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特集 COOLPIX P7700

ニコン COOLPIX P7700 ~新世代のフラグシップコンパクト

ニコン COOLPIX P7700  by Inaba Kunio    フルモデルチェンジした新世代フラグシップコンパクト  評価:5.0
ニコン  COOLPIX P7700 Nikon


1.ニコン COOLPIX P7700の位置づけと概要

 フルモデルチェンジしたフラグシップコンパクト

 2012年9月に開催されたフォトキナにあわせ、各社から多くのデジタルカメラが発表された。ニコンCOOLPIX P7700が属する「高級コンパクトデジカメ」のジャンルでも、フルサイズセンサーを搭載したソニーDSC-RX1を筆頭に、キヤノンからはPowerShotG15PowerShotS110、オリンパスからはXZ-2、富士フイルムはXF1が登場した。これらの機種の中で、ニコンのCOOLPIX P7700とキヤノンのPowerShotG15は、どのような撮影シーンでもそれなりに対応できるオールマイティな位置づけのカメラとなっている。

 COOLPIX P7700は、前機種であるCOOLPIX P7100からフルモデルチェンジされた。主な進化のポイントを挙げると、
  • イメージセンサーのサイズは1/1.7型のままだが、1010万画素から1219万画素へと高画素化
  • レンズの焦点距離はほぼ同じだが、開放F値はズーム全域で1段分明るくなった。
  • 画像処理エンジンはEXPEED C2のまま変わらず。
  • 連写性能が1.2コマ/秒から5コマ/秒へと高速化。
  • 実像式光学ファインダーは非搭載に。
  • 液晶は上下方向のチルト式からバリアングル式へ。
  • フルHDの動画撮影が可能に。
といったものであり、全体により軽快なカメラへと変わっている。

 まず最初のイメージセンサーの進化であるが、これはP7100が登場してからの1年間の環境変化が大きく影響しているように思われる。PowerShotG12PowerShotS95など、以前は1/1.7型CCDセンサーを搭載する機種も多かったが、昨年10月に発売されたGR DIGITAL IV以降、このサイズのCCDセンサーを搭載したカメラは登場していない。現時点では、CCDセンサーは比較的廉価製品に搭載されており、この傾向はしばらくは変わらないかもしれない。

 次のレンズについては、今回の進化の重要なポイントといえる。今回発表されたPowerShotG15やLUMIX DMC-LX7もそうであったが、世代交代を契機により明るいレンズに換装されるものが出てきている。PowerShotG15では、G12の28-140mmF2.8-4.5が28-140mmF1.8-2.8に、DMC-LX7では、LX5の24-90mmF2-3.3が24-90mmF1.4-2.3に、そしてCOOLPIXP7700は、P7100の28-200mmF2.8-5.6が28-200mmF2-4へと各々1段から1段半明るいレンズに換装されている(焦点距離は35mm版換算)。

Nikon COOLPIXP7700
 P7100から実像式光学ファインダーは省略されたものの、35mm換算28-200mmF2.0-4.0と明るいレンズを搭載。

 レベルアップしたフラグシップコンパクト

 COOLPIX P7100からP7700へは、イメージセンサーやレンズ、ボディ構造などが大きく変わった。文字通りフルモデルチェンジされたわけだが、問題はそれによってどの程度実力が向上したか、である。

 今回、P7700をチェックして、明らかにP7100よりもレベルアップされていることを確認することができた。同じP7000シリーズであるが、描写力をはじめとする中身は別物のカメラと言ってよいほど強化されている。

 ソニーのDSC-RX100が登場して以来、各社とも高級コンパクトの立ち位置を再構築する必要性に迫られている。COOLPIX P7700は1/1.7型センサーということで、DSC-RX100の1/3程度のサイズであるが、小型センサー(もちろん一般的なコンパクトデジカメの中では十分大型である)でもまだまだ戦えることを示したカメラであるように感じた。

 それではCOOLPIX P7700の実力はいかほどか、そしてP7100からどのように進化したのか、順次チェックをしていきたい。

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2.ニコン COOLPIX P7700を開封し外観をチェック

