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特集 パナソニック LUMIX DMC-GM
パナソニック LUMIX DMC-GM ~世界最小のミラーレス |
パナソニック LUMIX DMC-GM
by Inaba Kunio
高級コンパクトよりも小さいミラーレスカメラ登場
評価:5.0
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1.パナソニック LUMIX DMC-GMの位置づけと概要手の中に包み込めるミラーレスカメラパナソニックのLUMIX DMC-GMが発売開始となりました。パナソニックのミラーレスカメラの中では新しいシリーズとなりますが、一番の特徴は「世界最小のレンズ交換式カメラ」ということになります。ペンタックスのナノ一眼Q7(製品レビュー)と比べてもコンパクトなボディの中に、4/3型のイメージセンサーが搭載されていることには驚きを感じます。→発売前の記事「一口コラム:高級コンパクトよりも小さなミラーレス」。
ペンタックスのコンパクト・ミラーレス Q7。DMC-GMはさらに小型です。
DMC-GMの主な特徴は、次のとおりです。
LUMIX DMC-GMの魅力は?LUMIX DMC-GMの魅力を一言で言えば、DMC-GX7と同等の描写性能と機能を、世界最小サイズに実装しているということになります。シャッターユニットの違いやボディ内手ぶれ補正機能非搭載などの違いはありますが、基本的にはDMC-GX7の基本性能を搭載しています。
ボディサイズが小型化されることで、インターフェースも高級コンパクトのものに似ています。 それでは、パナソニックのコンパクトミラーレス、LUMIX DMC-GMの実力をテストしてみたいと思います。 ![]()
2.LUMIX DMC-GMを開封し外観をチェックパナソニック LUMIX DMC-GMを開封するパナソニックから、世界最小のミラーレスカメラLUMIX DMC-GMの発売が始まりました。今まで最小だったペンタックスのナノ一眼Q7(製品レビュー)と比べても、わずかながらDMC-GMの方が小型であり、イメージセンサーの大きさの違いを考えると、驚きを感じます。販売形態は、G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6(製品レビュー)のレンズキットのみで、ボディカラーはオレンジ、ブラック、ホワイト、シルバーの4種類が用意されています。キットレンズは、ブラックボディのみブラックのものが付属しており、他はシルバー色のレンズとなります。 今回は、いつもどおりブラックカラーを選択しました。
LUMIX DMC-GMのパッケージ。ブラックの高級感あるデザインだと思います。。カラー記号の付いた「DMC-GM1K」の文字が印字されていますので、ボディカラーにあわせてパッケージのデザインも変えられているのかもしれません。
蓋を開けると、取扱説明書や保証書の入ったケースが置かれていました。この中に挟み込まれる形で梱包されています。
書類が入っているケースの下に、ボディや付属品が格納されています。右側の白いパッケージの中に、レンズを装着したカメラ本体が入っています。付属品はすべて左側のボックスの中に入っていました。
付属品。左上から取扱説明書、CD-ROM、バッテリーチャージャーDE-A99A、バッテリーパックDMW-BLH7、USB接続ケーブルK1HY08YY0031、ショルダーストラップVFC-5071。 パナソニック LUMIX DMC-GMの本体をチェック
ボディ前面。比較的小型なマイクロフォーサーズマウントがボディ高一杯に置かれています。ボディ本体はマグネシウム合金製で剛性感があります。
9月に登場したDMC-GX7(製品レビュー)のボディ前面。電子ビューファインダーを内蔵していることもあり、ボディサイズは2まわり大きくなっています。
液晶モニター側。サイズが小さいため、こちら側だけを見るとコンパクトカメラのように見えます。液晶モニターは3型104万ドットで、アスペクト比は3:2となります。
6月に登場した電子ビューファインダー内蔵の高級コンパクトDMC-LF1(製品レビュー)の液晶モニター側。搭載されているパネルは3型92万ドットで、サイズはDMC-GMのものと同じです。ボタン等のインターフェースも似ています。
ボディ上面。フォーカスモードレバー、電源スイッチ、モードダイヤルはアルミ削り出し処理が施されています。フラッシュは内蔵されていますが、アクセサリーシューは搭載されていません。
ボディ底面。三脚用の穴はレンズ光軸上に置かれています。ボディ本体は中国製となっています。購入した個体のS/Nは5xxxでした。右端に見える穴は、オプションのハンドグリップDMW-HGR1を固定するためのものです。
ボディ左側面。右下にマイクロフォーサーズのロゴが印字されています。ストラップ取付け部は三角環方式です。
ボディ右側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。また、Wi-Fiのアンテナ部もあります。DMC-GMにはNFCは搭載されていません。
ボディ上部のLUMIXのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。ロゴの右側に見えるのはセルフタイマーランプとAF補助光を兼ねるものです。
