【一口コラム】4K動画対応のフラグシップ・ミラーレス
2月に発表されていたLUMIX DMC-GH4が、いよいよ4月24日に発売されることになりました。このカメラは、2012年12月に登場したDMC-GH3をベースにしたもので、ミラーレスカメラとして初となる4K動画撮影に対応するとともに、描画性能やオートフォーカスなども向上させています。なお、DMC-GH3は当分の間は併売されるようです。
パナソニックDMC-GH3。2012年12月に発売開始されました。
まずは、LUMIX DMC-GH4の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーはDMC-GH3と同じく有効1605万画素4/3型Live MOSセンサーですが、新設計のものが搭載されています。読み出し速度の2倍化により連写速度のアップとローリングシャッター歪み現象を軽減。
- 感度もGH3のISO200-12800(拡張で125-25600)に対し、標準でISO200-25600、拡張でISO100に対応しています。
- 画像処理エンジンも新型ヴィーナスエンジンを搭載し、高感度性能、解像度、階調、色再現性が向上しています。
- ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算、画面に写る全ての被写体距離を瞬時に算出する空間認識技術(DFDテクノロジー)を搭載したことで、AF速度を高速化。AF追従性も向上し、この時の連写性能もGH3の4.2コマ/秒から7コマ/秒に。AFエリアも23点から49点に増えています。
- 連続撮影可能枚数も、RAWで18コマから40コマに倍増しています。
- 電子ビューファインダーは、174万ドットから236万ドットへと高精細化されました。倍率は1.34倍で同等です。
- 液晶モニターも3型61万ドットから104万ドットに高画素化されました。
- シャッターも進化し、GH3では1/4000秒までだったのが1/8000秒の高速シャッターにも対応しました。フラッシュ同調速度も、1/160秒から1/250秒に引き上げられています。耐久性も20万回までに強化されています。
- 防塵防滴性能は引き続き搭載しています。
- 動画撮影では4K(30p)にも対応しました。
- カメラ内でのRAW現像にも新たに対応しました。
- Wi-Fiに加えて、新たにNFCとQRコードでのペアリングにも対応しています。
- ボディサイズと重さはほぼ同じです。
LUMIX DMC-GH4(左側)とGH3(右側)。写真で見るとロゴ以外はほとんど同じに見えます。
LUMIX DMC-GH4(左側)とGH3(右側)。こちら側もほとんど同じですが、電子ビューファインダーと液晶モニターは高画素化されています。ダイヤルやボタン等のインターフェースも共通です。
LUMIX DMC-GH4(左側)とGH3(右側)。ボディ上面もほぼ同じです。モードダイヤルでは「シーンガイドモード」が省略されています。左方にあるドライブモードボタンでも、単写、連写、オートブラケット、セルフタイマーに加えてインターバルとコマ撮り撮影が設定できるようになりました。
外見はほとんど同じものの、中身はかなり進化したように思います。もちろん4K動画撮影に対応した点が一番の違いとなりますが、静止画撮影をメインに使う場合でも、描写性能や使い勝手の点でかなり向上しているようです。
動画撮影については、プロ用とも想定しています。法人向けとなりますが、外付インターフェースユニットをセットにした「AG-GH4U」も用意されています(想定市場価格は30万円程度)。インターフェースユニット「AG-YAGH」を接続することで、SDIやXLRの出力が可能となります。
AG-YAGHを接続したDMC-GH4。この他に外部電源の入力が必要となります。
背面側にはインジケーターと操作部が設けられています。左側面にはHDMI端子もあります。
右側面には、電源入力部や入出力端子が設けられています。
4月24日の発売開始を控え、すでに予約も受け付けられています。ボディ単体で17万円前後、14-140mmズームレンズのキットでは22万円強となっており、2012年12月のDMC-GH3登場時と比べると5~6万円程度高価でのスタートとなります。しかし、4K撮影に対応した本格的動画カメラとして見た場合、かなり買いやすいレベルであるとも言えます。
( by Inaba Kunio)
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