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特集 サイバーショット DSC-RX100
ソニー DSC-RX100 ~コンパクトカメラを超える圧倒的な描写力 |
ソニー サイバーショット DSC-RX100
by Inaba Kunio
コンパクトカメラを超える圧倒的な描写力
評価:5.0
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1.ソニー DSC-RX100の位置づけと概要1型2020万画素の描写力ソニー初の高級コンパクトデジカメ、サイバーショットDSC-RX100が発売開始となりました。今までにもソニーは、DSC-TX300Vのような高品位な外観のカメラや、DSC-R1のように描写性能に力点を置いたレンズ一体型デジカメをリリースしてきましたが、DSC-RX100は小型ボディの中にレンズ交換式カメラと同等レベルの描写性能を搭載したという点で、「ソニー初の高級コンパクトデジカメ」と呼ぶにふさわしいカメラです。2005年に登場したDSC-R1。1.5型よりも一回り大きいイメージセンサーと35mm換算で24-120mmF2.8-4.8のズームレンズが特長。約1Kg。 一口コラムにも記載されていますが、改めてサイバーショットDSC-RX100のポイントを整理すると、次のようになります。
各社のズームレンズ搭載高級コンパクトデジカメの比較。 DSC-RX100の大型イメージセンサーと小型ボディが目立つ。 DSC-RX100が想定しているユーザー層ソニーが作成しているパンフレットの表紙にはこう記載されています。「1.0型の高画質が、ついに、手のひらに。」 今回、サイバーショットDSC-RX100をテストしてみて、まさに感じたのはこのことでした。描写性能に妥協をしないという前提でどこまで小型化ができるか。そうしたアプローチによって設計されたカメラがDSC-RX100であると思います。その意味では、単なるレンズ交換式カメラの「サブカメラ」ではなく、描写性能の観点から積極的に選択する、という使い方が似合うカメラと言えるかもしれません。 正面から見たサイズは、PowerShotS95/S100とほぼ同じ。 (左側がDSC-RX100、右側はPowerShotS95) それでは実際に、ソニーの大型センサー搭載高級コンパクトカメラ、サイバーショットDSC-RX100の実力をテストしてみます。
2.ソニー DSC-RX100を開封し外観をチェックソニー サイバーショット DSC-RX100を開封するいよいよソニーの高級コンパクト、サイバーショットDSC-RX100が発売されました。6日に発表されてから10日足らずのリリースですが、店頭でも比較的潤沢に在庫があるようです。発売開始日の店頭価格は、安いところでは6万円前後となっていますので、かなり売れるのではないかと思います。ボディ色はブラックのみです。高級感のある塗装で、物としての魅力も持っているように感じました。
DSC-RX100のパッケージ。予想していたよりもかなり小さい印象を受けました。ブラックを基調としたデザインとなっています。
外箱を開けると、まずは黒い内箱が顔を出します。この中には、取扱説明書や保証書が入っていました。
黒い内箱の下には、カメラ本体が格納されています。専用梱包材の中に鎮座していました。
カメラ本体が格納されている梱包材を取り出すと、その下に付属品が入っています。一番左側のエリアは開いていましたので、将来的にオプションがセットになった製品が出てくるのかもしれません。
同梱されていた付属品。左上から取扱説明書、ショルダーストラップアダプター、リストストラップ、マイクロUSBケーブル、ACアダプターAC-UD11、バッテリーパックNP-BX1。なお、ソフトウェアCDは添付されていません。カメラ本体内に写真管理ソフト「PlayMemories
Home」が入っており、パソコンに接続するとインストールできます。RAW管理ソフトは別途ソニーのサイトからダウンロードが必要となっています。コストの問題があるのかもしれませんが、やはり本来であれば添付されるべきもののように思います。 バッテリー関係をチェック
DSC-RX100は本体内での充電となります。ACアダプターAc-UD11にUSBケーブルを介してカメラ本体に接続します。
ACアダプターのコンセント部分は回転式となっています。また、写真では親指の先の黒い部分がUSBケーブル接続用端子となります。
付属するUSBケーブル。パソコンやプリンターとの接続や本体充電等に使用します。
バッテリーパックNP-BX1。容量1240mAhの割に小型です。現時点ではDSC-RX100専用となっています。 DSC-RX100の付属品をチェック
付属するショルダーストラップアダプター。ショルダーストラップは付属していませんが、このアダプターを使うことで両吊方式で保持することができます。
付属するリストストラップ。伸縮性のある素材で作られています。 ソニー DSC-RX100の本体をチェック
本体正面。表面は半ツヤの塗装で高級感があります。写真で見るよりも実物は小さく感じます。
ボディ液晶側です。3型122万ドットの液晶画面と、コントロール部に分かれています。
ボディ上面。ボディ形状が台形をしていることがわかります。レンズ鏡胴部には「Vario-Sonnar T* F1.8」と刻印されています。
ボディ底面。三脚用の穴は金属製ですが、レンズの光軸からシフトされています。おそらくレンズ鏡胴との競合によるものと思われます。三脚用穴の下にはHDMI端子が格納されています。
ボディ左側面。中央に見えるのはストラップ取付部です。