 ニコン Nikon COOLPIX P7700を開封する

 COOLPIX P7100からフルモデルチェンジされたCOOLPIXP7700。ボディカラーはP7100と同様にブラック一色。発売開始時点の実売価格は、概ね5万円強となっており、COOLPIX P7100登場時の価格4万円台中頃よりもやや高めでのスタートとなっている。このあたりは、パナソニック LUMIX DMC-LX7DMX-LX5の関係に似ているかもしれない。

 黒を基調としたパッケージ。基本的なデザインはP7100と同じ。やや厚みのある箱となっている。

 パッケージの上段には、取扱説明書やCD-ROM等が入っており、下段に本体やケーブル、ストラップ、バッテリー等が格納されている。上側にある白い包みが本体。

 同梱されている付属品。左上より取扱説明書、ソフトCD、ストラップ、バッテリーチャージャーMH-24、バッテリーEN-EL14、USBケーブルUC-E17、オーディオビデオケーブルEG-CP16。

 バッテリー等の付属品をチェック

 COOLPIX P7700のバッテリーは、COOLPIX P7100やデジタル一眼レフD5100、D3200など多くの機種でも利用されている。

 同梱されているバッテリーチャージャーMH-24。コンパクトカメラ用のものとしては比較的大型である。EN-EL14の充電には約1時間半かかる。

 コンセント用のプラグ部分は回転して格納できる。接続するコンセント側にスペースが必要となるものの、可搬性の点でメリットがある。

 バッテリーパックEN-EL14。容量は1030mAhで、静止画であれば約330コマの撮影が可能。裏面には偽造防止のホログラムも貼付されている。セルは日本製だが、バッテリーパック全体はインドネシア製。

 付属のUSBケーブル。パソコンやプリンターとの接続に使用する。

 オーディオビデオケーブルEG-CP16も付属する。フルHDに対応しているため、できればHDMIケーブルも付属していることが望ましい。

 付属するストラップ。布製でしっかりしたつくり。COOLPIXのロゴ部分は貼付してある。

 COOLPIX P7100ではレンズバリアー方式だったが、P7700ではレンズキャップ方式になった。おそらくレンズの大口径化に伴い、内蔵することが難しくなったためと推測される。

 レンズキャップの裏面。両側にストッパーが装着されている。型番はLC-CP26となっている。中国製。

 COOLPIX P7700の本体外観をチェック

 P7100と比べ、ボディ全体の高級感が増している。表面の塗装やグリップ部分など、ニコン 1 V1と似た処理が施されている。

 ボディ前面。COOLPIX P7100の後継機としてのデザインが施されているが、実像式光学ファインダーが無くなったことで全体に横長となっており、このアングルからだとCOOLPIX P310にも似ているようにも見えるかもしれない。

 ボディ液晶側。ボタンやダイヤル類のレイアウトもP7100を踏襲している。P7000シリーズを使ったことがある方であれば、ほとんど同じように使えるだろう。液晶が上下方向のチルトから2軸によるバリアングル方式に変わっている。

 ボディ上面のレイアウトも、ほぼP7100のものを踏襲している。左側にあるクイックメニューダイヤルが特徴的である。

 ボディ底面。三脚用の穴はレンズ光軸からシフトされている。これはP7100もそうであった。購入した本体のシリアルナンバーは2001xxx。

 ボディ左側面。外部マイク端子とアクセサリーターミナルが配置されている。

 ボディ右側面。こちら側にはHDMIミニ端子とUSB端子が格納されている。

 ボディにはNikonのロゴが刻印されインクも流されている。ロゴの下にあるのはリモコン受光部。ロゴの左にある穴はステレオマイクの左側。

 レンズ左下にはFnボタンが設置されている。COOLPIX P7100にもあったが、使いやすい場所にある。

 サブコマンドダイヤルがグリップ上に移設された。一般的なインターフェースに戻されたもので、よりわかりやすくなっている。その右に見えるのは、セルフタイマーランプとAF補助光を兼ねるランプ。

