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特集 ソニー サイバーショット DSC-TX55
4.ソニー サイバーショット DSC-TX55の描写力をチェック |
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ソニー サイバーショット DSC-TX55
by Inaba Kunio
カードサイズの超薄型スリムデジカメ
評価:5.0
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描写力チェック1:高感度性能DSC-TX55の基本感度はISO100で、1段ステップでISO3200まで設定可能となっている。設定内にノイズに関する項目はないが、早い段階から比較的強めにノイズリダクションがかけられている印象を受けた。また、同様にシャープネスの設定項目も用意されていないが、全体にやや強めにかけられているようである。実際の撮影結果が下記サンプルである。等倍切り出し画像を見てもらえるとわかるように、ISO200まではノイズを感じさせない仕上がりであるものの、ISO400あたりでは暗部を中心にノイズが目立ってくる。ISO800では、部分的にかなりノイズがみられるようになり、常用域としてはこのあたりがぎりぎりだろう。 ISO1600以上になると、さらにノイズ低減処理が強くかかるため、ディテールの解像感が悪化する。ISO3200になると、かなり解像力が低下し、縮小しても目立つ状況である。 総じて、最近のコンパクトカメラとしては、やや高感度域でのノイズを感じさせる結果となった。とくに、屈折光学系を使っていることからレンズの開放F値も大きいため、このあたりは活用に注意が必要かもしれない。とはいえ、ISO800程度までは十分実用レベルであり、一般的なシーンであれば十分だろう。
ISO100 描写力チェック2:歪曲収差DSC-TX55は、35mm換算で26-130mm、光学5倍ズームを搭載している。開放F値は、広角端F3.5、望遠端F4.8であり、屈折光学系のレンズを搭載しているカメラとしては平均的な数値である。歪曲収差に関しては、広角端では画面周辺部でやや樽型収差が目立つ。望遠側に移るにつれ、急速に収差の補正が進み、35mm換算で40mmあたりでは、ほとんど目立たなくなる。その後は望遠端まで、良好に補正されている。 印象としては、最近のトレンドにあわせ、やや力ずくで広角端を広げた感じを受けた。広角端を使って撮影する場合には、構図に注意を払う必要があるだろう。 焦点距離:4.7mm(35mmサイズ換算26mm) 焦点距離:7.0mm(35mmサイズ換算39mm) 焦点距離:14.0mm(35mmサイズ換算77mm) 焦点距離:23.5mm(35mmサイズ換算130mm) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行った。結果は、コンパクトカメラとしては、画面中心部では極めて良好な解像力を示している。DSC-TX55は、絞りやシャッタースピードはカメラによる自動設定になる。今回は基本感度であるISO100に設定したため、結果的にすべて開放絞りでの撮影となっている。DSC-TX55を含め、センサーサイズが小さいコンパクトカメラは、被写界深度が深いため、基本的には開放絞りでの撮影が中心となる。繰り返しとなるが、DSC-TX55のレンズは開放F値が大きいことから、実際にほとんどのシーンで開放絞りでの撮影となるだろう。 解像力チャートを撮影して感じたのは、中心部の解像力が極めて高いという点である。中心部については、広角端では2500本のあたりまで解像している。望遠端に近づくにつれ徐々に低下してはいるが、望遠端でも2000本までは視認可能である。こうした結果は、コンパクトカメラとしては文句なくトップクラスの解像力である。 これに対し、画像周辺部では、広角側ではやや厳しい結果となった。とくに広角端では、画面周辺部で急速に画像の低下がみられる。歪曲収差と同様に、広角端を本来の力以上に広げた印象を、解像力の点からも受ける。 画像周辺部に関しては、望遠端に至るまで、全体に甘い画像である。コンパクトカメラとしては平均的な状況ではあるものの、画面中心部がすばらしい解像感を示していることと比べると、周辺部との落差は決して小さくはない。撮影に当たっては、こうした特性を頭の隅に置いておくことをお勧めする。
5.0mm域(35mmサイズ換算26mm) F3.5
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