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特集 キヤノン IXY 600F
4.キヤノン IXY 600Fの描写力をチェック |
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キヤノン IXY 600F
by Inaba Kunio
薄型コンパクトなキヤノンのベストセラーシリーズ
評価:5.0
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描写力チェック1:高感度性能IXY 600Fの基本感度はISO100で、1段ステップでISO3200まで設定可能となっている。設定内にノイズに関する項目はないが、ISO800以降では撮影後に処理時間がかかるため、自動的にノイズリダクションがかけられていることが推測される。なお、最近のコンパクトカメラは、完全なオートモードか、ある程度ユーザーが設定できるオートモード(Pモード)の2つのみを搭載するものが増えているが、特殊な効果を狙うのでなければ、基本は完全オートモードで撮影する、というのが設計思想なのであろう。 実際の撮影結果が下記サンプルである。等倍切り出し画像を見てもらえるとわかるように、ISO400まではほとんどノイズを感じさせない仕上がりである。ISO800になると、暗部を中心にノイズが出てくるものの、十分常用域であろう。 ISO1600以上になると、ノイズ低減処理が強くかかるため、ディテールの解像感が悪化する。それでも、シーンによってはISO1600であっても使用可能である。ISO3200になると、さずがに解像力の低下が目立つ。ただし、比較的自然なノイズ感のため、縮小して使用するのであれば、それなりに使えるように感じた。 総じて、最近のコンパクトカメラらしく、一昔前のカメラと比べ高い高感度性能を持っていることが確認できた。
ISO100 描写力チェック2:歪曲収差IXY 600Fは、35mm換算で28-224mm、光学8倍ズームを搭載している。これだけ小さなボディの中に、こうした光学ズームが搭載できるようになったのは、光学設計技術の向上とともに、電子的な補正が効果的に使えるようになったためである。歪曲収差に関しても、ズーム域全域を通じて良好に補正されている。広角端では画像周辺部にわずかに樽型収差が残るものの、構図に注意が必要なレベルではない。望遠側に移るにつれ、さらに収差が補正されていき、35mm換算で75mmあたりではほぼ完全に補正される。その後、望遠端までそのままの状態で推移している。 焦点距離:5.0mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:6.2mm(35mmサイズ換算35mm) 焦点距離:12.1mm(35mmサイズ換算57mm) 焦点距離:23.2mm(35mmサイズ換算130mm) 焦点距離:40.0mm(35mmサイズ換算224mm) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行った。結果は、コンパクトカメラとしては良好な解像力を示している。IXY 600Fは、絞りやシャッタースピードはカメラによる自動設定になる。今回は基本感度であるISO100に設定したため、結果的にすべて開放絞りでの撮影となった。IXY 600Fを含め、センサーサイズが小さいコンパクトカメラは、被写界深度が深いため、基本的には開放絞りでの撮影が中心となる。IXY 600FにはNDフィルターが搭載されているのも、そうした使い方を前提に設計されているためだろう。 解像力チャートを撮影して感じたのは、中心部の解像力の高さである。中心部については、広角端から35mm換算100mm域あたりまでは、一部モアレが発生しているものの、2300本のあたりまで解像している。その後望遠端に近づくにつれ徐々に低下してはいるが、望遠端でも2000本近くまでは視認可能である。 これに対し、画像周辺部では、広角側ではやや像の流れを確認することができた。開放絞りでの撮影であるため、この程度はやむをえないかもしれない。望遠側に移るにつれ徐々に画像が締り、35mm換算で50mmあたりが一番高くなる。その後、望遠側に移ると、再度ゆるくなっていく。 いずれにしても、これだけコンパクトなカメラであるにもかかわらず、焦点域全域を通じて実用上十な解像力を示しているといえるだろう。
5.0mm域(35mmサイズ換算24mm) F3.0
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