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特集 富士フイルム X10
4.富士フイルム X10の描写力をチェック |
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富士フイルム X10
by Inaba Kunio
クラシカルで実像式光学ファインダーを内蔵した実用ズーム高級コンパクト
評価:5.0
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描写力チェック1:高感度性能富士フイルムX10の基本感度はISO100で、1段ステップでISO12800まで設定可能となっている。ISO3200まではすべてのサイズに対応しているが、ISO6400ではMサイズまで、ISO12800ではSサイズのみの撮影となる。また、RAWでの撮影も、ISO3200までとなる。ノイズに関しては、カメラ内にノイズリダクションの設定がある。「弱」「やや弱」「スタンダード」「やや強」「強」の5段階で設定できる。また、RAWで撮影し、現像時にノイズリダクション処理を行うことも可能となっている。 実際の撮影結果が下記サンプルである。等倍切り出し画像を見てもらえるとわかるように、ISO400まではノイズを感じさせない仕上がりであるものの、ISO800あたりでは暗部を中心にノイズが目立ってくる。ISO1600では、部分的にかなりノイズがみられるようになり、常用域としてはこのあたりがぎりぎりだろう。 ISO3200以上になると、さらにノイズ低減処理が強くかかるため、ディテールの解像感が悪化する。ISO6400になると、かなり解像力が低下し、縮小しても目立つ状況である。ISO12800は基本的に緊急避難としての使い方となるだろう。 ただし、ノイズリダクションを「強」にすると、解像感の低下は少なくないものの、ISO6400でも使い方によってはそれなりに使えそうな画像となる。このあたりのノイズ処理はさすがと言えるだろう。
ISO100(左から「弱」「スタンダード」「強」) 描写力チェック2:歪曲収差富士フイルムX10は、35mm換算で28-112mm、光学4倍ズームを搭載している。開放F値は、広角端F2.0、望遠端F2.8であり、コンパクトカメラとしては望遠側でも明るいレンズとなっている点が特徴的である。歪曲収差に関しては、広角端から標準域までは画面周辺部でわずかに樽型収差がみられるが、ズーム域全域にわたって極めて良好に補正されている。おそらく電子的な補正も加えられているものと推測されるが、結果としての描写力は素晴らしいと言えるだろう。 焦点距離:7.1mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:8.3mm(35mmサイズ換算33mm) 焦点距離:11.3mm(35mmサイズ換算45mm) 焦点距離:17.3mm(35mmサイズ換算70mm) 焦点距離:28.4mm(35mmサイズ換算112mm) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行った。結果の詳細は下記チャートを見ていただくとして、コンパクトカメラとしては画面中心部では極めて良好な解像力を示している。広角端では、一部モアレが発生しているものの、絞り開放でもぎりぎり2500本のラインの視認が可能である。1段絞ると、さらに解像感が増す。望遠側に移るにつれ、わずかづつ低下するものの、標準域でも2500本ラインが識別できている。 望遠端では、最下段の2500本ラインは視認できないが、それでも2300本のラインあたりまでは識別可能であり、コンパクトカメラの解像力としては良好である。 画像周辺部に関しては、中心部と比べ若干厳しい結果となった。広角端から画像の流れがあり、絞るとわずかに改善される。こうした傾向は、望遠側に移ってもほぼ同様であった。
7.1mm域(35mmサイズ換算28mm) F2.0
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