 ボディ軍艦部右側のコントロール部。露出補正用のダイヤルが単独で設置されている。

 液晶右側にある操作部。基本的なレイアウトはP7100と同じ。

 アクセサリーシューはデジタル一眼レフに搭載されているものと同じ。DISPボタンは液晶画面表示内容の切換に使用するもの。

 軍艦部左側。やはり部品配置は基本的にP7100と同じ。内蔵ストロボのスイッチは機械式のため、電源が入っていないときにも稼働する。なお、クイックメニューダイヤルの真ん中にあるボタンはロックボタンではなく、機能選択ボタンとして働くもの。

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。P7100よりもレンズが太くなったため、発光位置が高くなっている。

 外部マイク用の端子。本体内蔵のマイクもステレオだが、ここにステレオマイクME-1を接続することもできる。

 P7700で新設されたアクセサリーターミナル。ここにはGPSユニットGP-1やリモートコードMC-DC2の接続が可能。その右に見えるのはスピーカー。

 ボディ右側にある端子。上がHDMIミニ端子で、下がUSB/オーディオビデオ端子。

 ボディ底面のバッテリー室カバーを開けた状態。メモリーカードの挿入方向のガイダンスが貼付されている。

 バッテリーパックとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶側となる。

 液晶パネルは3型92万ドットでアスペクト比は4:3。表示できる内容は基本的にP7100と同じで、ヒストグラムやガイドライン、電子水準器等となる。

 液晶パネルの視野角は広く、視認性が高い。バリアングル液晶は2軸方式のため、かなり自由に角度をつけることが可能。

 電源を入れると沈胴しているレンズが伸長する。写真は広角端の時で、この時が一番レンズ長が短い。

 望遠端の状態。この時のレンズ長が一番長くなる。

 COOLPIX P7100との比較

 P7100からフルモデルチェンジしたP7700について、まずはボディを比較してみたい。

 ボディ前面。細部のデザインは異なるものの、基本的なデザインは両機種で共通している。幅はほぼ同じものの、高さは約5mm程度低くなった。実像式光学ファインダーの有無、グリップ部分の形状、サブコマンドダイヤル部分が大きく変わっている。
(左側P7700、右側P7100)


 液晶パネルは両機種とも3型92万ドットと同じであるが、P7100が上下のチルトだけだったものが、P7700では2軸によるバリアングル方式に進化している。ファインダー部以外は両機種ともほぼ同じ。
(左側P7700、右側P7100)

 ボディ上面。ダイヤル等の配置は両機種ともほとんど同じものの、P7700のレンズ部分が相対的に大きいことが分かる。P7700ではズーム全域で1段分明るくなっている。(左側P7700、右側P7100)

 ボディ底面のレイアウトも基本的に共通する。三脚用穴はどちらもレンズ光軸からシフトされている。(左側P7700、右側P7100)

 液晶パネルに表示できる内容も、ほぼ同じ。スペック上は同じだが、P7700の液晶パネルの方が見やすい。(左側P7700、右側P7100)

 両機種でグリップ部分まわりが大きく変わっていることがわかる。P7700では、より一般的なレイアウトになった。
(手前側P7700、奥側P7100)


 広角端のレンズ状況。レンズは1段分明るくなったが、ボディ厚を含めるとほとんど長さは同じ。(左側P7700、右側P7100)

 同じく望遠端のレンズ状況。やはり全体としての長さはほとんど同じレベルである。(左側P7700、右側P7100)

 ストロボをポップアップさせた状態。P7700の方がボディの高さが低いが、より高くポップアップするため、照射位置はやや高くなっている。
(左側P7700、右側P7100)


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3.ニコン COOLPIX P7700の描写性能はどうか?

