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特集 LUMIX DMC-LF1
パナソニック LUMIX DMC-LF1 ~EVFを内蔵した高級コンパクト |
パナソニック LUMIX DMC-LF1
by Inaba Kunio
電子ビューファインダーを内蔵した高級コンパクト
評価:5.0
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1.パナソニック LUMIX DMC-LF1の位置づけと概要LUMIX DMC-LF1 EVFを内蔵した高級コンパクト電子ビューファインダーを内蔵した高級コンパクト、LUMIX DMC-LF1が発売開始となりました。店頭での実売価格は4万1千円前後ですが、店頭在庫状況を見るとパナソニックにしては供給はやや少なめである印象を受けました。いずれにしても、無事に発売開始になったことをうれしく思います。→発売前の記事「一口レビュー:EVF内蔵のスタイリッシュモデル」はこちら。 上記の記事にも記載しました通り、DMC-LF1の主な特徴は次の通りです。
EVFとともに注目すべきなのは、コンパクトで軽量なボディです。ポケットに入れて持ち運べる高級コンパクトのなかに、28-200mmF2-5.9相当の高倍率ズームとタッチパネル、Wi-Fi、電子ビューファインダーを搭載していることで、どこにでも持ち運べる万能カメラとして活躍しそうです。 電子ビューファインダーを内蔵したデジタルカメラはネオ一眼タイプのものがほとんどで、その他の現行機種では富士フイルムX100S(光学ファインダーと組み合わせたハイブリッドビューファインダー)だけとなります。ネオ一眼タイプにEVFが内蔵されているのは、望遠ズーム域ではファインダーを使用した方が撮影しやすいためです。今回、DMC-LF1に電子ビューファインダーが内蔵されたのも、高級コンパクトでありながら200mm相当のズームレンズを搭載していることが要因になっているのかもしれません。 コンパクトタイプの電子ビューファインダー内蔵カメラは極めて少なく、DMC-LF1の前は2008年3月発売のニコンCOOLPIX P60にさかのぼります。実に5年間、こうしたタイプのカメラはリリースされてこなかったことを考えると、フルラインアップが展開されているように見えるデジカメ分野でも、意外に穴は残っているのかもしれません。
ニコンCOOLPIX P60。有効850万画素1/2.35型CCD、36-180mm相当F3.6-4.5、2.5型15万ドット液晶モニター、0.2型20万ドットEVFを搭載した。95.5×63.5×36
mm、160g。単三電池2本で稼働。
パナソニックLUMIX DMC-LX7との違いは?パナソニックの高級モデルには3台のコンパクトデジカメが展開されています。今回発売となったDMC-LF1の他に、DMC-LX7とDMC-FZ200です。DMC-FZ200はネオ一眼ですので、LF1購入時にはLX7と比較されることが多いと思います。
LUMIX DMC-LF1(左側)とDMC-LX7(右側)。ボディサイズは一回り違い、重さも100gの差があります。
とはいえ同じ高級コンパクトと言っても、LF1とLX7とは味付けが異なっていますので、選択は比較的容易かも知れません。DMC-LF1が向いているのは
またLF1にはWi-Fiも搭載されているのに対し、実売価格はLX7の方が5千~1万円程度安価である点もポイントかもしれません。 LUMIX DMC-LF1が想定しているユーザー層DMC-LF1は、いつも持ち歩く1台としてオールマイティに使えるカメラであると思います。電子ビューファインダーは日中屋外での撮影を容易にするだけでなく、望遠側での撮影も実用的に行えます。また、Wi-Fiの搭載やボディ内充電に対応していることで、撮影データの取り扱いやバッテリー管理に気を遣わずに運用可能です。サイズや重さの点でも、胸ポケットやポーチの中に常に入れておくような使い方ができます。パナソニックの新しい高級コンパクトシリーズDMC-LF1。電子ビューファインダーの使い勝手や描写性のなど、実際にLUMIX DMC-LF1の実力をテストしてみます。 ![]()
