【一口コラム】 リコー CX5 熟成した高倍率ズームカメラ 〜GRシリーズと同じ先祖を持つデジカメ リコーのCXシリーズは、コンパクトなボディに高倍率ズームを搭載したデジタルカメラとして、しっかりとした地位を占めている。CX5は昨年発売されたCX4をベースに、パッシブ方式オートフォーカス機能の付加による高速化と、超解像機能による解像感の向上などのブラッシュアップがされたモデルである。 2009年にCX1が発売されてから、年2回のモデルチェンジを重ねてきたCXシリーズは、細かいところの使い勝手を含め、モデルごとに熟成させられてきた。このCXシリーズの源流は、さらにフィルムカメラ時代にまでさかのぼることができる。 1994年、リコーは高級コンパクトカメラのはしりとして、フィルムカメラR1を発売した。35mmF3.5の単焦点レンズを薄型ボディに搭載したR1はヒット商品となり、多くの賞も受賞した。このヒットを受け、1996年にGR1が登場したが、GRシリーズは単焦点広角レンズを搭載した高級コンパクトという新たな市場を切り開いた。搭載したGRレンズは、後にライカLマウントのレンズ単体でも売り出されるほど、高い描写性能を持っていた。 フィルムからデジタルへとカメラが移行する中、2004年に登場したのがCaplio R1である。R1は、フィルムカメラR1の薄型ボディを踏襲しつつも、35mm換算で28mmから135mmの光学4.8倍ズームを搭載していた。その後、望遠側焦点を200mmまで拡げたRシリーズは、2008年発売のR10までロングシリーズとして展開され、最後にCX1に引き継がれたのである。他方、フィルムGR1シリーズをデジタル化したのがGR Digitalシリーズであり、その意味でもCX5とGR DigitalIIIとは、R1という共通の源流をもつことになる。 CX5は、フィルムカメラR1からみれば17年、デジタルカメラCaplioR1からでも7年の熟成を経て誕生した最新モデルである。1/2.3型1000万画素のCMOSイメージセンサー、センサーシフト式手振れ補正機能、ISO3200まで設定可能な高感度性能、35mm換算で28mmから300mmの光学ズーム、毎秒5枚の連写性能など、シリーズを通じて培われた機能がモデルチェンジごとにブラッシュアップされ、CX5が生み出されたことがわかる。 コンパクトなボディの中に広角からの高倍率ズームを搭載したデジタルカメラ、というトレンドをいち早くつかみ、根気よく継続されてきたCX5。継続することの大切さを再認識させてくれるカメラだ。 |
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◎マイコミジャーナル カメラ女子のための「お散歩カメラ」選び - 横浜でのんびり、ゆったり「CX5」
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