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特集 カシオ EXILIM EX-TR1501.カシオ EXILIM EX-TR150の位置づけと概要 |
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カシオ EXILIM EX-TR150
by Inaba Kunio
海外でヒットした究極の自分たち撮りカメラ 評価:5.0
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海外でヒットした自分たち撮りカメラ2011年2月に発表され、7月に販売開始となったカシオ EXILIM EX-TR100。斬新なデザインと21mm単焦点レンズを搭載した突き抜けた特徴は、残念ながら国内でのヒットには繋がらなかった。
3.8mmF2.8(35mm換算21mm)の単焦点広角レンズ。
しかし、中国をはじめとするアジア地域では若年層を中心にブレイクし、後継機であるEX-TR150の登場につながった。 海外で人気に火が付いた経緯は、日経トレンディの記事にも詳しく記載されているが、香港在住の人気モデルがSNS上で絶賛したことがきっかけとなり、若年層の生活スタイルにマッチしたためのようだ。カシオ営業部門の方の言葉を借りると「よい意味での炎上の連鎖が起きた」とのことであり、こうした展開は今後の製品開発にあたって注目すべき要素を含んでいる。 このような背景のもと、二代目となるEX-TR150が4月5日に発表となった。基本的な機能はほぼEX-TR100を踏襲しており、メイクアップ機能などを追加した点が違いである。どちらかといえば追加ロットの再生産にあたってソフトウェア上の改良を加えた、という面が強いかもしれない。 ところが、すでにメディア等でも報道されているように、発売開始予定であった4月20日を前に、予約数が販売予定数を上回ったことにより販売終了となった。比較的大量生産が可能な製品において、こうした対応は極めて珍しい。構成部品の一部に製造上のボトルネック部分があり生産数の制限となったのか、あるいは機能強化を中心とした新モデルへのシフトが予定されているのかもしれない。2月に横浜で開催されたCP+2012では、ワインレッドやピンクなどのカラーバリエーションモデルも展示されていた。これは推測だが、おそらく後者の理由が的を射ている気がする。
21mmと28mmとでは、画角に一回り以上の違いがある。
EXILIM EX-TR150の特徴は、第一に35mm換算21mmの広角レンズを搭載している点である。最近のコンパクトカメラでは、28mmや24mm始まりのズームレンズを搭載しているものも増えてきた。しかし、28mmと21mmとでは、撮影可能な範囲は一回り以上違っており、24mmとの比較でもその差は決して小さくはない。わりあいとラフに向けてもフレームからはみ出ることがない広角レンズは、自分撮り・自分たち撮り用カメラとして最適だろう。
カメラ部、液晶部、フレームが各々自由に可動できる。
EX-TR150の第二の特徴は、フレームとスイバル方式のカメラ部である。フレーム部分を使って壁からぶら下げたり、フレーム部分を握って撮影するなど、撮影スタイルの自由度は他のカメラの追随を許さないだろう。 ケータイやスマートホンに正面から立ち向かうEXILIM EX-TR150がターゲットとしている使い方は、今までケータイやスマートホンが活躍する分野であった。その分野に、デジカメならではの高い描写性能を武器に切り込んだのがEX-TR150/EX-TR-100である。その意味では、2台目のデジカメとしてではなく、ケータイ・スマートホンと一緒に持ち歩くカメラとして捉えるべきなのかもしれない。それでは大ブレイクにつながった描写力はどうか。早速、実機で実力をチェックしてみたい。 |