2.LUMIX DMC-LF1を開封し外観をチェックパナソニック LUMIX DMC-LF1を開封する電子ビューファインダーを内蔵したスタイリッシュな高級コンパクト、LUMIX DMC-LF1が発売開始となりました。このタイプのデジカメは少ないため、どのように市場が反応するか、パナソニック以外のメーカーもかたずをのんで見守っているのではないかと思います。ボディカラーはブラック一色のみで、店頭での実売価格は4万1千円前後となっています。予想価格は5万円程度とされていましたので、それよりもやや安価でのスタートとなりました。ちなみに2012年8月発売開始時のDMC-LX7は5万5千円程度でしたので、それと比較しても買いやすい価格と言えます。
LUMIX DMC-LF1のパッケージ。パッケージは拍子抜けするほどコンパクトです。ボディ内充電対応により、バッテリー関係の付属品を少なくできたことがプラスに働いているのかもしれません。
外箱を開けると、使用説明書やCD-ROMなどが入っており、その下にカメラ本体や付属品が置かれています。左側の白い梱包がカメラ本体です。
DMC-LF1の付属品です。左上より取扱説明書、CD-ROM、Wi-Fi接続ガイド、ハンドストラップVFC4297、USB接続ケーブルK1HY08YY0034、ACアダプターVSK0771、バッテリーパックDMW-BCN10。付属する取扱説明書は64ページの簡易版で、詳細版となる『活用ガイド』(293ページ)はCD-ROMの中にPDFファイルとして置かれています。カメラのクラスを考えると、やはり活用ガイドも紙で同梱することが望ましいと思います。 パナソニック LUMIX DMC-LF1の本体をチェック
ボディ前面。シンプルなデザインで半艶のブラック塗装が落ち着いた雰囲気となっています。
液晶モニター側。電子ビューファインダーが設けられていますが、液晶パネルは3型92万ドットのものが搭載されています。DMC-LX7のようなダイヤルはありませんが、MENU/SETボタンの外側がコントロールダイヤルとして機能します。
ボディ上面。大型のモードダイヤルが目立ちます。ボディ上面のスペースが狭いため、DMC-LX7のようなアクセサリーシューはありません。
ボディ底面。三脚用の穴はボディ中央部からシフトされています。バッテリー室蓋の右にある4つの穴はスピーカー用のものです。購入した本体のS/Nは2xxxでした。ボディ本体は日本製。言語は日本語のみのためか、シールにも日本語で印字されています。
ボディ左側面。中央部にあるのはストラップ取り付け部です。反対側にも設けられており、両吊りに対応しています。右下にはNFCアンテナが内蔵されています。
ボディ右側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。その上にあるのは右側面側のストラップ取り付け部です。
ボディ左肩のLUMIXのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。
ボディ右下にあるLマーク。ライカ(LEICA)ブランドのレンズ搭載を示すものです。
ランプ部の左側がフラッシュ発光部で、その右にあるのがセルフタイマーランプとAF補助光を兼ねるランプです。内蔵フラッシュのガイドナンバーは明示されていませんが、広角端では最大で7mまで、望遠端では2.3mまで照射可能です。
レンズ部の外周にはアルミ削り出しのコントロールリングが置かれています。パナソニックのデジカメでは珍しいですが、キヤノンのPowerShotS110やソニーDSC-RX100等でも採用されています。
軍艦部右側のメインコントロール部。電源ボタンは窪みの中にあるため、誤操作が起こりにくくなっています。シャッターボタンの同軸にズームレバーがあります。ズーム動作はレンズ外周部のコントロールリングに割り当てることも可能で、その場合には28mm、35mm、50mm、70mm、90mm、135mm、160mm、200mmのステップズーム動作となります。
軍艦部中央にはステレオマイクが設けられています。その下にあるロゴは印字です。
ファインダーと液晶モニターを切り替えるLVFボタンとWi-Fiボタン。その右にあるランプは、充電時には赤色に、Wi-Fi ON時には青色に点灯します。
液晶モニター側のコントロール部。コントロールダイヤルはパナソニックのカメラでは珍しいですが、キヤノンPowerShotS110や富士フイルムXF1、ソニーDSC-RX100などでも採用されています。親指部分のグリップは、見た目よりもしっかりと指に吸い付くため、ホールド感の向上に役立っています。
