写真ネット講座は役に立つか?
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〈『デジタル一眼レフ上達講座』はどういう教材か〉
まずはじめに、「デジタル一眼レフ上達講座」の教材について見てみたいと思います。
教材は、DVD3枚(「デジタル一眼レフ上達講座」2枚、「実践テクニック」1枚)と113ページのテキストによって構成されています。動画ファイルは合計で約2時間半分ですので、仮に1日15分学習するとすると、講座の視聴は概ね10日間程度で終了する分量となっています。ただし「上達講座」の特長は、単にDVDを視聴するだけで終わりではなく、実際に撮影の実践を含めて行う構成となっている点にあります。一通り学習するには、少なくとも1か月程度はかけることが望ましいと感じました。 教材は大きく分けると本編と実践テクニック編の2部構成になっています。
この講座の特長について、教材製作元であるフォトアドバイス株式会社では、次のように述べています。
カメラ開発者とプロカメラマンが協働して「どうすれば受講者が効果的に上達するか」を考え、作成した講座である点が、他の教材との違いと言えそうです。 |
〈『デジタル一眼レフ上達講座』を実際に試してみる〉
それでは、実際に「デジタル一眼レフ上達講座」を学習してみることにします。この講座は、約2時間半の動画とテキストによって構成されていますが、動画を視聴できる環境であれば、基本的にはパソコンやテレビの画面を見ながら、必要に応じてテキストも参照する、という学習方法になると思います。 オープニング 〜学習ガイダンス「デジタル一眼レフ上達講座」は、本編となる全9章からなる講座(DVD2枚)と、シーン別の実践テクニック編(DVD1枚)によって構成されています。
DVDを挿入すると、まず最初に、学習ガイダンスである「オープニング」が表示されます。この項は約3分の動画となっており、講座の概要と学習の仕方について説明がされています。
「デジタル一眼レフ上達講座」本編「デジタル一眼レフ上達講座」の本編は、2枚のDVDによって構成されています。DVD1には第1章から第4章までの計52分12秒の動画が、DVD2には第5章から第9章までの計63分35秒の動画が入っています。あわせて約2時間弱となりますが、これはあくまでDVDを視聴するのに最低限必要な時間である点に注意が必要です。DVDを視聴しただけで満足するのではなく、そこで学んだ中身を実際に試してみることが大切であり、実践を含めた構成となっている点が、この講座の特長だと思います。
第1章:今の写真に満足していますかあえて写真講座を受講されるということは、今の写真に満足していないからだと思います。どうして満足していないのか、そもそも「良い写真」とはどういうものか。そして写真上達のために心がける基本的なポイントについて解説されています。
第2章:良い写真の3大要素言うまでもなくデジタル一眼レフカメラは写真を撮るための道具です。道具としてのカメラを使いこなすためには、まずは「良い写真」がどうやって撮れるのかを理解する必要があります。この章では、良い写真を決める3つの要素について整理されています。第1章とあわせて、写真撮影に当たっての重要なポイントを理解する上で役立つ内容であると感じました。
第3章:構造から学ぶデジタル一眼レフデジタル一眼レフの構造について解説された章です。カメラ本体の原理だけでなく、レンズの違いなどについても触れられています。写真を撮影する道具としてのカメラがどう機能するのかを把握できるような組み立てになっていました。また、オートフォーカスや測光、撮像素子(イメージセンサー)の違いについても触れられていますので、カメラ選択に当たっても参考になる内容であると思います。
第4章:最適な一眼レフの選び方この章では、たくさんあるデジタル一眼レフの中で、どういった視点で選択すべきなのかを解説しています。また、最近増えてきたミラーレスカメラとの違いや選び方についても触れられています。デジタル一眼レフはシステムカメラですので、カメラ本体と同じようにレンズやアクセサリーの選択も大切です。レンズの選び方や、一緒に買うべきアクセサリーが具体的に説明されています。
第5章:露出をマスターする写真撮影において最も大切で奥が深いのは露出です。この章では露出マスターのためのポイントについて説明されています。今までの章でも触れられたカメラの構造を踏まえ、光をどう読み、カメラが備えている機能を使いこなしていくのか、具体的に展開されています。カメラ設計者とプロカメラマンのコラボによって制作された教材の強みを活かした内容だと感じました。
第6章:最短距離で上達する練習法これまでの5章で学習した内容を踏まえ、実際にステップアップするための練習法について解説されています。カメラの構え方からはじまって、主役をどのように取り扱うのか、ピントをあわせるための秘訣など、実際にフィールドで役に立つノウハウがまとめられています。
第7章:露出とホワイトバランス上級編露出については第5章で基本的な内容を学習しましたが、この章ではさらに一歩進んだ中身となっています。露出補正の効果やマニュアルでの設定方法、そして露出とも関係するホワイトバランスの調整についても触れられています。具体的な設定方法だけでなく、実際の効果についても作例によってわかりやすく示されている点は、とてもわかりやすく感じました。
第8章:プロカメラマン実践テクニック風景写真と夜景撮影を題材に、どういった機材を用いてどのように撮影すべきかを解説しています。この章ではたくさんの作例も含まれていますので、「なぜそうした設定が効果的なのか」を理解させる構成となっています。なお、この章の中身は「実践テクニック編」にも含まれていますので、そちらで一括して学ぶということでも良いと思います。
第9章:写真上達の心構え第8章までで、カメラの原理や写真撮影の基本、プロのテクニックなどを学んできましたが、この章ではどのように写真に対する意欲を継続させていくか、という観点での中身となっています。「写欲」に波があると感じられている方は、とくに参考になるのではないかと思います。
「デジタル一眼レフ上達講座」実践テクニック編シーン別に、推奨する機材や撮影のポイント、カメラの推奨設定などが丁寧に解説されています。多くの作例とともに説明されているので、すぐに役立つ内容となっています。ここでは8つのシーンが取り上げられていますが、この中身を学ぶことで他の場面でも応用がきく構成であると感じました。ただし、DVDで学習しただけで満足するのではなく、実際にいろいろと実践してみることが大切です。
〈『デジタル一眼レフ上達講座』は役に立つか?〉 以上、写真ネット講座「デジタル一眼レフ上達講座」を見てきました。実際に教材を活用してみて感じた点は次の通りです。写真上達に向け、講座の選択に役立てていただければと思います。
( by Inaba Kunio) |