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特集 SONY サイバーショット DSC-RX100M2
ソニー DSC-RX100M2 ~中身を一新した新型RX100登場! |
ソニー サイバーショット DSC-RX100M2
by Inaba Kunio
中身を一新した新型DSC-RX100登場!
評価:5.0
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1.サイバーショットDSC-RX100M2の位置づけと概要中身が一新した新型DSC-RX100登場!2012年6月に登場したサイバーショットDSC-RX100のインパクトは、決して小さくありませんでした。リリースからすでに1年が経過しましたが、比較的小型な高級コンパクトとしては、いまだトップレベルの描写力を誇っています。
初代サイバーショットDSC-RX100。
今回登場した二代目RX100、DSC-RX100M2を評価してみて、描写性能をさらに強化するとともに、気になっていた点にきちんと目配りがされた正統後継機となっていることを実感しました。→発売前の記事「一口レビュー:チルト液晶とEVF対応新型RX100」はこちら。 上記の記事にも記載しました通り、DSC-RX100M2の主な特徴は次の通りです。
サイバーショット DSC-RX100M2(左側)とDSC-RX100(右側)。基本的なデザインテイストは踏襲しています。
初代と二代目、どちらを選ぶべきか?DSC-RX100M2は発売直後ということもあり、初代RX100と比べると2万円程度高価で販売されています。コンパクトカメラとして、2万円の差は決して小さくありませんので、正直悩ましいとことだと思います。しかし、あえて言えば、このクラスのカメラを検討されているのであれば、迷わず二代目RX100を選択されることを強くお勧めします。 もちろん、電子ビューファインダーやチルト液晶、Wi-Fi機能などに魅力を感じされているのであれば、そもそも選択で迷うことはないと思います。問題は、これらの機能についてはそれほど魅力や必要性を感じていない場合となります。その時のポイントは、やはり高感度性能をはじめとする描写性能の向上です。 とくにDSC-RX100M2が実現した高感度性能は、コンパクトカメラの域を大きく凌駕しています。初代RX100もすばらしかっただけに、さらに磨きがかかったRX100M2では、最高感度ISO12800でさえ活用できるレベルとなっています。使い勝手の良いズーム域をカバーした描写力の高いレンズとあわせ、レンズ交換式カメラを不必要に感じさせてくれるカメラと言えるかもしれません。
新たに電子ビューファインダーFDA-EV1MKにも対応。
それでは、二代目RX100、サイバーショットDSC-RX100M2の実力をテストしてみます。![]()
2.DSC-RX100M2を開封し外観をチェックソニー サイバーショット DSC-RX100M2を開封する高級コンパクトの新しいページを切り開いたDSC-RX100。1年ぶりに登場したDSC-RX100IIがどのように進化したのか、ワクワクする思いで購入しました。今回は新たに登場したグリップAG-R1も一緒に購入しましたが、このグリップはゴム製でホールド感の向上に役立ちそうです。なお、DSC-RX100にも装着可能です。販売開始時の実売価格は6万8千円前後でした。DSC-RX100は6万4千円前後でしたので、機能強化された分やや高めでのスタートとなりました。ちなみにDSC-RX100の現時点での実売価格は4万円台中頃となっています。コンパクトカメラとしては価格低下のペースが緩やかであるように思います。
サイバーショット DSC-RX100M2のパッケージ。パッケージは初代RX100のものを踏襲したデザインですが、パッケージングをシンプルにすることで、かなり薄くなっています。細かいところですが、DSC-RX100のパッケージ写真には右下の青いZEISSシールが貼られていませんでした。
外箱を開けると、保証書や取扱説明書などが入っており、その下にカメラ本体や付属品が置かれています。
取扱説明書等を取り出すと、その下からカメラ本体等が顔を出します。中央上にあるのが本体となります。
DSC-RX100M2の付属品です。左上より取扱説明書、Wi-Fi機能説明書、ACアダプターAC-UB10、リチャージャブルバッテリーパックNP-BX1、マイクロUSBケーブル、リストストラップ、ストラップアダプター。 ソニー サイバーショット DSC-RX100M2の本体をチェック