ボディ右側面。USB接続端子が格納されています。バッテリー充電用にもこの端子を使用します。
ボディ底面のバッテリー室蓋を開けたところ。バッテリー挿入方向のガイダンスが印字されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態です。なお、メモリーカードはラベル面が下側となります。
電源をオフにした状態ではレンズは沈胴しており、センサーサイズの割に薄いボディとなっています。
電源を入れると沈胴しているレンズが伸長します。写真は広角端ですが、望遠端でもほとんど長さは変わりません。
液晶モニターは3型122万ドットで高精細です。パネルのアスペクト比は4:3のため、画面下に撮影情報が表示されます。
ストロボをポップアップさせた状態。ポップアップはすべて自動的に行われます。格納するには手動で押し込みます。
ボディにはZEISSのロゴが付いています。おそらくシールだと思われます。
右肩のSONYロゴは刻印部分にインクが流されています。
レンズ前面にはブランド名とレンすしようが印字されています。
軍艦部右肩部分のコントロール部。シャッターボタンの同軸にズームレバーが配されています。また、レンズ鏡胴部根元にはコントロールリングがあり、直接的な操作が可能です。
ボディ上面にはステレオマイクが配置されています。また、液晶部の上側には本体名称も印字されています。
液晶部右側のメインコントロール部。丸いコントロールホイールは回転させることも可能です。また、Fnボタンには機能登録をすることができます。露出補正やホワイトバランス、ISO感度設定などをアサイン可能となっています。
ボディ右側面のUSB端子カバー。その前にあるのはストラップ取付部です。
USB端子カバーを開いた状態。USB端子はマイクロ規格となります。
ボディ底部のHDMI端子カバーを開いたところ。
ボディサイズの割に大型のモードダイヤルとなっています。操作感はとても良い感じです。
内蔵ストロボ格納部です。ストロボ部の上部が蓋を兼ねています。
ストロボのポップアップ基部。指で押さえることで照射方向を変えることも可能です。この角度でも液晶表示内容がぎりぎりわかりますね。
キヤノンのPowerShotS95との比較です。(左側がDSC-RX100、右側がPowerShotS95、以下も同様。)以外にもほとんどサイズが一緒です。レンズ鏡胴部のコントロールダイヤルなど、操作系も似ています。
ボディ背面側。メーカーロゴがないと識別が難しいかもしれません。
ボディサイズはほぼ同じですが、厚さはさすがにDSC-RX100の方が厚くなっています。
横から比べた状態。レンズ鏡胴部分の張り出し量に違いがあります。
上面から見た状態。レンズ沈胴状態ではそれほど大きな差はありません。
レンズを伸長させると、両機種の持っているレンズの違いが明らかとなります。イメージセンサーのサイズの違いが、そのままレンズの太さの違いとなっているようです。 Sponsored Links 3.サイバーショット DSC-RX100の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能サイバーショットDSC-RX100の基本感度はISO125で、ISO6400まで設定可能となっています。これに加えて拡張設定でISO80、ISO100に設定することもできます。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられません。 カメラ内でのノイズ低減は、撮影メニューの中にある「高感度ノイズリダクション」と「長秒時ノイズリダクション」の設定で行います。 「高感度ノイズリダクション」は「弱」「標準」「強」の3種類があります。「長秒時ノイズリダクション」は「入」と「切」のどちらかを設定します。「入」にすると、1/3秒以上のシャッタースピードの場合、ノイズ軽減処理が行われることになります。 DSC-RX100に搭載されている1型イメージセンサーは、ニコン1システムに搭載されているものと同じサイズですが、画素数が2倍に増えているために、高感度性能の低下が危惧されました。しかし、実際にテストしてみると、ほぼニコン1と同等レベルのノイズ状況となっています。 高感度ノイズ低減処理を「弱」にしても、ISO1600まではほとんどノイズ感を感じません。ISO3200を超えると暗部を中心にややノイズが目立ってきますが、ISO6400でも縮小するなど使い方によっては十分実用的であるように感じました。 高感度ノイズ低減を「標準」にすると1段分程度、「強」では2段分程度ノイズが低減化されます。「強」にすると解像感の低下がやや目立ちます。基本的には初期設定である「標準」で良いと思います。 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「弱」、「標準」、「強」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなっています。表示画像は等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO80(左から「弱」「標準」「強」) 描写力チェック2:歪曲収差ソニー サイバーショット DSC-RX100 SONYは、35mm換算で28-100mm、光学3.6倍ズームを搭載しています。開放F値はF1.8-4.9と明るいレンズですが、それほど倍率に無理がないせいか、歪曲収差は極めて良好に補正されていました。コンパクトカメラの場合、電子的な補正がかけられているかどうかがわからないケースが多いですが、おそらくDSC-RX100でも電子的な補正が加味されているものと思われます。 