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特集 LUMIX DMC-G6
パナソニック LUMIX DMC-G6~EVF内蔵の新世代ミラーレス |
パナソニック LUMIX DMC-G6
by Inaba Kunio
EVF内蔵の新世代ミラーレス DMC-G6
評価:5.0
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1.パナソニック LUMIX DMC-G6の位置づけと概要EVF内蔵の新世代ミラーレスパナソニックからEVF内蔵の新型ミラーレス、LUMIX DMC-G6が発売となりました。型番からもわかるように、2012年9月に登場したDMC-G5の後継機と言えますが、一足先に登場したDMC-GF6で採用されたWi-Fiなどの新機能もきちんと盛り込まれています。→発売前の記事「一口レビュー:EVF内蔵の新型機 DMC-G6」はこちら。 DMC-G6(左側)とG5(右側)。ボディの幅は119.9mmから122.5mmに、高さは83.2mmから84.6mmへとわずかに増しただけですが、軍艦部の盛り上がりが大きくなっているため、数値以上に高くなった印象を受けます。デザイン的にはDMC-GH3に似ています。DMC-G6では、Gマークの下にステレオマイク端子が新設されています。
DMC-G6(左側)とG5(右側)。液晶モニターはG5と同様にバリアングル可動が可能で、RGBの92万ドットからRGBWの104万ドットのものに変わっています。Wi-Fi搭載に伴い、Fn4を兼ねるボタンが追加され、インターフェースも強化されました。電子ビューファインダーも有機EL化され、視認性が向上していました。
DMC-G6(左側)とG5(右側)。装着しているレンズが異なりますが、グリップ部がより深くなっているためホールド性が向上していました。シャッターボタンの手前にあるファンクションレバーは、電動ズームレンズ装着時にはズームレバーとしても機能しますが、形状が改良されており、より操作しやすくなっています。
DMC-G6の特徴は、次のとおりです。
DMC-G6の魅力は?DMC-G6になって、このクラスのミラーレスカメラに期待する機能や性能は、ほぼすべてが搭載されたように思います。DMC-G5から実質的には半年での世代交代ですが、電子ビューファインダーを内蔵したパナソニック・ミラーレスカメラとして、一つの完成形にさらに近づいたことを感じました。フラグシップ機であるDMC-GH3との基本性能の違いは決して小さくありませんが、DMC-G6も多くの方にとって十分なレベルに到達していたと言えると思います。それでは、EVF内蔵の新世代ミラーレス、DMC-G6の実力をテストしてみます。
2.パナソニック DMC-G6を開封し外観をチェックパナソニック LUMIX DMC-G6を開封するパナソニックLUMIX DMC-G6が発売開始となりました。ボディカラーは、ブラック、ホワイト、シルバーの3色ですが、シルバーとホワイトはレンズキットによっては用意されていないものもあります。DMC-G6の販売形態で面白いのは、ボディ単体の他にレンズキットが3種類設定されていますが、付属するレンズはすべて異なっているという点です。標準ズームレンズキットには14-140mmが、電動ズームレンズキットには14-42mm電動ズームが、ダブルズームレンズキットには14-42mmIIと45-150mmの2本がセットになっています。 販売開始時点の実売価格は、ボディ単体で6万円台、標準ズームレンズキットで10万円前後、電動ズームレンズキットで8万円台、ダブルズームレンズキットは9万円弱となっています。セットになっているレンズに違いはありますが、概ね2012年9月に発売されたDMC-G5のスタート時点と同等の価格と言えます。 今回は、14-140mmズームレンズのテストを行いたいため、標準ズームレンズキットを購入しました。ボディ側に用意されているズームレバーを考えると、電動ズームレンズとの相性も良さそうです。ボディカラーはいつもどおりブラックを選びました。
Panasonic LUMIX DMC-G6標準ズームレンズキットのパッケージ。ケースは白と黒を基調としたデザインに、レンズを装着した写真が印刷されています。
ケースを開けると、上段トレーに取扱説明書や保証書等が入っています。その下に、ボディ等が格納されています。写真の白い包みがボディ本体で、レンズは下側に入っています。
一緒に入っている付属品です。左上より取扱説明書、CD-ROM、バッテリーチャージャーDE-A79A、バッテリーパックDMW-BLC12、USB接続ケーブルK1HY08YY0032、ショルダーストラップVFC4765。この他にレンズ関係も付属します。 パナソニック LUMIX DMC-G6の本体をチェック
ボディ前面。DMC-G5と比較すると、両肩のデザインが変わり重厚感が増していますが、ボディサイズや重さはほぼ同等です。
ボディの液晶モニター側。ファンクションボタンが2つ増設され、より使い勝手が良くなっています。
DMC-G5の液晶モニター側。ファンクションボタンはFn1からFn3まで。
液晶モニターは2軸のバリアングル稼働方式のため、写真のように反転させることが可能です。(この状態で出荷されます。)反転させることで、運搬時などに液晶画面の破損がしにくくなります。