ボディ右下には「L」マークが貼付されています。このマークは「LEICA」ブランドのレンズを搭載しているためと思っていましたが、実際には「LUMIX」を意味するものでした(メーカー確認済)。ご指摘くださった方に感謝申し上げます。
DMC-GMのマウント口。シャッター構造をバネ式からモーター式に換えることでユニットの小型軽量化が図られています。なおフラッシュ同調速度が1/50秒に留まったのは、このあたりに理由があるのかもしれません。
DMC-GMのイメージセンサー。センサーはDMC-GX7のものと同等です。
マウント口の右側に見えるボタンはレンズ取り外しボタンで、このボタンを押すと、マウント上にあるピンが下がります。
ボディ軍艦部右側のメインコントロール部。単独でフォーカスモードレバーが置かれています。電源スイッチはシャッターボタンの同軸に配置されています。
ボディ軍艦部左側には内蔵ストロボのポップアップ部があります。その右に見える指標はイメージセンサーの位置を示すもので、焦点距離の基準面となります。その右前に見えるのはステレオマイクです。
液晶モニターの上にフラッシュオープンレバーが置かれています。このレバーは機械式のため、電源が入っていない状態でも稼働します。その右に見える穴はスピーカーです。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。開口部の右側に見える爪がレバーと連動しています。
内蔵ストロボのポップアップ部。GNは4.0(ISO100)相当となります。最高感度のISO25600にすると8段分感度が上がりますのでGNは64となり、理論上、F2.0のレンズであれば32mまで有効となります。
当然メーカーは推奨しませんが、ストロボ照射部は上に向けることも可能です。
キットレンズ12-32mmを装着した状態。レンズは広角端ですが、ズーム操作によるレンズ長の変化は大きくありません。内蔵ストロボの照射部は比較的高いように思います。
液晶面右側のコントロール部。カーソルボタンの周りにはコントロールダイヤルが置かれています。ボタン配置はコンパクトカメラに似ているように思います。
外部接続端子カバーを開いた状態。上からマイクロHDMI端子、AV OUT/DIGITAL端子となります。
ボディ底面のバッテリー室カバーを開いた状態。メモリーカードのスロットもこの中に置かれており、カード挿入方向がレバー上に刻印されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。
ボディ単体での重さの実測値は172.8gでした。メーカー公表値は173gです。
メモリーカードとバッテリーを挿入した撮影環境での重さは、204.0gでした。使うメモリーカードによって違いはありますが、メーカー公表値は204gです。
薄型レンズ LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014(製品レビュー)を装着した状態。コンパクトなボディにマッチしています。
付属するキットレンズ12-32mmを装着した状態。沈胴タイプのレンズのため、撮影するためにはズームリングを回してレンズを伸長させる必要があります。
比較的小型の高級コンパクト キヤノンPowerShotS95と並べた状態。サイズ的にはわずかながらDMC-GMの方がコンパクトです。
同じく、PowerShotS95(右側)と比較した状態。ボディ部分の厚さもほぼ同じです。
液晶モニターの表示画面。3型104万ドットで静電容量方式のタッチパネルとなっています。アスペクト比は3:2ですので、最大サイズの静止画では画面中央に表示されます。 パナソニック LUMIX DMC-GMの付属品をチェック
LUMIX DMC-GMに使用するバッテリーチャージャーDE-A99A。DMC-GF6などでも採用されたものです。バッテリーパックDMW-BLH7の充電には、最大で130分かかります。
コンセントに接続するプラグ部分は回転式で、本体内に格納可能となっています。可搬性の点でメリットがあります。DB-A99Aは中国製。
付属するリチウムイオン電池DMW-BLH7。DMC-GMで採用されたもので、容量は7.2V 680mAhです。静止画であれば最大230枚、動画であれば80分の撮影が可能となっています。
付属するUSB接続ケーブルK1HY08YY0031。パソコンやプリンター等との接続に使用します。
