【一口コラム】 18倍ズームを搭載した「サクサク機」
カシオのカメラの特長は、「撮る」という行為を極限まで突き詰めようとしている点だと思います。一般的なデジカメ撮影シーンで必要とされる画質を確保しつつ、気持ちよく気軽にテンポ良く撮れること、と言っても良いかもしれません。
EX-ZR400と同時に発表されたEX-ZR700もそうした「カシオらしい」カメラです。ポジションとしては2012年11月に登場したEX-ZR1000の下位機種となりますが、液晶モニターが固定タイプに変わる一方で、ズームレンズが望遠側に延ばされるなど、単純に「下位機種」とは言い切れない実力を持っています。
EX-ZR700(左側)とEX-ZR1000(右側)。ZR700はZR1000の下位モデルとしての位置づけですが、搭載しているレンズは24-300mm相当の光学12.5倍から25-450mm相当の光学18倍ズームへと強化されています。
EX-ZR700(左側)とEX-ZR1000(右側)。液晶パネルも、3型46万ドットから3型92万ドットへと高精細化されましたが、バリアングル稼働しない固定式に変わっています。ボディ厚が薄くなったことで、動画ボタンは上面から背面側に移設されました。
EX-ZR700の主な特徴は次の通りです。
- 25-450mm相当の光学18倍ズームレンズを搭載。開放F値はF3.5-5.9。
- イメージセンサーは有効1610万画素1/2.3型CMOS。センサーはEX-ZR1000やEX-ZR400と同じです。
- 起動時間はEX-ZR1000の0.99秒から1.4秒へと長くなったものの、レリーズタイムラグ0.016秒、撮影間隔0.26秒は踏襲。
- 液晶パネルはカシオ初の3型92万ドットのものを搭載。固定式。
EX-ZR700(左)とEX-ZR400(中)、EX-ZR1000(右)。ZR700のボディデザインはZR1000と似ており、主な違いは液晶稼働の有無です。
【EX-ZR700とZR-400、ZR1000の比較】
機種名 |
EX-ZR700 |
EX-ZR400 |
EX-ZR1000 |
イメージ
センサー |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
有効1610万画素
1/2.3型 CMOS |
レンズ |
4.5-81mm F3.5-5.9
(35mm換算:約25-450mm) |
4.24-53mm F3-5.9
(35mm換算:約24-300mm) |
4.24-53mm F3-5.9
(35mm換算:約24-300mm) |
ISO感度 |
ISO80-3200 |
ISO80-3200 |
ISO80-3200 |
シャッタースピード |
4-1/4000秒 |
4-1/4000秒 |
4-1/4000秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット |
3型46万ドット |
3型46万ドット |
連写速度 |
30コマ/秒 |
30コマ/秒 |
30コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(30fps) |
1920 X 1080(30fps) |
1920 X 1080(30fps) |
インターフェース |
USB2.0、HDMIマイクロ端子 |
USB2.0、HDMIミニ端子、AV出力 |
USB2.0、HDMIミニ端子、AV出力 |
バッテリー |
470枚 |
515枚 |
470枚 |
その他 |
RAW対応 |
|
バリアングル液晶/RAW対応 |
サイズ
(W x H x D) |
107.4x60x30.7 mm |
104.8x59.1x28.6 mm |
107.5x61.5x36.7 mm |
重さ |
222g / 182g |
205g / 165g |
255g / 215g |
カシオHIGH SPEED EXILIMの魅力は、実際に手に取って撮影したときに強力なメッセージとして伝わってきます。タイムラグ、ピンボケ、手ブレを限りなく「ゼロ」に近づけるという「TRIPLE
ZERO」を掲げて開発されたことは、伊達ではありません。
EX-ZR700の店頭実売価格は3万円強となっているようです。昨年11月に発売となったEX-ZR1000が3万5千円前後でのスタートであったことを考えると、液晶モニターが固定化された分、やや買いやすい値段であると言えます。ちなみに、現時点のEX-ZR1000の価格は2万6千円前後となっていますので、バリアングル液晶とズーム倍率のどちらを重視するか、という選択になるかと思います。
(2013年 4月 5日 記)
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