機能があるとないでは大きく異なる。 DMC-FT3のもう一つの特徴は、CCD読み出し速度を高速化することにより、フルHD動画の撮影が可能となった点である。まさに、オールウェザー&タフネスの全部入りコンパクトデジタルカメラとして、活用できるモデルに仕上がっている。 イメージセンサーは、1250万画素1/2.33型CCDセンサーで、レンズシフト式手ぶれ補正機能も搭載されている。35mm換算の焦点距離は28mmから128mmであり、開放F値は広角側F3.3、望遠側F5.9となる。最近のコンパクトデジカメとしては若干暗めだが、屈折式光学系を搭載しているカメラとしては標準的である。 設定できるISO感度は100から1600で、記録画素数を1/4の300万画素に落とすことで6400まで撮影可能となる高感度モードも搭載されている。 DMC-FT3を含め、防水・耐衝撃カメラは、デジタルカメラ発展の一つの方向性を示している。可動部分が少なくなり、部品実装におけるレイアウトの自由度が増すことが、防水・対衝撃性能を高める上で大きく役立っているからである。タフネス&アウトドア用カメラだからこそ、街中での日常的な撮影に活用したいデジタルカメラが、DMC-FT3だ。 |
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