デジカメ各社、新しい飛躍に向けて


日本経済新聞

 ゴールデンウィークも本日で終わりますが、充実した休日を過ごせましたでしょうか。今年は暦の上では前半と後半に分かれてしましまいましたが、28日(月)も休みを入れて2回の4連休を楽しまれた方もいらっしゃることと思います。いずれにしても、これからしばらくは祝日がありませんので、仕事や勉学に励んでいただければと思います。

 先日は、「日経ビジネス」誌の記事「ガラパゴス化するミラーレス」について触れました(詳細は「ミラーレスカメラはガラパゴス化するのか?」をご参照ください。)が、本日は日経新聞の朝刊に「カメラ大手、レンズ充実~品ぞろえで需要発掘」という記事が掲載されました。こうした記事を見ると、ビジネスという視点に立った時、デジカメや映像機器の占める位置が決して小さくないことを改めて感じます。少なくともフィルムカメラ時代には、これほど大きくは取り上げられていませんでしたので、デジタル化によって市場規模自体が大きく拡大したことの反映でもあると思います。

 日経新聞の記事では、レンズの品ぞろえを増やしたり、アフターサービスを充実させることで、カメラ事業の収益向上に取り組む姿が記載されています。


 各社の取り組み内容については、次のように書かれています。

キヤノン

 初心者向けから最上位クラスまでレンズを10本リリースする(2013年度の2倍)とともに、修理部門の人員を3割増やしてサービスの質の向上と修理期間の短縮を実現する。

ソニー

 35mmフルサイズのレンズに力を入れ、超広角レンズ、マクロレンズなど5本をリリースする。

ニコン

 例年と同様、10本のレンズをリリースする。

リコー

 カメラの貸し出しサービスを始めたが、写真教室も増やしていく。

オリンパス

 大都市だけで企画していた無料レンズクリーニングサービスを地方都市でも行う。

 キヤノンについては、広角ズームEF-S10-22mmF3.5-4.5やティルト・シフト機構を備えたTS-E4mmF2.8の後継機などがかなり具体的な噂情報として流れていますが、本当に10本がリリースされれば過去最多となります。

 ソニーについても、フルサイズに対応した広角ズームFE16-35mmF4やFE PZ28-135mmF4などは近日中に姿を見せるようですが、ロードマップではマクロレンズも示されていましたので、これらを含む5本と言うことだと思われます。おそらく明日には発表会もありそうですので、4K動画や高感度性能を強化したα7S、海外発表されたα77II、高級コンパクトの三代目DSC-RX100M3などとともに正式発表されるかもしれません。

 レンズなどのアクセサリー類やアフターサービスなどで収益を確保するという方向性は、デジカメ事業が成熟段階に入りつつあることを示しているのかもしれません。また、とくにミラーレスカメラでは、先行するマイクロフォーサーズ陣営を含め、まだまだレンズの品ぞろえが足りていませんので、レンズ強化という方向性自体はユーザーにとっても魅力的だと思います。

 ただし、それではカメラ本体(レンズ交換式カメラにせよ、一体型カメラにせよ)が成熟しきっているかといえば、やはり発展途上にあると思います。たとえばレンズ交換式カメラをみても、α7のようなミラーレスカメラだけでなく、キヤノンのEOS KissX7のように大幅にコンパクト化したデジタル一眼レフや、ペンタックスK-01のように既存マウントを活用したミラーレス、あるいはパナソニックのDMC-GMのようにコンパクトカメラと同等のボディサイズなど、新しい要素を取り込んだカメラが次々に生まれてきています。また、カメラメーカーの特許取得情報を見ても、新しい切り口の製品は今後も引き続き登場していくであろうことも予測できます。

 今年は秋にフォトキナが開催される予定です。各社とも、新製品発表の最終フェーズに入りつつあると思われますが、デジカメや映像機器の新しい飛躍につながる製品の登場を期待します。


関連記事:「「ミラーレスカメラはガラパゴス化する」のか?

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