 描写力チェック1:高感度性能

 COOLPIX P7700の基本感度はISO80で、標準でISO3200、拡張設定ではISO6400相当まで設定できる。COOLPIX P7100は基本感度ISO100で、設定できる上限は標準でISO3200、拡張でISO6400までであったので、P7700は低感度側でレンジが拡げられている。

 高感度性能については、撮影メニューの中に「ノイズ低減フィルター」の項目があり、「弱め」「標準」「強め」の3段階で設定できる。COOLPIXP7700はRAW撮影も可能であるので、撮影後にパソコン上でノイズリダクション処理をかけることもできる。

 下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものである。ノイズ低減フィルターを標準に設定したものでチェックすると、ISO800まではほとんどノイズを感じないが、ISO1600あたりから暗部などでノイズが見えてくる。ISO3200になるとそれなりに目立つようになるが、それほど不自然な印象はない。ISO6400になるとかなりノイズが増え解像感の低下も感じられるが、緊急避難というほどのレベルにはなっていない。

 下記のサンプルは画像の一部を切り出したものだが、クリックすると元画像が表示されるのであわせて参照してほしい。


サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO80(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO100(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO200(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO400(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO800(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO1600(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


ISO3200(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


Hi1(ISO6400相当) (「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700Nikon COOLPIX P7700


 描写力チェック2:歪曲収差

 COOLPIX P7700に搭載しているレンズは35mm換算で28mmから200mmの光学7倍ズームであり、高級コンパクトの範疇ではズーム域が広いレンズとなっている。前機種であるP7100と比較すると、全域で1段分明るいレンズとなっており、広角端ではF2.0、望遠端でもF4.0を確保している。

 COOLPIX P7700には撮影メニューの中に「ゆがみ補正」の項目があり、ONとOFFのどちらかを設定する。ONにするとレンズの歪曲収差が補正されるが、その分画像の範囲が狭くなる。そのため、標準設定ではOFFにされている。

 下記のサンプルは、「ゆがみ補正」をOFFとONの両方でテストしたものである。補正をOFFにすると、広角端では樽型の収差が認められ、望遠側に移るにつれ糸巻型の収差となる。広角端では画面周辺でやや目立つものの、高倍率ズームであることを考えると良好に補正されている。

 ゆがみ補正をONにすると、さらに歪曲収差が良好に補正される。広角端でわずかに樽型収差を認めることができるものの、ズーム全域できれいに補正されている。

 標準でも歪曲収差がそれほど目立つことはないが、被写体によっては積極的にゆがみ補正を活用することをお勧めする。

焦点距離:6mm(35mmサイズ換算28mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7700


焦点距離:17.7mm(35mmサイズ換算85mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7700


焦点距離:42.8mm(35mmサイズ換算200mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7700



 描写力チェック3:解像力

 レンズ固定式のカメラでの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行った。結果は、非常に高い解像力を示している。

 35mm換算で28mmの広角端では、開放から高い解像力を示している。わずかにモアレの影響が出ているが、概ね2500本のラインを視認することができる。有効1219万画素の力をきれいに発揮している。望遠側に移るにつれ、わずかに解像感の低下が認められるものの、それでもコンパクトカメラとしては非常に良好である。

 画像周辺部についても、全般的に鮮明度の高い画像となっている。周辺部に関しては、35mm換算で標準域から中望遠域の画像が一番しっかりとしている印象を受けた。

 実際のチャートは画像をクリックすると表示されるので、ぜひ直接確認してほしい。


ISO12233準拠チャート。中央と左上の赤枠の部分を切り出
してある。画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

6.0mm域(35mmサイズ換算28mm) F2.0
Nikon COOLPIX P7700
Nikon COOLPIX P7700

17.7mm域(35mmサイズ換算85mm) F3.2
Nikon COOLPIX P7700
Nikon COOLPIX P7700

42.8mm域(35mmサイズ換算200mm) F4.0
Nikon COOLPIX P7700
Nikon COOLPIX P7700

 描写力チェック4:COOLPIX P7100との比較

 P7100からの世代交代により、イメージセンサーとレンズの両方が置き換えられた。その結果、どの程度描写力が向上したのかをチェックした。

 結果を一言で言えば、描写力はかなり向上している。

 まず、高感度性能に関しては、P7100ではISO800あたりが通常使用の限界であったが、P7700ではISO1600を超えていても使える画像となっている。シーンによっても異なってくるが、少なくとも1段から2段分程度は高感度性能が向上している。

 次にチェックした解像力についても、P7100では一番解像感のあった広角端でも、概ね2300本のラインあたりが限界であった。これに対しP7700では、わずかにモアレが発生しているものの、2500本のラインも十分視認できている。これは単に1010万画素から1219万画素へと画素数が上がったことが反映しているというのではなく、レンズを含めた全体としての描写性能が向上したと理解すべきだろう。