ボディ前面。基本的なデザインは初代RX100を踏襲していますが、新たにマルチインターフェースシューが搭載されました。また、右下に見えるZEISSのロゴは、シールからパネルへと変更されています。
液晶モニター側。右側にコントロール部分はRX100と同じです。液晶モニターがチルト可動に対応した点と、マルチインターフェースシューが新設された点が大きな違いとなります。
ボディ上面。モードダイヤルをはじめ、基本的なインターフェースはRX100と同じですが、中央部にマルチインターフェースシューが新設されています。また、液晶モニターが可動式になったため、ボディ厚はわずかながら増しました。
ボディ底面。三脚用の穴はボディ中央部からシフトされています。右側にある3つの穴はスピーカーで、RX100ではボディ左側面に設けられていました。また、初代との違いの一つに、USB端子がボディ側面に移設された点があります。この端子は充電にも使用するため、ボディ側面にあった方が使い勝手は良好です。
ボディ左側面。中央部にあるのはストラップ取り付け部です。反対側にも設けられており、両吊りに対応しています。その右側にはWi-Fi受信部が内蔵されています。
ボディ右側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。上にあるのがマルチ端子で、下がHDMIマイクロ端子です。充電にも使用するマルチ端子は、初代RX100ではボディ底面に設けられていました。
ボディ左肩のSONYのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。
ボディ右下にあるZEISSマーク。DSC-RX100ではシールでしたが、しっかりしたラベルに変わっています。
レンズ正面にはレンズの基本仕様が印字されています。レンズ自体は初代RX100と同じものと思われます。
電源を入れると、レンズシールドが開きレンズが伸長します。
レンズ鏡胴部には「Vario-Sonnar T*」の文字が印字されています。これは広角、標準、望遠に関わらず用いられているズームレンズの名称です。比較的大口径のレンズにつけられています。
シャッターボタン同軸にあるのはズームレバーです。再生時には画像の拡大・縮小にも用いられます。その右にあるランプは、セルフタイマーランプとスマイルシャッターランプ、AF補助光を兼ねるものです。
モードダイヤルも金属製で、しっかりとしたクリック感があります。設定されている項目は初代DSC-RX100と同じです。
新設されたマルチインターフェースシュー。一般的なストロボの装着も可能ですが、前側に独自端子が設けられており、電子ビューファインダーFDA-EV1MKやステレオマイクロホンECM-XYST1Mなども装着可能です。出荷時にはカバーが装着されています。
液晶部上面の側面には機種名が印字されています。機種名が入っているのはここだけとなります。
液晶モニター右側にあるメインコントロール部。基本的には初代RX100と同じです。
ボディ右側面の外部接続端子カバーを開いた状態。上側にはマルチ端子があり、USBケーブルでパソコンやプリンターとの接続や充電に使用します。マルチ端子は、初代RX100では底面にありましたので、三脚使用時にはいちいち取り外さなければなりませんでした。
下側にはHDMIマイクロ端子が内蔵されています。外部接続端子のカバーは、別々に開くことが出来ます。
両側についているストラップ取り付け部。形状はDSC-RX100と同じです。
液晶モニターを上向きにチルトさせた状態。約84°まで開くことが出来ます。
液晶モニターを下向きにチルトさせた状態。下方向には約45°まで開けます。
ボディの裏側には「長時間ご使用になると本体表面が暖かくなりますが、故障ではありません。」との注意書きが印字されています。また、各種認定マークも印字されています。
ボディ底面のバッテリー室カバーを開いた状態。バッテリーとメモリーカードの挿入方向が印字されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶モニター側となります。
ボディ本体の実測値は252.5gでした。メーカー公表値は254gです。
バッテリーとメモリーカードを挿入した状態の実測値は279gでした。これはSDカード使用時の重さですが、メモリースティックデュオ使用時のメーカー公表値は281gです。
