描写力チェック1:高感度性能
EXILIM EX-TR150の基本感度はISO100で、ISO3200まで設定できる。カメラ内にはノイズ設定項目はないため、必要であればパソコン上での処理となる。
下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものである。ピクセル等倍画像でチェックすると、ISO400あたりから徐々にノイズが目立ってくるとともに、解像感が低下していく。最近のコンパクトカメラと比較すると、ややノイズリダクション処理が強めにかかっている印象を受ける。ただし、縮小画像で見ると、ISO3200の画像も十分活用できるレベルとなっている。このあたりの味付けは、携帯電話やスマートホンに似ているが、それらとは画像の持っている基礎力が違うため、結果として「さすがデジカメの画像はきれい」という評価につながるだろう。
下記のサンプルは画像の一部を切り出したものだが、クリックすると元画像が表示されるのであわせて参照してほしい。

サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。
ISO100

ISO200

ISO400

ISO800

ISO1600

ISO3200

描写力チェック2:歪曲収差
EX-TR150に搭載されているレンズは、35mm換算で21mmの広角単焦点レンズである。レンズ構成は5群5枚で非球面レンズも使われている。絞りはF2.8の固定となるため、露出制御はシャッタースピードとISO感度によって行われる。シャッターは電子シャッターのみで、最高速は1/16000秒。
歪曲収差に関しては、画像周辺部にやや樽型収差が見られるが、21mm広角レンズであることを考えると、比較的良好に補正されている。建物主体ではなく、人物の後ろに建物も写すという使い方であれば、この程度の歪曲収差は問題にならないだろう。
焦点距離:3.8mm(35mmサイズ換算21mm)

描写力チェック3:解像力
レンズ固定式のカメラでの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行った。結果は、1/2.3型イメージセンサーのコンパクトカメラとしては平均的な解像力を示している。
画像中心部においては、概ね1500本のラインまで識別することができる。なお、上記でも記載した通り、このレンズの絞りはF2.8の固定となるため、すべて開放絞りである。
画像周辺部では、やや像の流れを確認することができる。ただし、このカメラの使い方を考えると、周辺部としても実用上十二分の解像力を示していると言えるだろう。
実際のチャートは画像をクリックすると表示されるので、ぜひ直接確認してほしい。

ISO12233準拠チャート。中央と左上の赤枠の部分を切り出
してある。画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。
3.8mm域(35mmサイズ換算21mm) F2.8
 
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