 P7700では実像式の光学ファインダーが省略されているが、もしこの点が気にならないのであれば、P7100のユーザーにもP7700への買い替えを強くお勧めする。カメラとしての高級感、連写性能などのパフォーマンス、そして描写性能など、大きくパワーアップされているからである。

高感度ノイズ比較
ISO80 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 
    

ISO100 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO200 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO400 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO800 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO1600 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO3200 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

ISO6400 (ノイズ低減フィルター:標準)
P7700(左側)      P7100(右側)
Nikon COOLPIX P7700 Nikon COOLPIX P7100
    

解像力比較
6mm(35mm換算28mm) 絞り開放
COOLPIX P7700(F2.0)
Nikon COOLPIX P7700

COOLPIX P7100(F2.8)
Nikon COOLPIX P7100

4.結局、ニコン COOLPIX P7700は「買い」か?

 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 明るく解像力の高い広角28mmから200mmまでの高倍率ズーム。
  • P7100から画質面で大幅に進化。
  • 向上した高感度性能。(ISO1600までは実用レベル)
  • ダイヤルによって直接的に操作が可能なインターフェース。
  • フルHD対応の動画撮影機能。
  • 高速化された連写性能。
  • チルト方式からバリアングル方式へと進化した液晶モニター。
  • コンパクトカメラにしては速いオートフォーカス。

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • ファインダーは非搭載に。
  • ファイル書き込み時に動作が鈍くなる(特にRAW撮影時)。
  • コンパクトカメラとしてはやや重いボディ。

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付録1.製品仕様からみた COOLPIX P7700の特長

カラー  ブラック
カメラ有効画素数  1219万画素
 ※P7100は10.1メガピクセル
撮像素子  1/1.7型原色CMOS、総画素数1276万画素
 
※P7100は総画素数10.39メガピクセル
レンズ  光学7.1倍ズーム、NIKKORレンズ
 焦点距離:6.0-42.8mm(35mm判換算28-200mm相当の撮影画角)
 開放f値:f/2-4
 10群13枚(EDレンズ2枚)
 ※P7100は6.0-42.6mmf/2.8-5.6
電子ズーム  静止画:最大4倍(35mm判換算で約800mm相当の撮影画角)
 動画:最大2倍(35mm判換算で約400mm相当の撮影画角)
手振れ補正  レンズシフト方式(静止画、動画)
オートフォーカス  コントラスト検出方式
撮影距離  先端レンズ面中央から約50cm ~ ∞(広角側)、約80cm ~ ∞(望遠側)
 マクロAF時は先端レンズ面中央から約2 cm(広角側)~∞
 ※P7100も同じ
AFエリア  顔認識オート、オート(9点)、中央(ワイド、標準)、マニュアル(99点)、ターゲット追尾、ターゲットファインドAF
 顔認識AF2.0(認識人数):12人
液晶モニター  広視野角3型TFT液晶モニター、反射防止コート付き、約92万ドット、輝度調節機能付き、バリアングル方式
 視野率:上下左右とも約100%(対実画面)
 ※P7100も同じだが、撮影時の視野率は96%
記録形式  記録媒体:内蔵メモリー(約86MB)、SD/SDHC/SDXCメモリーカード
 ファイル形式:
  静止画:JPEG、NRW(RAW)(ニコン独自フォーマット)
  3D画像:MPF
  音声メモ:WAV
  動画:MOV(映像:H.264/MPEG-4 AVC、音声:AACステレオ)
記録画素数  12M[4000×3000](初期設定)
 8M[3264×2448]
 4M[2272×1704]
 2M[1600×1200]
 VGA[640×480]
 3:2[3984×2656]
 16:9 9M[3968×2232]
 1:1[3000×3000]
 画質をFINE(約1/4圧縮)またはNORMAL(約1/8圧縮)に設定で可能。
 ※P7100は最大10.1M[3648×2736]
撮影モード  オート撮影モード、シーンモード(ポートレート/風景/スポーツ/夜景ポートレート/パーティー/ビーチ/雪/夕焼け/トワイライト/夜景/クローズアップ/料理/ミュージアム/打ち上げ花火/モノクロコピー/逆光/パノラマ/ペット/3D撮影)、おまかせシーンモード、P、S、A、M、スペシャルエフェクトモード、ユーザーセッティングモード
連写機能  単写
 連写H[約8コマ/秒で最大6コマ(12M:NORMAL時)]
 連写M[約4コマ/秒で最大6コマ(12M:NORMAL時)]
 連写L[約1コマ/秒で最大30コマ(12M:NORMAL時)]
 BSS(ベストショットセレクター)
 マルチ連写(16コマ連続撮影)
 高速連写 120fps(約1/125秒以上で60コマ連続撮影)
 高速連写60fps(約1/60秒以上で60コマ連続撮影)
 インターバル撮影
 
