【一口コラム】世界最小のAPS-Cミラーレスカメラ
ソニーの新型ミラーレスカメラ、α5000(型番:ILCE-5000)が国内でも正式発表となりました。すでに1月7日に海外で発表されたもので、米国での直販価格は$599.99(105円換算で、約6万3千円)でした。国内でのパワーズームレンズキット店頭予想価格は5万3千円前後となっていますので、メーカーとしても踏み込んだ価格設定であると思います。
α5000のポジションは、NEXシリーズのエントリー機αNEX-3N(製品レビュー)の後継機ですが、型番がαシリーズに統合されただけでなく、イメージセンサーをはじめ全体にブラッシュアップされています。
2013年3月発売のαNEX-3N。これまでの最小・最軽量モデルでした。発売開始時の実売価格は、パワーズームレンズキットで5万円前後でした。
まずは、α5000はαNEX-3Nからどのように進化したのか、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーが新型となり、有効2010万画素に。α58に搭載されたものと同等と思われます。なお、αNEX-3N、αNEX-5Tのセンサーは、いずれも有効1610万画素でした。
- 画像処理エンジンはα7(製品レビュー)と同等のBIONZ Xを搭載しています。
- オートフォーカスはコントラスト検出方式のみで、測距点は25点です。
- 液晶モニターはNEX-3Nと同じ3型46万ドットのもので、180°反転させての「自分撮り」にも対応しています。
- NEX-3Nには搭載されていなかったWi-FiとNFCを内蔵。スマートフォン等によるリモート操作にも対応しています。
- 動画性能はNEX-3Nと同じで、フルHD(60i)に対応。
- フラッシュを内蔵。スマートアクセサリーターミナルは搭載されていないため、電子ビューファインダーには対応しません。このあたりもNEX-3Nと同じです。
- ボディサイズはさらにコンパクトになり、重さは同じ。
- 同梱されるバッテリーパックNP-FW50は新バージョンとなり、57gから40gへと軽量化。容量は従来のものと同じ。
α5000(左側)とNEX-3N(右側)。α5000のグリップ部はむしろNEX-5Tに似ています。
α5000(左側)とNEX-3N(右側)。液晶モニターは3型46万ドットのものです。ボディ上面が下げられたため、マウント上部が上に飛び出す形状となっています。ボタンやダイヤル類はほぼ同じですが、ボディ上面にあった再生ボタンが液晶モニター側に移されるとともに、ヘルプボタンが置かれています。
α5000(左側)とNEX-3N(右側)。シャッターボタンの同軸に置かれているズームレバーは、α5000でも踏襲されています。レンズ光軸上に内蔵フラッシュがあり、その両側はステレオマイクが配されています。
【ソニーα5000とαNEX-3N、αNEX-5Tの比較】
機種名 |
 α5000 |

NEX-3N |

NEX-5T |
イメージ
センサー |
有効2010万画素
APS-Cサイズ |
有効1610万画素
APS-Cサイズ |
マウント |
ソニーEマウント |
ISO感度 |
ISO100-16000 |
ISO100-25600 |
シャッター
スピード |
30-1/4000秒
フラッシュ同調は1/160秒まで |
ファインダー |
非対応 |
外付EVF FDA-FV1Sに対応 |
液晶モニター |
3型46万ドット
バリアングル可動 |
3型92万ドット
バリアングル可動
タッチパネル |
連写速度 |
最高2.5コマ/秒
速度優先3.5コマ/秒 |
最高2.5コマ/秒
速度優先4コマ/秒 |
最高3コマ/秒
速度優先10コマ/秒 |
動画撮影 |
1920x1080
(60i) |
1920x1080
(60p) |
バッテリー |
NP-FW50
420コマ |
NP-FW50
480コマ |
NP-FW50
330コマ |
付加機能 |
Wi-Fi/NFC
フラッシュ |
フラッシュ |
Wi-Fi/NFC
フラッシュ |
サイズ (W x H x D) |
109.6×62.8×35.7 mm |
109.9×62×34.6 mm |
110.8×58.8×38.9 mm |
重さ |
269g/210g |
269g/210g |
276g/218g |
型番から見ると、α5000はNEX-5Tの後継機のように感じますが、仕様を比較するとやはりNEX-3Nの後継機であることがわかります。上記では記載されていませんが、NEX-5TにはファストハイブリッドAF(位相差検出方式/コントラスト検出方式)が搭載されている点も、使い勝手の上では大きな違いとなりそうです。
今後、NEX-5TやNEX-6、NEX-7の後継機がどのような形で出てくるのかが興味深いですが、型番が繰り上がったことを見ると、旧NEXシリーズの最上位機種α9000はNEX-7の後継機になり、フラグシップモデルはフルサイズ機α9(仮称)のみとなるのかもしれません。
上側には180°反転させることが可能な液晶モニターは引き続き搭載されました。
すでに販売店での予約も受け付け始められています。ボディ単体及びパワーズームレンズキットで5万円弱、ダブルズームレンズキットでは7万円前後となっており、NEX-3N登場時よりもやや安価でのスタートとなりそうです。
( by Inaba Kunio)
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