【絞り】 aperture
光の量を調整するためのもの。
絞りを絞る(開口部を小さくする)ことで、より鮮明な画像が得られるとともに被写界深度も深くなる。絞り形状はできるだけ円形に近い方が、ボケの形がきれいになる。そのため、7枚や9枚など複数の絞り羽根で開口部を円形に近づけるものも少なくない。また、完全な円形とするために、開口部のサイズを変えた複数の真円穴を切り替えて使うものもある。
フィルムカメラの時代には、手動絞り制御方式のものもあった。この場合、絞り開放状態で構図やピントを確認し、手動で絞ったのちに撮影することになる。
その後、カメラとレンズとの間で絞りを機械式に連動する機構が搭載され、撮影時には自動的に設定された絞り値まで絞り込まれるようになった。さらに、機械式連動方式から電子式連動方式へと移行し、現在のレンズ交換式カメラにおいてはすべてが電子式自動連動方式の絞りに対応している。しかし、機械式連動にしか対応していない比較的古いレンズでも自動絞りを機能させるため、カメラ側には機械式連動機構も内蔵している機種も多い。
絞りはF値で示すが、F値が2倍になると光量は4分の一になる。
マウント内にある機械式絞り連動レバー。レンズ側にあるレバーと連動し、レンズ内にある絞り羽の状態をカメラ側で制御する。なお、写真の状態ではレンズの絞りは開放絞りとなる。(Nikon
D600)
レンズマウント側から見た絞り羽。リリース状態では絞り込まれた状態となっている。ニコン、ソニー、ペンタックスはこの方式であるのに対し、マイクロフォーサーズ、キヤノンEFマウントでは、逆にリリース状態では絞り開放となっている。なお、キヤノンでもEF-Mマウントは、ニコンと同様に絞り込まれた状態となる。(PENTAX
DA50mmF1.8)
【関連項目】
F値
回析現象
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