※P7100は連写最大約1.2コマ/秒
動画  HD 1080p :1920×1080/30fps
 HD 1080p:1920×1080/30fps
 HD 720p:1280×720/30fps
 VGA:640×480/30fps
 HS 120fps:640×480
 HS 60fps:1280×720
 HS 15fps:1920×1080
 手ブレ補正、風切り音低減可能
 ※P7100はHD 720p 1280×720/24 fpsまで
ISO感度  ISO 80 ~ 1600、ISO 3200およびHi 1(6400相当)(P、S、A、Mモード時に設定可能)
 ※P7100はISO100~3200、拡張で6400まで
測光方式  マルチパターン測光(224分割)
 中央部重点測光
 スポット測光
 AFエリア重点/AFスポット測光([測光のAF連動設定]が[ON]時)
露出制御  プログラムオート(プログラムシフト可能)
 シャッター優先オート
 絞り優先オート
 マニュアル露出
 AEブラケティング(Tv、A v、Sv)可能
 露出補正( 静止画は± 3 段、動画は± 2段の範囲で1/3段刻み)可能
シャッター  メカニカルシャッターとCMOS電子シャッターの併用
 1/4000( 広角側絞り値f/4.5 ~ f/8 時、望遠側絞り値f/7.1 ~ f/8 時) ~ 1秒
 1/4000( 広角側絞り値f/4.5 ~ f/8 時、望遠側絞り値f/7.1 ~ f/8 時) ~ 60秒(MモードでISO 80 ~ 400時)
絞り  電磁駆動による7枚羽根虹彩絞り
内蔵フラッシュ  調光範囲(ISO感度設定オート時)
   約0.5~10 m(広角側)
   約0.5~5.5 m(望遠側)
 モニター発光によるTTL自動調光、マニュアル発光可能
インターフェース  アクセサリーシュー:ホットシュー(ISO 518)装備、シンクロ接点、通信接点、セーフティーロック機構(ロック穴)付き
 Hi-Speed USB PictBridge対応
 ビデオ出力:NTSC、PALから選択可能
 HDMI出力:オート、480p、720p、1080iから選択可能
 入出力端子:オーディオビデオ(AV)出力/デジタル端子(USB)、HDMIミニ端子(TypeC)(HDMI出力)、外部マイク端子(φ3.5mmステレオミニジャック、プラグインパワー型)、アクセサリーターミナル
電源  Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL14(リチウムイオン充電池:付属)×1個
 ACアダプター EH-5b(別売のパワーコネクター EP-5Aを組み合わせて使用)(別売)
 ※P7100はEN-EL14で350コマ
撮影可能コマ数  約330コマ(EN-EL14使用時)
寸法
(幅×高さ×奥行き)
 約118.5×72.5×50.4mm(突起部除く)
 ※P7100は116.3×76.9×48.0 mm
質量  約392 g(バッテリー、SDメモリーカードを含む)
 ※P7100は395g
動作環境  0℃~40℃、85%以下(結露しないこと)
付属品  ストラップ
 レンズキャップ LC-CP26
 Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL14
 バッテリーチャージャー MH-24
 USBケーブル UC-E17
 オーディオビデオケーブル EG-CP16
 ViewNX 2 CD
 ※P7100はレンズキャップ内蔵

