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【一口コラム】 ニコン D700 フルサイズフォーマットの描写力 〜世代交代を目前にしても輝く実力 現在に続く初代デジタル一眼レフカメラD1が1999年に登場したとき、搭載しているイメージセンサーのサイズがAPS-Cであることに落胆する声は、決して少なくなかった。D1でフルサイズを選ばなかった一番の理由は、イメージセンサーのコストであったが、デジタルカメラに発生しやすい周辺光量低下に対応しやすいことも、その理由の一つであった。 各々の画素表面に設置されているマイクロレンズの性能は向上しているものの、受入可能な光の入射角度の範囲は、イメージセンサーの構造上フィルムよりも狭くならざるをえない。そのため、デジタルカメラではセンサーに対し直角に光を導くテレセントリック性が高いレンズでなければ、周辺光量の低下が大きくなってしまうのである。つまり、イメージサークルの小さいDXフォーマットであれば、既存のフィルム用レンズを使っても周辺光量低下が起きにくくなるからだ。 結局、ニコンからフルサイズのFXフォーマットが登場したのは、D1から8年経った2007年、D3の発売が最初となった。そして今回取り上げたD700は、FXフォーマットの2機種目として、D3の1年後、2008年に販売開始されている。 実際に計算してみればわかるが、APS-Cフォーマットとフルサイズフォーマットでは、イメージセンサーの大きさはかなり違う。APS-Cサイズと言っても機種ごとに微妙に大きさは異なっているが、たとえば最新機種であるD5100をみると、センサーサイズは23.6mm×15.6mm。これに対し、D700は36mm×23.9mmであり、単純にセンサーの面積を比較すると、2倍以上の差となる。わかりやすく表現すれば、APS-Cサイズのセンサーを縦にして2枚並べたものよりも、さらに大きいのが、フルサイズのセンサーである。 D700に搭載されている1210万画素CMOSイメージセンサーは、D3に搭載されていたものと同じものである。すでに4年前に登場したイメージセンサーであるが、生み出される画像には最新のAPS-C搭載機でも太刀打ちは難しい。D700の広いダイナミックレンジと階調表現は、物理的な開口面積の大きさが重要であることを、改めて認識させてくれる。 D700が発売されて、すでに3年が経過した。デジタルカメラの世界では、そろそろ世代交代の時期であり、次期フラグシップモデルD4とともにD800の噂もネット上でささやかれている。しかし、3年が経過した現在であっても、少なくとも描写力という点では、D700の輝きは失われていない。視野率の向上をはじめ改良を期待すべき点はあるものの、まだまだ第一線で活躍する力を持っているのがD700である。 |
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独断 デジカメ対決! ![]() ☆ vs ニコン D800 |
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◎ASCIIデジタル D700ファーストインプレッション
◎日経トレンディネット D3と比べて20万円以上安いフルサイズデジタル一眼の実力
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【基本仕様】
メーカー製品仕様のページ |
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