焦点距離:10.4mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:18.7mm(35mmサイズ換算50mm) 焦点距離:37.1mm(35mmサイズ換算100mm) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。チェックの結果は、1型センサーとはいえ、有効2020万画素を活かした素晴らしい解像力を示しています。コンパクトカメラとしてはトップレベルの解像力となっています。画像中心部に関しては、広角端から望遠端まで、2500本のラインも識別可能でした。広角端から望遠端に移るにつれ、やや解像力は低下するものの、それでも望遠端でも素晴らしい解像力だと感じました。とくに開放端で1段程度絞った画像は、APS-Cサイズのセンサー搭載機と互角に渡り合えるレベルとなっています。 画像周辺部に関しては、中心部と比べるとやや画像が甘くなりますが、それでも1段絞るとかなり鮮明度が上がります。なお、18.2mm域(35mm換算では50mm)では、1段絞っても周辺部の甘さが若干残っています。コンパクトカメラとしては標準的なレベルですが、この点は個体特有の問題かもしれません。
10.4mm域(35mmサイズ換算28mm) F1.8 4.結局、サイバーショット DSC-RX100は「買い」か?独断 素晴らしい! ポイント
独断 もう一息! ポイント
Sponsored Links 付録1.製品仕様からみた DSC-RX100の特長
Sponsored Links 付録2.発売前のファーストレビュー【一口コラム】 ソニーの高級コンパクト登場6月4日、ネット上にDSC-RX100の情報が一気に流れた。機種型番や詳細仕様だけでなく、外装写真も付いた情報であり、かなり信憑性の高いものであることをうかがわせるものであったが、本日ソニーのリリース内容を見ると、この情報が正しいものであったことがわかる。発売は15日の予定で、来週には店頭に並ぶことになるだろう。ソニー初の高級コンパクトデジカメ、DSC-RX100。 大型イメージセンサーを搭載したズームレンズ付きの高級コンパクトカメラということで言えば、本年2月に登場したキヤノンPowerShotG1Xが頭に浮かぶ。レンズ交換式デジカメと同等レベルの描画性能を確保しつつ、使い勝手の良い標準ズームレンズを搭載し、可搬性に配慮した小型カメラ、という製品コンセプトは、両機種に共通する特徴でもある。 DSC-RX100の特長を概観すると、
これから店頭でも比べられる機会が多くなる2機種を比較すると、次のとおりである。 【DSC-RX100とPowerShotG1Xの比較】
イメージセンサーだけを純粋に比較すれば、面積が2倍強大きいPowerShotG1Xの方が描写性能が優れていることが予想される。しかし、DSC-RX100の1型イメージセンサーはニコンのミラーレスシステムに採用されたものと同じ大きさであり、一般的なコンパクトカメラのものとはレベルが異なる。仮に面積を比較すれば、1型センサーは1/2.3型センサーの4倍以上のサイズであり、高級コンパクトカメラとして十分な描写性能が期待できるだろう。 DSC-RX100の1型イメージセンサーとコンパクトデジカメで一般的な1/2.3型センサー。 両機種のレンズを比較すると、DSC-RX100が28mm-100mmF1.8-4.9、PowerShotG1Xが28-112mmF2.8-5.9(いずれも35mm換算の画角)となる。DSC-RX100の方が明るいレンズではあるが、イメージセンサーのサイズが2倍違うことを考えると、実質的には同等クラスと言えるかもしれない。唯一大きく違うのは、PowerShotG1xでは広角端でも20cmまでしか寄れなかったものが、DSC-RX100では広角端では5cmまで寄れる点である。 両機種で一番の違いは、サイズや重さ、そして連写性能などの「軽快さ」であるかもしれない。片やフラグシップコンパクトを標榜するPowerShotG1Xは、高い描写性能と多機能性が「売り」であるのに対し、より小型で10コマ/秒の連写性能を持つDSC-RX100は気軽に持ち歩くことを前提に設計されている。その意味では、イメージセンサーのサイズの差は大きいものの、DSC-RX100と比較すべきはPowerShotS100になるのかもしれない。 DSC-RX100はニコンのミラーレスカメラと同じサイズのイメージセンサーであるが、画素数が2倍の2020万画素になっており、また、ニコン1の標準ズームレンズが10-30mmF3.5-5.6(35mm換算では27-81mm)であることを考えると、ニコンJ1に標準ズームを付けたカメラよりもDSC-RX100の方が描写性能が上回っている可能性もある。 左から、DSC-RX100、Nikon 1 J1+10-30mm、PowerShotG1X。
いずれにしても、発売が楽しみな機種がまた一つ出てきた。入手でき次第、詳細にチェックするつもりなので期待してほしい。 (6月6日 記) |
独断 デジカメ対決! どっちが良い? ☆ vs ソニー DSC-RX1 ☆ vs キヤノン PowerShotG1X ☆ vs キヤノン PowerShotS110 ☆ vs キヤノン PowerShotS100 ☆ vs オリンパス STYLUS XZ-2 ☆ vs パナソニック LUMIX DMC-LX7 ☆ vs 富士フイルム XF1 ☆ vs 富士フイルム X10 |
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【ソニー サイバーショットDSC-RX100 基本仕様】
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