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付録2.発売前のファーストレビュー

【一口コラム】フルモデルチェンジしたコンパクトフラグシップ

 8月22日、ニコンはCOOLPIX P7100の後継機、COOLPIX P7700を発表した。COOLPIX P7000シリーズは、初代が2010年9月、二代目のP7100が2011年9月の発売であり、三代目P7700が9月下旬のリリース予定ということなので、ほぼ1年ごとのモデルチェンジとなる。

 ニコンのP7000シリーズは、「COOLPIXシリーズのフラグシップ」と位置付けられた製品であり、描写力と機能面、信頼性を高いレベルでバランスさせたモデルである。P7000からP7100の主な進化は、液晶モニターのバリアングル化であり、イメージセンサーやレンズはほぼ同じものが搭載された。これに対し、P7700では「フルモデルチェンジ」となっている。

 COOLPIX P7700の主な進化点は、
  • 有効1010万画素1/1.7型CCDセンサーから、有効1219万画素1/1.7型CMOSセンサーに。
  • レンズの焦点距離は28-200mm(35mm換算)と同じものの、開放F値はF2.8-5.6からF2-4へと1段分明るくなった。
  • P7100に搭載されていた光学ファインダーは非搭載に。
  • 設定できるISO感度は、ISO100-3200からISO80-3200に。(どちらも拡張でISO6400の設定が可能)
  • 連写性能は、1.2コマ/秒から5コマ/秒に高速化。
  • シャッタースピードは、60秒~1/4000秒と、P7100とほぼ同等。
  • 最短撮影距離は50cm。マクロでは2cmまで対応。(P7100と同じ)
  • 液晶モニターは3型92万ドットでバリアングル液晶。(P7100はチルト液晶)
  • 動画撮影機能は、P7100は1280x720(24fps)だったものが、フルHD(1920x1080)30fpsに対応。
  • 撮影可能枚数は350枚から330枚に。(バッテリーはどちらもEN-EL14)
  • サイズは116.3×76.9×48.0 mmから118.5×72.5×50.5mmへと、ほぼ同等。(どちらも幅x高さx奥行き)
  • 重さは395gから392gへと、ほぼ同等。(どちらもカード、バッテリーを含む)
というものである。レンズが明るくなったことによる大型化で、光学ファインダーが取り外されたというのが一番の違いかもしれない。

 なお、インターフェース関係では、ボディ正面にあったサブコマンドダイヤルがグリップの上に移設されるとともに、一般的なデジタル一眼レフのような形状に変わっている。ボディ背面側は、光学ファインダーの非搭載化により高さが若干低くなってはいるが、メインコマンドダイヤルを含めほぼ同等のレイアウトとなっている。


ニコン Nikon COOLPIX P7700 ニコン Nikon COOLPIX P7100

 COOLPIX P7700(左側)とCOOLPIX P7100(右側)。光学ファインダーが非搭載となったことで、ボディ形状も変わっている。レンズとグリップが大型化されているのが目立つとともに、レンズ左上に見えるサブコマンドダイヤルがグリップ上に移設されている。なお、レンズの大型化により、レンズバリアーからキャップ方式に変更となった。

ニコン Nikon COOLPIX P7700 ニコン Nikon COOLPIX P7100

 COOLPIX P7700(左側)とCOOLPIX P7100(右側)。光学ファインダーが非搭載となった点が大きな違いである。液晶モニターはP7100は上下方向のチルト方式であったが、P7700では2軸によるバリアングル方式に変更となった。

ニコン Nikon COOLPIX P7700 ニコン Nikon COOLPIX P7100

 COOLPIX P7700(左側)とCOOLPIX P7100(右側)。ボディ上面のレイアウトはほぼP7100を踏襲しているが、レンズが大型化していることがわかる。開放F値が1段明るくなったことにより、鏡胴が一回り太くなっている。

