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特集 STYLUS XZ-2
オリンパス STYLUS XZ-2 ~OM-D/PENと同じ操作性 |
オリンパス STYLUS XZ-2
by Inaba Kunio
OM-D/PENと同じインターフェースを搭載 評価:5.0
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1.オリンパス STYLUS XZ-2の位置づけと概要OM-D/PENと同じインターフェースを搭載2011年2月、オリンパス初の高級コンパクトデジカメXZ-1が登場してから1年8か月、後継機STYLUS XZ-2がリリースされた。「XZ-2 一口コラム」でも記載したように、XZ-1のデザインとインターフェースをブラッシュアップした熟成モデルとしての位置づけとなる。直線を基調としたマッシブなデザインXZ-2を見てまず感じるのは、デザインテイストが大きく変わったという点である。XZ-1はPENシリーズに似たデザインながら、外装処理を含め繊細なイメージであった。これがXZ-2では、直線を主体としたものへと変えられている。特に、ボディ前面に大型のグリップが設置されたこともあり、マッシブな印象を受ける。なお、標準で付属しているブラック以外にも、ベージュ、レッド、パープルがオプションで用意されている。ボディカラーも、XZ-1ではブラック、ホワイト、チタニウムシルバー(限定色)の3種類だったものが、ブラックのみとなっている。レッドのプレミアムグリップ よりダイレクトな操作が可能となったインターフェースデザインと並んで大きく変わったのがインターフェースである。液晶パネルがタッチパネル方式となっただけでなく、レンズ左下にはファンクションボタンとコントロールレバーが、液晶面側グリップ下にもファンクションボタンが新設されている。もともとXZ-1もコンパクトカメラとしてはボタン類が多かったが、XZ-2になってさらに強化されている。伊達に「OM-DやPENに準じたインターフェース」とうたっているわけではないことがわかる。XZ-2(左側)とOM-D E-M5(右側)。XZ-2のインターフェースはレンズ交換式カメラに準じている。XZ-2の液晶パネルもチルト式となった。
カメラとしての機能は?XZ-2の進化のポイントは、デザインとインターフェースといえるが、カメラの中身もブラッシュアップされている。仕様上からもわかる主なポイントを挙げると、
また、インターフェースの変化とも関連するが、液晶パネルが高精細化・タッチパネル化されるとともに、チルト稼働が可能となった。自分撮りができるほど可動するわけではないが、上向きで80度、下向きでは50度まで傾けることができる。 上向き80度(左側)、下向き50度(右側)に傾けた状態。これだけ稼働すれば、撮影アングルの自由度はかなり向上する。
それではSTYLUS XZ-2の実力を具体的にチェックしていきたい。
2.オリンパス STYLUS XZ-2を開封し外観をチェックSTYLUS XZ-2を開封するXZ-1が登場したのは2011年2月なので、約1年半での世代交代となる。XZ-2の市場価格は5万円台中頃でのスタートとなったが、これはXZ-1発売時点の実売価格とほぼ同じ水準である。液晶モニターがチルト化・タッチパネル化されたり、グリップが標準で付属することを考えると、実質的には値段が下がっていると言えるかもしれない。ボディカラーはブラック一色のため、選択に迷うことはなかった。XZ-2のボディデザインにはホワイトやシルバーのカラーは似合わないかもしれないが、やはり1色だけというのは少々さびしい気もする。幸い、オプションにカラーグリップが用意されているので、積極的に活用されることをお勧めする。 【XZ-1の詳細レビュー記事もご参照ください。】
白を基調とした比較的小型のパッケージ。パッケージデザインはオリンパスのコンパクトカメラ共通のものとなっている。
パッケージの蓋を開けると、カメラ本体が顔を出す。コンパクトカメラとしては、凝ったパッケージングである。写真には写っていないが、蓋の部分は国際保証書を挟み込めるように加工されている。
白いカバーを上げると、ストラップやケーブル類が顔を出す。なお、取扱説明書やCD-ROMはパッケージの底部に格納されている。
STYLUS XZ-2の付属品。左上から、取扱説明書、ソフトウェアCD-ROM、USB-ACアダプターF-2AC、リチウムイオン電池LI-90B、レンズキャップ、レンズキャップ用ひも、USBケーブルCB-USB8、ストラップ。 STYLUS XZ-2の本体外観をチェックボディの表面はつや消し塗装がされており、高級感がある外装となっている。
ボディ前面。基本的な構成要素はXZ-1を踏襲するが、直線を基調としたデザインや大型グリップなど、受ける印象は大きく変わっている。レンズ左下にはファンクションボタンとレバーが新設された。
液晶モニター側。こちらもXZ-1のもとと基本的に同じだが、親指部分のグリップの下にファンクションボタンが追加されている。液晶パネルも61万ドット有機ELから92万ドットTFT液晶となり、チルト化・タッチパネル化された。
