リコー GR のレビューを振り返って ~素晴らしいレンズ


京セラ VP-210 by Morio in CP+2011
5月24日に発売開始となったリコーGRをテストしました。詳細はリコーGRレビュー記事を見ていただければと思いますが、テストを行って感じたのはレンズ性能の素晴らしさです。

APS-Cサイズのイメージセンサーと、35mm換算28mm相当の単焦点レンズを搭載した高級コンパクトとしては、3月にリリースされたニコンCOOLPIX Aがあります。このカメラも素晴らしいレンズで、特に画面中央部の解像感は絞り開放から極めて良好でした。

GRも同じ焦点距離、同じ開放絞りのレンズを搭載していますが、描写傾向はCOOLPIX Aとは大きく異なります。

画像中心部は、このクラスのカメラとして平均以上の描写性能であるものの、COOLPIX Aのような「鋭いキレ」は感じません。しかしGRのレンズが素晴らしいのは、画面全体にわたって高いレベルの描写力が保たれている点です。歪曲収差はほとんど残っておらず、絞り開放でも周辺光量不足は気になりません。特に広角レンズでは四隅に発生しやすい像の流れも、極めて良好に抑制されています。GRは「被写体を正確に記録する」というカメラの基本機能にこだわって設計されたことを感じます。

振り返ればフィルムコンパクトカメラGR1の描写力も高く、あとから28mmF3.5のLマウントレンズとして限定販売されたほどです。ボディサイズがGR1とほぼ同じことを含め、まさにGRは「GR1のデジタル版」と言って良いかもしれません。

※標記の写真は、ISO12233テストチャートの左上部分を切り出した等倍画像。絞りは開放(F2.8)。