ニコン Nikon COOLPIX P7700 ニコン Nikon COOLPIX P7100

 COOLPIX P7700(左側)とCOOLPIX P7100(右側)。基本的なデザインは似ているが、よく見るとかなり変更されていることがわかる。


 主な仕様についてP7100と比較すると、次のとおりである。

【COOLPIX P7700とCOOLPIX P7100の比較】

機種名 COOLPIX P7700 COOLPIX P7100
イメージセンサー 有効1219万画素
1/1.7型CMOS
有効1010万画素
1/1.7型CCD
レンズ 28mm-200mm F2-4
(35mm換算)
28mm~200mm F2.8-5.6
(35mm換算)
光学ファインダー 非搭載 搭載
ISO感度 ISO80-3200
(拡張でISO6400まで)
ISO100-3200
(拡張でISO6400まで)
シャッタースピード 60-1/4000秒 60-1/4000秒
液晶モニター 3型92万ドット
バリアングル液晶
3型92万ドット
チルト液晶
連写速度 5コマ/秒 1.2コマ/秒
動画撮影 1920 X 1080 (30p) 1280 X 720 (24fps)
インターフェース USB、HDMI、A/V output USB、HDMI、A/V output
バッテリー 330枚 350枚
サイズ
(W x H x D)
118.5×72.5×50.5mm 116.3×76.9×48.0mm
重さ
(含カード、電池)
392g 395g

 比べてみると、COOLPIX P7700はフラグシップコンパクトとして、正常進化したモデルであることがわかる。ソニーのDSC-RX100が登場したことにより、やや苦しいスタートとなる可能性があるが、描写性能だけでなく使い勝手や機能性、信頼感などバランスよくまとめられたカメラに仕上がっている。発売は9月下旬の予定であり、詳細チェックが楽しみである。
(8月22日 記)
 

【厳選レビュー記事】

◎デジカメWatch 2012年冬:いま話題の“高級コンパクト”6機種を試す(画像編)

  2012年11月30日 大浦タケシ
  • レンズスペックと画角。
  • 多様なアスペクト比。
  • 歪曲収差・周辺減光。
  • ISO感度。

◎デジカメWatch 2012年冬:いま話題の“高級コンパクト”6機種を試す(操作編)

  2012年11月29日 大浦タケシ
  • ニコンCOOLPIX P7700、キヤノンPowerShot G15、FUJIFILM XF1、OLYMPUS STYLUS XZ-2、ソニーサイバーショットDSC-RX100、パナソニックLUMIX DMC-LX7。
  • 液晶モニターは3型が主流。ボディサイズは様々。
  • 操作系の配置にも個性あり。
  • 操作編・まとめ。

◎ITmedia ハイエンドさを高めながらトレンドも抑えた最新モデル ニコン「COOLPIX P7700」

  2012年10月19日 野村シンヤ
  • 写真のさらなる面白さに気づかせてくれるカメラ。
  • 新センサー搭載、低ISO感度設定も可能に。
  • 手軽に面白いスペシャルエフェクトモード。
  • ハイエンドらしさを高めながらトレンドも抑えた最新モデル。
  • 作例。

◎デジカメWatch ニコン、28-200mm・F2-4の7.1倍ズームレンズ搭載機「COOLPIX P7700」

  2012年 8月22日 編集部
  • 9月下旬に発売。店頭予想価格は6万円前後の見込み。
  • 35mm判換算28-200mm相当F2-4の7.1倍ズームレンズを搭載。
  • 動画記録は最大1,920×1,080ピクセル。ステレオ録音に対応。

【ニコン COOLPIX P7700基本仕様】

画素数 1219万(有効) 画像素子  1/1.7型CMOS
ISO感度 80~3200
(拡張で6400)
 
記録フォーマット  JPEG/RAW 
焦点距離(35mm換算) 28mm~200mm  F値 F2~F4 
液晶モニター 3型 92万ドット  シャッタースピード  60~1/4000 秒
ファインダー - 起動時間
電池タイプ 専用電池  専用電池型番 EN-EL14
撮影枚数 330枚 インターフェース USB、HDMI、AV出力 
記録メディア SDHCカード SDカード SDXCカード
手振れ補正機能 光学式 防水    
連射機能 5コマ/秒 バリアングル 
付加機能     RAW+JPG同時撮影 
動画撮影 1920x1080(30p)
幅x高さx奥行き 118.5×72.5×50.5mm  本体重量 392g(カード、バッテリー含)

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