ボディ上面。液晶パネルがチルト化されたことにより、ボディ厚が増している。左側にはストロボを内蔵している。
ボディ底面。ボディ本体はインドネシア製。三脚用の穴はレンズ光軸からシフトされている。このあたりもXZ-1と同じ。三脚穴の右に見える穴はスピーカー用のもの。メモリーカードはバッテリー室内に格納される。
ボディ左側面。XZ-1とは異なり、ストラップ取付部は三角環方式となった。ボディに傷がつかないよう、プラスティック製のカバーも装着されている。
ボディ右側面。こちら側には外部接続端子が置かれている。その右に見えるのは標準で付属するグリップ。
ボディ左肩にはOLYMPUSのロゴが刻印されており、その中に白いインクが流されている。ロゴの右上に見えるのはセルフタイマーランプとAF補助光を兼ねるランプ。
レンズ前面にはレンズの基本仕様が印字されている。印字内容はXZ-1と同じ。
レンズ左下には、レバーとファンクションボタンFn2が新設されている。レバーの機能選択でMFを選び、コントロールリングでピントを合わせる、といった操作も可能。
モードダイヤルは適度なクリック感がある。シャッターボタンの同軸にズームレバーが置かれているのもXZ-1と同じ。なお、モードダイヤルにはカスタム設定が2つ設定されている。XZ-1では1つだけだったので、この点もインターフェース強化の一環だろう。
液晶側のメインコントロール部。基本的な配置はXZ-1と同じだが、新たにファンクションボタンFn1が新設されている。また、録画ボタンはゴムグリップ部から左上に移設された。
液晶左上には内蔵ストロボのポップアップスイッチが設置されている。ポップアップは手動式のため、電源が入っていなくても可動する。
録画ボタンは、画像再生時には画像選択ボタンの役割りも担っている。録画ボタンに複数の機能をアサインしているのは珍しいかもしれない。
ボディ中央部にはアクセサリーシューが設置されている。その下には電子接点用のコネクターが置かれており、電子ビューファインダーVF-3やVF-2の装着が可能。
ボディ右側面にある外部接続端子。上がマルチコネクタで下がHDMIマイクロコネクタ。
バッテリー室カバーを開いた状態。バッテリーとメモリーカードの挿入方向ガイダンスも表示されている。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードのラベル面は液晶側となる。バッテリー形状は左右対称のため、逆向きでも挿入可能である。注意が必要。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。コンパクトカメラとしては照射位置は高い。
電源を入れると沈胴していたレンズが伸長して撮影可能となる。写真は広角端の状態。
写真はレンズを望遠端にした状態。この状態が一番長くなる。光学4倍ズームということで、それほど長くは伸びない。
グリップを外した状態。ネジ1本での固定だが、さすがに純正品であり、しっかりと密着する。
グリップを外した状態。この姿もシンプルで高級感があるが、実用性を考えるとやはりグリップは装着しておくことをお勧めする。
グリップの裏面。曲線はボディとぴったり合っている。グリップ部分もインドネシア製。
液晶パネルを上向きにチルトした状態。有機ELからTFTに変わったが、視野角は広く画像も鮮明である。
液晶パネルの表示。左側にある黄色の表示はタッチパネル状態を示している。 バッテリー等の付属品をチェックSTYLUS XZ-2のバッテリーは、前機種であるXZ-1等多くの機種で使われている。
XZ-2もボディ内充電に対応しているため、AC-USBアダプターが付属する。
付属するUSBケーブルを接続するための挿入口。
AC-USBアダプターには回転式のプラグが内蔵されている。可搬性は良い。
付属するUSBケーブルIFC-400PCU。充電やパソコン・プリンターとの接続に使用する。
バッテリーパックLI-90B。XZ-1ではLI-50Bであったが、XZ-2ではTG-1と同じLI-90Bが採用された。容量は3.7V 1270mAhで、静止画であれば310枚の撮影が可能。
付属するレンズキャップ。XZ-1のものと同じ。
レンズキャップの裏面。かぶせ式となっている。オプションに自動開閉式キャップLC-63Aも用意されている。
付属するレンズキャップ用のひも。ストラップを穴に通してぶらさげる。
レンズキャップを装着した状態。 Sponsored Links 3.オリンパス STYLUS XZ-2の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能STYLUSXZ-2の基本感度はISO100で、ISO12800までの設定が可能となっている。XZ-1ではISO100からISO6400までだったので、高感度側に1段分設定可能幅が広がっている。XZ-1ではカメラ内でのノイズ設定項目はなかったが、XZ-2では長秒時ノイズ低減と高感度ノイズ低減の設定が可能となった。 長秒時ノイズ低減には、「オート」「On」「Off」の選択が可能であり、Onではシャッタースピードに関わらず常時ノイズ低減がかかる。初期設定では「オート」となっており、この設定では長秒時のみノイズ低減される。 高感度のノイズ低減は、「Off」「弱」「標準」「強」の設定が可能であり、初期設定では「標準」となっている。 