液晶パネルは3型123万ドットのものです。画素数は640x480のVGAですが、各画素はRGBにWを加えた4ドット構成となるため、明るさとコントラストが向上しています。
液晶モニターを上側にチルトさせた状態。視野角は比較的広いと感じました。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。ポップアップ用のレバー等は用意されておらず、撮影モードによって自動的にポップアップします。
メーカーは推奨していませんが、ストロボ照射部を上向きにさせることができるため、バウンス照射も可能です。
充電時には電源ボタン中央部にある充電ランプがオレンジ色に点灯します。なんらかの充電エラーが発生すると点滅します。
電源を入れると沈胴していたレンズが伸長します。写真は広角端の状態です。
このレンズは、概ね50mm相当の画角時に、レンズ長が最短となります。
望遠端の状態です。ズーム操作によってレンズ長は変わりますが、長さの差はそれほど大きくありません。
Wi-Fi機能が内蔵されており、スマートフォンからのリモート操作や、撮影した画像の転送・アップロードが可能です。NFCを内蔵しているAndroidスマートフォンであればワンタッチで接続可能ですが、マニュアル接続となるiOSでも、比較的容易に設定できます。
スマートフォンでリモート操作をしている状態。スマートフォンからの操作は、静止画・動画切替、ズーム操作等が可能です。
セルフタイマーやフラッシュ、撮影後の画像の取り扱いなどの設定画面です。これはiPhone5の画面となります。
鏡を使った遊びのような撮影も可能です。 DSC-RX100M2のバッテリー関係をチェック
付属するACアダプターAC-UB10。初代DSC-RX100に付属していたAc-UD11は5V1500mAの出力でしたが、AC-UB10は5V500mAの出力となっています。そのため、上記にも記載しました通り、充電時間は155分から230分へと長くなりました。
付属するACアダプターAC-UB10のプラグ部分は格納可能となっています。下部にあるUSBポートにケーブルを接続し、本体内でバッテリーを充電します。
付属するリチウムイオンバッテリーNP-BX1。容量は3.6V 1240mAhで、初代DSC-RX100やDSC-RX1で使われているものと同じです。静止画であれば350枚の撮影が可能です。 DSC-RX100M2の付属品をチェック
付属するマイクロUSBケーブル。充電やパソコン、プリンター等との接続に使用します。
付属するリストストラップ。片吊り式ですが、丁寧なつくりです。
ストラップアダプター。ショルダーストラップなど、取り付け部に幅があるタイプのストラップを使うときに用います。金属部品のまわりをプラスティック部品が包み込んでおり、ボディへの傷付を防止する構造となっています。 アタッチメントグリップ AG-R1
新しいオプション品として、アタッチメントグリップAG-R1がリリースされました。希望小売価格1575円と比較的リーズナブルな価格です。DSC-RX100にも使用可能です。
パッケージの中には、取り付け説明書と本体が入っています。
AG-R1本体。やや硬めのゴム製です。
裏側には粘着シールが貼られています。ボディに接着後、1日程度置いておくことが推奨されています。
カメラに装着した状態です。ゴム製でホールド感がかなり向上しますので、お勧めのオプションだと思います。 Sponsored Links 3.DSC-RX100M2の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能サイバーショットDSC-RX100M2の基本感度はISO160で、ISO12800まで設定可能となっています。これに加えて拡張設定でISO100、ISO125に設定することもできます。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられません。 カメラ内でのノイズ低減は、撮影メニューの中にある「高感度ノイズリダクション」と「長秒時ノイズリダクション」の設定で行います。 「高感度ノイズリダクション」は「弱」「標準」「強」の3種類があります。「長秒時ノイズリダクション」は「入」と「切」のどちらかを設定します。「入」にすると、1/3秒以上のシャッタースピードの場合、ノイズ軽減処理が行われることになります。 DSC-RX100M2に搭載されている1型イメージセンサーの画素数はDSC-RX100と同じ総画素数2090万画素、有効画素数2020万画素ですが、裏面照射型CMOS「ExmorR」に進化しています(初代DSC-RX100は「Exmor」)。