II.選択のポイント 
                 最初のデジタル一眼レフは、標準ズームレンズがセットになったレンズキットか、これに望遠ズームも付いたダブルズームレンズキットを購入される方が多いと思います。この2本のレンズがあれば、大体の撮影シーンはカバーできますし、キットレンズは描写性能の点でも決して悪くはないレンズです。それは、ボディ本体とセットで販売されるので出荷数が極めて多く、レンズ設計を丁寧に行っているからです。
                  それでは、次のレンズをどう選ぶかということになりますが、選択にあたっては「どういう使い方をするか 」ということをイメージする必要があります。もちろん厳密に決める必要はなく、「こんな場面で、こんな写真を撮りたい」といった漠然としたレベルでも十分かと思います。
                 その上で、比較的最近デジタル一眼レフやミラーレスカメラを手に入れた方にお勧めのレンズをあげると、次のようになります。
                <候補1>単焦点標準レンズ 
                  
ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G 
 明るくトップレベルの描写性能、小型軽量、安価と3拍子揃ったレンズが「単焦点標準レンズ」です。明るいレンズのため、ボケを活かした撮影もできますし、ズームレンズやコンパクトカメラとは一味違った写真を撮ることができるレンズです。どちらかと言えば、50mmの方がお勧めですが、スナップなどでも使うのであれば、35mmや40mmの方が使い勝手が良いかもしれません。
                
                 お勧めユーザー :全員
                
                
                 レンズの例 :
                
                                (F値の違いによるボケ表現の差:開放F値が小さいレンズでは、ボケ表現の幅が広くなります。) 
  左から、F1.4、F2.0、F2.8のボケと被写界深度。レンズはソニー 50mmF1.4。ピントは手前から6本目の電池に置いています。 
  左から、F4.0、F5.6、F8.0のボケと被写界深度。レンズはソニー 50mmF1.4。ピントは手前から6本目の電池に置いています。 
  左から、F11、F16、F22のボケと被写界深度。レンズはソニー 50mmF1.4。ピントは手前から6本目の電池に置いています。 
                  <候補2>高倍率ズームレンズ 
                  
キヤノン EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM 
 高倍率ズームレンズも出始めの頃は「便利だけど描写力はそれなり」といったものが多かったですが、最近は描写性能も格段に向上しており、1本で広角から望遠までカバーできる万能ズームレンズです。撮影シーンに合わせてレンズを交換する必要がないため、旅行時や屋外での撮影では特に利便性が高いと思います。
                
                 お勧めユーザー :旅行などに行く機会や屋外での撮影が多い方
                
                
                 レンズの例 :
                <候補3>広角ズームレンズ 
                  
ソニー DT 11-18mm F4.5-5.6 SAL1118 
 広角ズームレンズも、デジタル時代になって急速に充実してきた分野です。以前は、F2.8固定の大口径広角ズームが中心でしたが、最近は開放F値を少々抑えることで、コンパクト化と廉価化を実現したものも登場しています。広角レンズは寄ることで被写体を強調するなど、表現上も工夫に応えてくれるレンズです。
                
                 お勧めユーザー :屋内や広い風景の撮影が多い方
                
                
                 レンズの例 :
                <候補4>大口径望遠ズームレンズ 
                  
ペンタックス smc PENTAX-DA★ 60-250mmF4ED SDM 
 中望遠域から望遠域までをカバーする大口径ズームレンズです。F2.8の開放F値固定ズームも魅力的ですが、よりコンパクトで値ごろ感のあるF4ズームの方がコストパフォーマンスは高くなります。屋内や屋外を問わず、スポーツや発表会等で活躍するレンズであり、予算に余裕があれば1本は用意しておくことをお勧めします。
                
                 お勧めユーザー :スポーツや人物撮影などの機会が多い方
                
                
                 レンズの例 :
        (2014年5月22日  編集: Inaba Kunio) 
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