DMC-LF1のポイントである電子ビューファインダー接眼部。液晶モニターとの切り替えは、右側に見えるLVFボタンによって行います。コストやスペースの問題はありますが、やはりアイセンサーの搭載が望ましいと思います。
電子ビューファインダーには視度調整ダイヤルが設けられています。調整幅は-4~+4diopteです。
LUMIX DMC-LF1の電子ビューファインダー。0.2型20万ドットのパネルが使用されています。表示部は小さく、画素数もやや粗い感じがしますが、反応速度が速いため、もたつきは感じません。
ボディ右側面にある外部接続端子。上がHDMIマイクロ端子で、下がAV OUT/DIGITAL端子です。ボディ内充電時にも下側の端子を使用します。
ボディ底面のバッテリー室カバーを開いた状態。バッテリーとメモリーカードの挿入方向のガイダンスが刻印されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶モニター側となります。
本体のみの重量は実測で170.3gでした。メーカー公称値は170gです。
バッテリーとメモリーカードを含む重さは実測値で191.6gでした。使うメモリーカードによって左右されますが、メーカー公称値は192gです。
電源をオフにした状態ではレンズはボディ内に沈胴しています。
電源を入れると沈胴しているレンズが伸長します。写真は広角端28mm相当時です。一番短くなるのは35mm相当時で、写真の状態よりもわずかながら短くなります。なお、電源OFF時のズーム位置を記憶させることも可能です。
写真は望遠端の状態で、この時にレンズ長は最長となります。
液晶パネルは3型92万ドットですが、アスペクト比は3:2のため、最大サイズの画像を表示させると両側が黒いラインとなります。写真は水準器とヒストグラムを表示させています。
DMC-LF1(左側)とPowerShotS95(右側)。スタイリッシュな高級コンパクトであるキヤノンPowerShotS95との比較です。S95の方がわずかに小さいですが、ほぼ同じサイズです。
DMC-LF1(左側)とPowerShotS95(右側)ボディ本体はDMC-LF1の方が薄く仕上げられています。
DMC-LF1(左側)とPowerShotS95(右側)。どちらも3型の液晶パネルですが、アスペクト比が異なるためS95の方が画像を大きく表示させられます。静止画主体のデジタルカメラの場合、基本的にはイメージセンサーと同じアスペクト比の液晶パネルが望ましいと思いますが、LF1のファインダー接眼部を見ると、3:2のパネルでもやむを得ないかもしれません。
DMC-LF1(左側)とPowerShotS95(右側)。メーカーは異なりますが、背面液晶側のインターフェースは似ています。 バッテリー関係をチェック
DMC-LF1はボディ内充電に対応しているため、ACアダプターVSK0771が付属しています。
側面には、USB接続ケーブルK1HY08YY0034接続用のコネクター部があります。
バッテリーパックDMW-BCN10。容量は3.7V 950mAhで、静止画で最大250枚、動画では70分の撮影が可能です。DMC-LF1と一緒に発売された新型であり、現時点ではバッテリーチャージャーはオプションでも用意されていません。 LUMIX DMC-LF1の付属品をチェック
USB接続ケーブルK1HY08YY0034。充電やパソコン、プリンター等との接続に使用します。
ハンドストラップVFC4297。比較的しっかりした作りですが、DMC-LF1のボディは両吊りにも対応していますので、予算に余裕があればボディケース・ストラップキットDMW-CLF1なども検討されることをお勧めします。 Sponsored Links 3.LUMIX DMC-LF1の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能LUMIX DMC-LF1は、有効1605万画素1/1.7型CMOSセンサーを搭載しています。基本感度はISO80で標準でISO6400まで、拡張ISO感度設定をONにするとISO12800まで設定可能です。ノイズ低減処理については、カメラ側での設定項目はありません。 