付属するショルダーストラップVFC-5071。合成皮革製ですが、しっかりとしたつくりです。 Sponsored Links 3.LUMIX DMC-GMの描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能パナソニック LUMIX DMC-GMの基本感度はISO200で、標準ではISO25600まで設定可能となっています。さらに、拡張設定では低感度側ISO125相当まで拡げることができます。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法とがあります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。 カメラ内でのノイズ低減は、撮影メニューの中の「フォトスタイル」と「長秒ノイズ除去」で設定します。高感度ノイズ処理の設定場所がややわかりづらいので、取扱説明書を参照されると良いと思います。 「フォトスタイル」の中には、コントラストやシャープネス、彩度、フィルター効果(モノクローム設定時)とともに「NRノイズリダクション」の項目があります。ノイズリダクションは、-5から+5までの11段階で設定でき、標準では「0」となっています。設定幅については、DMC-GX7と同じです。 「長秒ノイズ除去」は、「ON」と「OFF」の2つから選択します。なお、動画撮影時や超高速連写SH時、電子シャッター使用時等には「長秒ノイズ除去」は機能しません。 DMC-GMでは、概ねDMC-GX7と同等の高感度性能でした。 ノイズリダクションを最弱の「-5」にしても、ISO800まではほとんどノイズを感じません。ISO1600になると、暗部を中心にわずかにノイズが見られますが、気にならないレベルに留まっています。ISO3200では、解像感の低下とノイズが目立ってきますが、このあたりまでなら等倍でも十分常用域だと感じました。 ノイズリダクションを「0」にすると、概ね1段程度ノイズ感が低減されます。ISO6400でも常用可能なノイズレベルであると思います。 ISO12800以上では、さらにノイズが増えてくるとともに、解像感の低下も目立ってきます。画像自体が破たんしている状態にはならないため、縮小するなどの使い方によっては、十分活用可能ですし、ノイズリダクションを「0」にすれば、等倍であってもそれなりに使えそうに感じました。 ISO25600では、さらにノイズ感が増え、解像感も低下します。とはいえ、緊急避難用として位置付けるには少々もったいないレベルではあります。 下記のサンプルは、ノイズリダクションを「-5」、「0」、「+5」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなります。表示画像は等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO125(左から「-5」「0」「+5」) 描写力チェック2:解像度Panasonic LUMIX DMC-GMのイメージセンサーは有効1600万画素です。今回テストに使用したLUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014は35mm換算で28mm相当F2.5の薄型・広角単焦点レンズです。光学的に無理のないレンズのため、解像力の点でもしっかりとした実力を発揮しました。今回のテストでは、絞り開放のF2.5でも、視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本ラインの識別が可能でした。絞るにつれて鮮明度が上がり、概ねF5.0(絞り開放から2段分絞った状態)が一番クリアーであると感じました。 下記はほぼ等倍で切り出した画像ですが、クリックすると元画像も表示されますので、あわせてご参照ください。
視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本まで視認できています。モアレもほとんど発生していません。
横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本域までしっかり視認可能です。
参考まで、左上部分を切り出してみました。クリアーで鮮明な画像です。
描写力チェック3:シェーディング補正機能パナソニックLUMIX DMC-GMには、レンズの特性による画面周辺部の明るさを補正する「シェーディング補正」機能があります。撮影メニューの中で、「ON」か「OFF」のどちらかに設定します。なお、動画撮影時には機能しません。テストに用いたのは、LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014です。 このレンズは、もともと周辺光量の減光が大きいものではありませんでしたが、補正機能を「ON」にすると、さらに良好に補正されることが確認できました。
LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数パナソニックによると、LUMIX DMC-GMの連写性能は次の通りです。
使用したメモリーカードは高速タイプのものです。 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)
LUMIX DMC-GMはコンパクトなミラーレスカメラですが、レンズ交換式カメラとして実用上十分な連写性能を持っていました。RAWやRAW+JPEGでは概ね7枚でバッファーメモリーが一杯となりますが、その後も1~2コマ/秒のペースでカード容量一杯まで撮影ができました。JPEGであれば、ほぼバッファー容量を気にせずにカード容量一杯までの連写が可能です。 4.結局、LUMIX DMC-GMは「買い」か?独断 素晴らしい! ![]()
独断 もう一息! ![]()
Sponsored Links 付録.製品仕様からみた LUMIX DMC-GMの特長
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