実際にテストしてみると、明らかに高感度性能の向上を実感しました。 高感度ノイズ低減処理を「弱」にしても、ISO1600まではほとんどノイズ感を感じないのは初代DSC-RX100と同じですが、ISO3200以上のノイズの増え方が抑制されています。ISO12800でも使い方によっては十分実用的なノイズレベルとなっています。 高感度ノイズ低減を「標準」にすると1段分程度、「強」では2段分程度ノイズが低減化されます。「強」にすると解像感の低下がやや目立ちますので、基本的には初期設定である「標準」で良いと思います。 テストをした実感としては、ISO25600の設定も欲しいくらいのノイズ感でした。 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「弱」、「標準」、「強」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなっています。表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO100 描写力チェック2:歪曲収差ソニー サイバーショット DSC-RX100M2は、35mm換算で28-100mm、光学3.6倍ズームレンズを搭載しています。開放F値はF1.8-4.9と明るいレンズですが、それほど倍率に無理がないせいか、ズーム全域で歪曲収差は極めて良好に補正されていました。このあたりは初代DSC-RX100と同じです。コンパクトカメラの場合、電子的な補正がかけられているかどうか公表されていないケースが多いですが、おそらくDSC-RX100M2でも電子的な補正が加味されているものと思われます。 なお、カメラ内にレンズの収差補正に関する設定項目はありません。
10.4mmF1.8(28mm相当) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。チェックの結果は、1型センサーとはいえ、有効2020万画素を活かした素晴らしい解像力を示しています。コンパクトカメラとしてはトップレベルの解像力となっています。画像中心部に関しては、広角端から望遠端まで、絞り開放で2500本のラインも識別可能でした。広角端から望遠端に移るにつれ、やや解像力は低下するものの、それでも望遠端でも素晴らしい解像力だと感じました。とくに開放端で1段程度絞った画像は、APS-Cサイズのセンサー搭載機と互角に渡り合えるレベルとなっています。 画像周辺部に関しては、中心部と比べるとやや画像が甘くなりますが、それでも1段絞るとかなり鮮明度が上がります。なお、18.2mm域(35mm換算では50mm)では、画像全体の描写が若干柔らかくなっています。この傾向は初代DSC-RX100でも同様でしたので、レンズ自体の特性だと思います。ただし、描写は柔らかいものの解像自体はしっかりしています。 なお、下記のテストチャートは、中央部と左上を切り出したものです。画像はほぼ1/2に縮小してありますが、クリックすると元データ全体が表示されます。
10.4mm F1.8 (35mm換算28mm相当) 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数ソニーによると、サイバーショット DSC-RX100M2の連写性能は次の通りです。
(SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)
有効20メガ画素カメラですが、実用上十分な連写性能であると感じました。 バッファー自体はRAW+JPEGでは10コマ分弱とそれほど多くはありませんが、高速メモリーカードを使用すれば、RAW+JPEGで1.5秒おきに、RAWで1.3秒おきにカード容量一杯までの無限連写が可能です。また、JPEGであれば、連続撮影の2.5コマ/秒のペースのまま容量一杯まで連写できます。 なお、バッファーが一杯になっても停止せずに連写できますし、撮影後のバッファー開放も速いため、使い勝手は良好だと思います。 4.結局、DSC-RX100M2は「買い」か?独断 素晴らしい! ![]()
独断 もう一息! ![]()
Sponsored Links 付録 製品仕様からみたDSC-RX100M2の特長
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