【一口コラム】5軸補正、タイムプラスなどソフト強化モデル
カシオから新型多機能コンパクト、EXILIM EX-ZR800が登場しました。型番からもわかるとおり、この機種は3月に発売されたEX-ZR700の後継機となります。
とはいえこの両機種は、外見上はまったくと言ってよいほど同じです。仕様上のサイズや重さも同じですので、ハードウェア的には同じ機種と考えてよいと思います。
違うのはソフト面で、手ぶれ補正機能の強化とタイムプラス動画撮影機能の搭載となります。
EX-ZR700の手ぶれ補正方式は、上下回転補正と左右回転補正を光学式で行い、これに最大9枚の高速連写合成を組み合わせることで、5段分の手ぶれ補正効果を実現していました。
これに対し、EX-ZR800の手ぶれ補正方式は、上下回転補正と左右回転補正を光学式に行うのは同じですが、これに加えて上下補正、左右補正、回転軸補正を電子式に行います。最大9枚の高速連写合成も搭載されていますので、これらによって5段分の手ぶれ補正効果となります。
EX-ZR800では、上下回転(1)、左右回転(2)、上下(3)、左右(4)、回転軸(5)の手振れに対応します。(カシオ ホームページより)
補正幅は同じですが、ZR700よりも幅広い手振れに対応したことで、結果的により効果的な手ぶれ補正となります。
また、タイムプラス動画撮影は一定の間隔を置いて撮影した静止画をコマ送りすることで動画にする機能です。撮影間隔と撮影時間は「夕暮れ」(10秒間隔、トータル30分撮影)や「乗り物」(1/10秒間隔、トータル3分)などの11種類のシーンプリセットの他、撮影間隔1/10〜30秒、撮影時間3分〜60分のマニュアル設定も可能です。なお、撮影時間を設定しないことで、バッテリーやファイルサイズの上限である4GBまでの撮影もできます。
EX-ZR800(左側)とEX-ZR700(右側)。正面から見た外見は同じです。EX-ZR700にあったピンクとブラウンはなくなりましたが、新たにレッドが追加されています。なお、ZR800のホワイトモデルでは、グリップ部の色もホワイトになっています。
EX-ZR800(左側)とEX-ZR700(右側)。液晶パネル側もほぼ同じです。グリップ部分のカラーリングが異なります。
EX-ZR800の主な特徴は次の通りです。
- 25-450mm相当の光学18倍ズームレンズを搭載。開放F値はF3.5-5.9。
- イメージセンサーは有効1610万画素1/2.3型CMOS。センサーはEX-ZR1000やEX-ZR700と同じです。
- 起動時間はEX-ZR1000の0.99秒から1.4秒へと長くなったものの、レリーズタイムラグ0.016秒、撮影間隔0.26秒は踏襲。
- 液晶パネルはカシオ初の3型92万ドットのものを搭載。固定式。
【EX-ZR800とZR-700、ZR1000の比較】
機種名 |
EX-ZR800 |
EX-ZR700 |
EX-ZR1000 |
イメージ
センサー |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
レンズ |
4.5-81mm F3.5-5.9
(35mm換算:約25-450mm) |
4.5-81mm F3.5-5.9
(35mm換算:約25-450mm) |
4.24-53mm F3-5.9
(35mm換算:約24-300mm) |
ISO感度 |
ISO80-3200 |
ISO80-3200 |
ISO80-3200 |
シャッタースピード |
4-1/4000秒 |
4-1/4000秒 |
4-1/4000秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット |
3型92万ドット |
3型46万ドット |
連写速度 |
30コマ/秒 |
30コマ/秒 |
30コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(30fps) |
1920 X 1080(30fps) |
1920 X 1080(30fps) |
インターフェース |
USB2.0、HDMIマイクロ端子 |
USB2.0、HDMIマイクロ端子 |
USB2.0、HDMIミニ端子、AV出力 |
バッテリー |
470枚 |
470枚 |
470枚 |
その他 |
RAW対応 |
RAW対応 |
バリアングル液晶/RAW対応 |
サイズ
(W x H x D) |
107.4x60x30.7 mm |
107.4x60x30.7 mm |
107.5x61.5x36.7 mm |
重さ |
222g / 182g |
222g / 182g |
255g / 215g |
EX-ZR800の店頭実売価格は3万円強となっているようです。本年3月に発売となったEX-ZR700とほぼ同じ価格帯でのスタートと言えます。ちなみに、現時点のEX-ZR700の価格は2万3千円前後となっていますので、選択に悩むところかもしれません。しかし、手ぶれ補正の強化やタイムプラス動画などは、後からパソコン上で加工というわけにもいきませんので、予算に余裕があればZR800をお勧めします。
( 記)
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