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特集 ネオ一眼 LUMIX DMC-FZ150
5.LUMIX DMC-FZ150の描写力をチェック |
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描写力チェック1:高感度性能LUMIX DMC-FZ150の基本感度はISO100で、ISO3200まで設定可能となっている。ノイズ低減処理のやり方としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法がある。カメラ内でのノイズ低減は、セットアップメニュー内に項目があるのではなく、撮影メニューの「フォトスタイル」で「ノイズリダクション」を操作して行う。標準では「0」となっており、プラスとマイナスに各々2段階、計5段階から選択することができる。 今回試写してみて感じたのは、標準でもノイズリダクションが有効に機能しているということだ。FZ150のイメージセンサーは1/2.3型であるが、以前のコンパクトカメラのセンサーとは比べ物にならないほどノイズ処理が効果的に行われている。 下記のサンプルは、ノイズリダクションを-2、0、+2の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものである。ISO400までは、ほとんどノイズを感じなく、ISO800でも常用可能だろう。ISO1600になると、暗部で少々ノイズが目立ち始めるが、一般的な撮影では十分使用可能なレベルとなっている。ISO3200も、単に設定できるというレベルではなく、シーンによっては積極的に利用すべきだろう。 今回使用して感じたのは、JPEGでも十分なクオリティが確保されているということだ。ネット上のレビュー記事では、RAW現像とJPEGとでは、ノイズ感でもかなりの差がある、というものもあったが、私が確認したところでは、ほとんど差は感じられなかった。もちろん、ホワイトバランスや露出調整などの柔軟性ではRAWにメリットはあるが、「基本はRAW撮影」ということではない。
ISO100 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」)
ISO200 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」)
ISO400 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」)
ISO800 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」)
ISO1600 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」)
ISO3200 (左からノイズリダクション「-2」、「0」、「+2」) 描写力チェック2:歪曲収差LUMIX DMC-FZ150は、35mm換算で25-600mm、光学24倍ズームを搭載している。ネオ一眼の分野では必ずしも突出したスペックではないが、レンズ交換式カメラにおいてはいまだ実現すらできていない領域であることは認識する必要がある。その上で歪曲収差を確認すると、広角端ではやや樽型の収差が残されているものの、焦点域を考えれば良好に補正されている。そして、35mm換算でいえば50mmあたりから600mmの望遠端までは、ほとんど歪曲収差を確認することができず、極めて良好に補正されている。 ズーム倍率を考えると、おそらく収差補正は光学系だけで行われているのではなく、画像処理エンジンでもかけられているのだろう。なお、RAWで撮影したものも、歪曲収差に関しては同じとなっている。 描写力チェック3:解像力ノイズ処理、歪曲収差については、レンズ交換式デジタルカメラと比較しても十分勝負となる性能を示したが、解像力に関しては、さすがにセンサーサイズの違いを確認することができる。とはいえ、コンパクトカメラの中においては、やはり良好な解像力となっている。下記のサンプルは典型的な焦点域のものを取り出しているが、広角側からだんだんと解像力が上がっていき、35mm換算では100mmから120mmあたりが解像力ではピークとなる。そして、望遠側に移るにつれ徐々に低下をしていく。ただし、望遠端においても、そこそこの解像力は示しているので、レンズの光学設計がしっかり行われていることがわかる。 なお、小サイズセンサーであることから、DMC-FZ150でも比較的早い段階で回析現象が発生する。設定可能な最大絞値は望遠側でもF8.0となっているが、解像力だけを考えれば、広角側を除き、基本的には絞り開放で撮影した結果が一番良好な結果となった。広角端でも、1段絞れば十分である。
4.5mm域(35mmサイズ換算25mm) F2.8
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