ボディ上面。基本的なレイアウトはDMC-G6を踏襲していますが、G5ではボディ上面にあったストロボポップアップレバーが背面側に移設されました。モードダイヤルにはパノラマモードが追加されています。
ボディ底面。三脚用の穴はレンズ光軸上に設置されています。ラベルには日本語で印字されています。ボディ本体は中国製。S/Nは1xxxでした。
ボディ左側面にはNFCアンテナ部が内蔵されています。
ボディ右側面には、外部接続端子が置かれています。グリップ下部にある四角は、ACアダプターDMW-AC8を使用するときにDCカプラーDMW-DCC8のケーブルを出す切欠部カバーです。
ボディ本体のみの実測値は339.5gでした。メーカー公表値は340gです。
バッテリーとメモリーカードを挿入した状態では391.5gでした。メモリーカードによっても差が出るとことですが、メーカー公表値は390gです。
DMC-G6のイメージセンサー。電子接点は11点となります。バヨネット部の爪もマウントと一体となっています。
ファインダー部正面にあるLUMIXのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。
ボディ左肩に印字されているGマーク。DMC-G5のものと比べると、ややチープな印象を受けます。ロゴの下にあるカバーはマイク端子用のもの。
マイク端子カバーを開いた状態。マイク端子はDMC-G6で新設されたもので、ステレオガンマイクロホンDMW-MS2に対応しています。
ボディ右下には、ライカLEICAのLロゴが貼付されています。
グリップ形状もやや変更され、張り出し部分が大きくなっています。シャッターボタンの取り付け部も、より前面に移されています。その右に見えるランプはセルフタイマーとAF補助光を兼ねるものです。
グリップ部上面のメインコントロール部。基本的なレイアウトはDMC-G5と共通です。シャッターボタンの左側にあるのはファンクションレバーで、電動ズームレンズであればボディ側からズーム操作が可能です。
後ダイヤル。回転させるだけでなく、押下操作にも対応しています。
液晶モニター右側のコントロール部。黒地に白文字となったため、視認性が向上しています。右下にあるWi-Fi/Fn4ボタンが新設されました。
ファインダー接眼部右側。ボタン自体は同じですが、Q.MENUにはFn1としての役割も当てられています。
Fnボタンの設定画面。一覧でわかりやすい設定方法だと感じました。写真は初期状態の設定内容です。
電子ビューファインダーの接眼部。DMC-G5と同じ144万ドットですが、G6では有機ELパネルに変わっており、応答性が向上しているとのことです。
電子ビューファインダーには視度調整ダイヤルが装備されています。DMC-G5ではボディ上面にあったフラッシュオープンレバーが、フラッシュオープンボタンに変わり、こちら側に移設されています。
アクセサリーシュー部分。出荷時にはカバーは付属しません。その前にあるのは内蔵ステレオマイクです。
ボディ左肩にはスピーカー用の穴が設けられています。その手前に見えるマークは撮像部の位置を示すものです。厳密に焦点距離を合わせる場合、この面が基準となります。
ボディ右側面にある外部接続端子。上からリモート端子、miniHDMI端子、AV OUT/DIGITAL端子。
ボディ底面のバッテリー室。メモリーカード挿入口もこちらにあります。バッテリーやメモリーカードの挿入方向ガイダンスが刻印されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。
ボディを斜め前から見ると、軍艦部両肩のデザインが変わったことがわかります。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。照射位置は比較的高いため、レンズによるけられは生じにくいと思います。
液晶パネルは3型104万ドットのものです。アスペクト比は3:2ですが、マイクロフォーサーズのイメージセンサーは4:3のため、最大サイズで撮影すると画面の両側が黒く表示されます。
同じ状態で電子ビューファインダーの表示画像。144万ドットの有機ELパネルで、鮮明に見えます。こちらのアスペクト比は4:3のため、画面いっぱいに画像表示が可能です。 LUMIX DMC-G6の付属品をチェック
バッテリーチャージャーDE-A79A。DMC-G5やDMC-FZ200やDMC-GH2で使われているものと同じです。バッテリーパックDMW-BLJ12の充電には、約140分かかります。
バッテリーチャージャーのコンセントプラグ部分は本体に格納可能なため、可搬性の面で優れています。
バッテリーパックDMW-BLC12。容量は7.2V 1200mAhで、静止画では最大で350枚、動画では最大150分の撮影が可能です。バッテリーチャージャー、バッテリーパックとも中国製。
付属するUSB接続ケーブルK1HY08YY0032。AV出力やパソコン・プリンター等との接続に使用します。
ショルダーストラップVFC4765。Gシリーズ共通のもので、高級感のある合成皮革製です。
ボディキャップVKF4971。ボディに装着された状態で出荷されます。