イメージセンサーは、高級コンパクトカメラとして一般的な1/1.7型サイズのものが搭載されています。DMC-LX7の有効1010万画素に対し、DMC-LF1は有効1210万画素ですので、単純に計算すると画素単位の面積は2割強小さくなります。しかし、全体としてのノイズ傾向は、DMC-LX7とほぼ同等レベルであると感じました。 (追記:2013年8月17日 DMC-LX7のイメージセンサーは総画素数1280万画素、有効画素数1010万画素であるのに対し、DMC-LF1は総画素数1280万画素、有効画素数1210万画素となりますので、1画素あたりの面積は同じと思われます。実焦点距離と換算焦点距離を比べても、DMC-LX7はセンサー周辺部の使用していない部分が大きいようです。レンズの違いはありますが、実際のノイズ傾向が同等レベルであったのは当然かもしれません。ご指摘くださった方に感謝申し上げます。) ISO800までは、ほとんどノイズ感がありません。ISO1600になると、わずかにノイズ感が目立ってきますが、このレベルであれば十分常用可能であると思います。 ISO3200になると、ややノイズが目立ってきます。このあたりまでは等倍画像でも十分活用できるレベルです。 ISO6400以上は、ノイズ感と解像感の低下が大きくなります。とはいえ画像自体が破たんしているわけではないので、縮小するなど利用方法を工夫すれば、活用可能な画像だと思います。 下記のサンプルは、各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像は切り出した等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO80 描写力チェック2:歪曲収差LUMIX DMC-LF1は、6.0-42.8mmF2.0-5.9(35mm換算では28-200mm相当)のズームレンズを搭載しています。高級コンパクトとしては、ズーム倍率の高いレンズであると思います。レンズは、歪曲収差、周辺光量とも良好に補正されています。広角端では樽型の歪曲収差が見られますが、ズーム倍率を考えると良好だと思います。画像周辺部の周辺光量不足も、絞り開放からほとんど目立たないレベルに抑えられています。 歪曲収差、周辺光量とも、50mm相当から望遠側ではほぼ完全に補正されています。おそらく電子的な補正も加味されていると思いますが、すべての望遠域で歪曲収差を気にすることなく撮影を楽しめると思います。
6.0mmF2.0(28mm相当) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。LUMIX DMC-LF1は有効1280万画素のイメージセンサーを搭載しており、高級コンパクトとして標準的な解像力を示しました。画像中心部に関しては、広角端では絞り開放でも2400本のラインを超えるところまで視認可能でした。望遠側に移るにつれ、徐々に解像感の低下が見られましたが、望遠端でも2000本のラインを識別できました。 画像周辺部は、広角端ではやややわらかい描写で、2段程度絞ると鮮明度が上がります。望遠側に移るにつれ良好になり、50mm相当の標準域では1段絞るだけでかなり鮮明になります。さらに90mm相当から望遠側は、絞り開放でもきれいな画像が得られます。 35mm換算で28-200mm相当の高倍率ズームを搭載しているため、解像力の点ではやや厳しい結果ですが、ズーム倍率を考えると立派なレベルであると思います。 なお、下記のテストチャートは、中央部と左上を切り出したものです。画像はほぼ1/2に縮小してありますが、クリックすると元データ全体が表示されます。
6.0mm F2.0 (35mm換算28mm相当) 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数パナソニックによると、LUMIX DMC-LF1の連写性能は次の通りです。
【RAW+JPEG(Fine)】
【RAW】
【JPEG(Fine)】
4.結局、LUMIX DMC-LF1は「買い」か?独断 素晴らしい! ![]()
独断 もう一息! ![]()
Sponsored Links 付録 製品仕様からみた LUMIX DMC-LF1の特長
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