下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものとなる。 高感度時ノイズリダクションを標準に設定したものでチェックすると、ISO800まではほとんどノイズを感じない。ISO1600あたりから暗部を中心にノイズが見えてくるとともに、やや解像感の低下も感じられるが、十分常用可能なノイズレベルである。ISO6400以上になるとかなりノイズが増え解像感も低下するものの、縮小するなどの使い方によっては、活用可能だろう。 高感度ノイズリダクションを「強」にすると、ノイズ感はさらに改善されるが、解像感の低下も伴う。基本的には「標準」での撮影となるだろう。 下記のサンプルは画像の一部をほぼ等倍で切り出したものだが、クリックすると元画像が表示されるので、あわせて参照してほしい。
ISO100(「Off」「標準」「強」) 描写力チェック2:歪曲収差STYLUS XZ-2のレンズは35mm換算で28mmから112mmの光学4倍ズームであり、高級コンパクトの範疇では標準的なズーム域がとなっている。レンズ自体は前機種XZ-1と同じものと思われる。STYLUS XZ-2には「ゆがみ補正」等の項目はないので、必要であれば撮影後にソフトウェアで補正をかけることになるだろう。 下記のサンプルは、広角端、標準域、望遠端で撮影したもので、いずれも絞り開放での撮影結果である。歪曲収差、周辺光量不足とも良好に補正されていると言えるだろう。 歪曲収差に関しては、広角端では周辺部に樽型収差を確認することができるが、それほど気にならないレベルである。その後、望遠側に移るにつれ補正がされていき、標準域を超えたあたりでほぼ完全に補正される。 なお、メーカーが公表しているわけではないが、光学的な補正に加え、電子的補正も加味されているものと思われる。 焦点距離:6mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:12mm(35mmサイズ換算56mm) 焦点距離:24mm(35mmサイズ換算112mm) 描写力チェック3:解像力レンズ固定式カメラの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試される。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行ったが、結果はコンパクトカメラとして高い解像力を示している。35mm換算で28mmの広角端では、開放から高い解像力を示しており、部分的にモアレの影響が出ているものの、概ね2400本あたりまでラインを視認することができた。1段絞ると解像度があがり、ぎりぎり2500本のラインも確認できている。望遠側に移るにつれ、わずかに解像感の低下が認められるものの、概ね広角端と同様の結果であった。いずれも1段絞ると解像力の向上を確認できた。 画像周辺部については、全般的に鮮明度の高い画像となっていおり、1段程度絞るとさらに鮮明度の高い画像となる。 実際のチャートは画像をクリックすると表示されるので、ぜひ直接確認してほしい。
6mm域(35mmサイズ換算28mm) F1.8 4.結局、オリンパス STYLUS XZ-2は「買い」か?独断 素晴らしい! ポイント
独断 もう一息! ポイント
Sponsored Links 付録1.製品仕様からみた STYLUS XZ-2の特長
付録2.発売前のファーストレビュー【一口コラム】インターフェースを強化したXZ-2フォトキナにあわせ、オリンパスからXZ-2が登場した。2011年2月に登場したXZ-1の後継機で、新たに「STYLUS」のブランド名が付されている。XZ-1は、35mm換算28-112mmでF1.8-2.5の明るいレンズを搭載している点が一番の特徴であった。発売後、徐々に値段を下げ、最近では2万円台で購入できる点も、XZ-1の魅力の一つである。 STYLUS XZ-2の主な進化点は、
XZ-2(左側)とXZ-1(右側)。直線を主体としたデザインとなっている。大型の着脱式グリップが装着されるとともに、レンズ左下にはファンクションボタンが新設された。 XZ-2(左側)とXZ-1(右側)。背面液晶が高精細化、タッチパネル化、チルト化している。再生ボタンの右に、ファンクションボタンが新設された。XZ-1同様、外付けの電子ビューファインダーに対応している。 XZ-2(左側)とXZ-1(右側)。液晶パネルがチルト化されるなどの影響もあり、ボディ厚がやや厚くなっている。また、内蔵マイクがステレオ化されている。 主な仕様についてXZ-1と比較すると、次のとおりである。 【XZ-2とXZ-1の比較】
インターフェース部分が全体的に強化されるとともに、デザインの変化が大きな違いとなる。デザインに関しては、XZ-1の繊細な美しさの方がより好ましく思える方も少なくないかもしれないが、着脱可能な大型グリップは、実用性を大きく高めている。 (9月17日 記) |
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【オリンパス STYLUS XZ-2 基本仕様】
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