ボディキャップは、ボディ側マウントのバヨネットを利用して固定するタイプです。 Sponsored Links 3.パナソニック DMC-G6の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能パナソニック LUMIX DMC-G6の基本感度はISO160で、標準ではISO12800まで設定可能となっています。さらに、拡張設定ではISO25600相当まで拡げることができます。DMC-G5は標準設定のみでしたので、G6では1段分高感度側に拡がったことになります。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法とがあります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。 カメラ内でのノイズ低減は、撮影メニューの中の「フォトスタイル」と「長秒ノイズ除去」で設定します。 「フォトスタイル」の中には、コントラストやシャープネス、彩度とともに「NRノイズリダクション」の項目があります。ノイズリダクションは、-5から+5までの11段階で設定でき、標準では「0」となっています。このあたりは、DMC-GF6と同じです。なおDMC-G5では、-2から+2までの5段階でしたので、より細かく設定が可能となっています。 「長秒ノイズ除去」は、「ON」と「OFF」の2つから選択します。なお、動画撮影時や超高速連写SH時には「長秒ノイズ除去」は機能しません。 DMC-G6では、ノイズリダクションを最弱の「-5」にしても、ISO800まではほとんどノイズを感じませんでした。ISO1600になると、暗部を中心にわずかにノイズが見られますが、気にならないレベルに留まっています。ISO3200では、解像感の低下とノイズが目立ってきますが、このあたりまでなら等倍でも十分常用域だと感じました。 ノイズリダクションを「0」にすると、概ね1段程度ノイズ感が低減されます。ISO6400でも常用可能なノイズレベルとなっています。 ISO12800以上では、ぐっとノイズが増えてくるとともに、解像感の低下も目立ってきます。しかし、画像自体が破たんしている状態にはならないため、縮小するなどの使い方によっては、十分活用可能です。 下記のサンプルは、ノイズリダクションを「-5」、「0」、「+5」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなります。表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO160(左から「-5」「0」「+5」) 描写力チェック2:解像度Panasonic LUMIX DMC-G6のイメージセンサーは有効1605万画素です。今回テストに使用したLUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. H-FS14140はズーム倍率10倍の高倍率モデルですが、高倍率ズームにしては絞り開放から解像力のある画像となっていました。今回のテストでは、広角端14mm域で開放から1~2段絞ると、周辺部を含め解像力が向上したため、1段絞ったF5.0のもので確認を行いました。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本ラインの識別が可能であり、イメージセンサーの画素数を活かしていると感じました。
限界解像度チェック用のラインでは、2500本まで楽々と視認できています。モアレもほとんど発生していません。
横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本域まで余裕をもって視認できています。
参考まで、左上部分を切り出してみました。わずかですが倍率色収差が見られます。倍率色収差は軸上色収差とは異なり、絞ることでの改善はありません。なお、レンズのシェーディング補正機能はOFFです。
描写力チェック3:シェーディング補正機能パナソニックLUMIX DMC-G6には、レンズの特性による画面周辺部の明るさを補正する「シェーディング補正」機能があります。撮影メニューの中で、「ON」か「OFF」のどちらかに設定します。なお、動画撮影時には機能しません。テストに用いたのは、LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. H-FS14140で、広角端の14mm域で確認をしました。 このレンズは、もともと周辺光量の減光が大きいものではありませんでしたが、補正機能を「ON」にすると、さらに良好に補正されることが確認できました。
LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. H-FS14140 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数仕様上で見ると、パナソニックLUMIX DMC-G6の連写性能は、
高速メモリーカード(Sandisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)で実際にテスト(ドライブ:高速H)すると、
4.結局、LUMIX DMC-G6は「買い」か?独断 素晴らしい! ポイント
独断 もう一息! ポイント
Sponsored Links 付録.製品仕様からみた LUMIX DMC-G6の特長
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