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特集 PowerShotG15
キヤノン PowerShotG15 ~明るいレンズを搭載した新型G |
キヤノン PowerShotG15
by Inaba Kunio
明るいレンズを搭載した11代目の新型G 評価:5.0
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1.キヤノン PowerShotG15の位置づけと概要11代目のGシリーズ初代GシリーズであるPowerShotG1が登場したのは、2000年10月です。その後、ほぼ1年ごとに後継機がリリースされ、最新モデルであるPowerShotG15が発売開始となりました。同時に発売となったPowerShotS110と同じ「高級コンパクトカメラ」となりますが、両機種ではターゲットとなる使い方に違いがあります。どちらも、コンパクトカメラの中において、レンズ交換式カメラの準じた高い描写力を持っている点では同じですが、その上でPowerShots110はできるだけ小型軽量に仕上げることで可搬性を重視しているのに対し、PowerShotG15はカメラとしての機能面や操作性を優先した設計となっています。たとえば短期間の旅行にカメラを持っていく時、デジタル一眼レフと一緒に持参し、ちょっとした食事などでホテルの部屋から持ち出すのがPowerShotS110であるとすると、デジタル一眼レフの代わりとして旅行に持っていくカメラがPowerShotg15、というイメージになるかもしれません。 ![]() 初代PowerShotG1(2000年10月) PowerShotG12からの進化2010年10月に発売されたPowerShotG12からの主な進化点は次のようになります。
PowerShotGシリーズの進化
デジタル一眼レフの代わりが務まるコンデジ繰り返しとなりますが、PowerShotG15は、デジタル一眼レフやミラーレスカメラの代役を務めることも想定した高級コンパクトです。そのためには、画質が良いことに加え、ダイヤルやボタンを中心としたインターフェースや実像式光学ファインダーが大切な役割を担います。こうした面では、G12と比較するとダイヤル関係のレイアウト変更やバリアングル液晶の固定化など、いくつかの変更も加えられています。より機動性を高めた11代目Gシリーズ、PowerShot G15の実力を具体的にチェックしていきますので、しばらくお付き合いをお願いいたします。 ![]()
2.キヤノン PowerShotG15を開封し外観をチェックキヤノン Canon PowerShotG15を開封するPowerShotG15は、G12から2年ぶりの登場となりました。間にG1Xが入っていますが、この2年間でイメージセンサ周り等の技術進歩は決して小さくなかったように思います。とくに裏面照射型CMOSセンサーの登場は、デジタルカメラのセンサーからCCDセンサーを駆逐する勢いにも見えます。発売時の価格は、5万円前後となっているようです。PowerShotG12と比較すると、スタート時点では概ね1万円程度廉価です。デジタルカメラ全体の価格低下傾向が、PowerShotG15にも反映しているようです。
黒を基調としたパッケージ。基本的なデザインはPowerShotG1XやG12と同じ。
パッケージの上段には、取扱説明書やCD-ROM等が入っており、下段に本体やケーブル、ストラップ、バッテリー等が格納されている。左側にある白い包みが本体。
同梱されている付属品。左上より取扱説明書、ソフトCD、バッテリーチャージャーCB-2LC、バッテリーNB-10L、ネックストラップNS-DC11。ケーブル類は付属していません。 Sponsored Links バッテリー等の付属品をチェックPowerShot G15のバッテリーは、PowerShotG1Xと同じものとなります。
同梱されているバッテリーチャージャーCB-2LC。コンパクトカメラ用のものとしては比較的大型となっています。NB-10Lの充電には約1時間50分かかります。
コンセント用のプラグ部分は回転して格納可能。接続するコンセント側にスペースが必要となるものの、可搬性の点でメリットがあります。
バッテリーパックNB-10L。容量920mAhで、静止画であれば約350コマ(液晶画面表示時)または約770コマ(液晶画面非表示で光学ファインダーを使用した場合)の撮影が可能となっています。動画では最大で2時間できます。セルは日本製ですが、バッテリーパック全体は中国製。
付属のネックストラップNS-DC11。文字の部分は刺繍性で、コンパクトカメラにしてはしっかりしたつくりとなっています。 Sponsored Links PowerShotG15の本体外観をチェックデジタル一眼レフ上級機と同じような表面処理がされています。高級感があるだけでなく、指紋も付きにくくなっています。
ボディ前面。グリップ部分の形状と、内蔵ストロボがポップアップ式となった点が、PowerShotG12との大きな違いとなります。
ボディ液晶モニター側。液晶モニターは固定式となりましたが、大型化・高精細化されています。ボタン類の配置は、ほぼG12を踏襲しています。
ボディ右側面には、外部接続端子類が格納されています。その上に見えるバーはストラップ取付部となります。
ボディ左側面。中央部に見える6つの穴はスピーカーです。
ボディ上面。内蔵ストロボがポップアップ式となったため、左肩にあった露出補正ダイヤルが右側に移されています。PowerShotG12ではモードダイヤルと同軸にISO感度設定ダイヤルが置かれていましたが、G15では露出補正ダイヤルがシフトされて配置してあります。
ボディ底面。レンズとの干渉を避けるためか、三脚用の穴はレンズ光軸からずらされています。その左側にはバッテリー室カバーがあり、メモリーカードもこの中に格納されます。
ボディ上面のCanonロゴ。PowerShotG12ではロゴの上にストロボ発光部が置かれていました。ロゴの左側にあるのは前面ランプで、セルフタイマーやAF補助光として機能します。
グリップ部分にある機種名のロゴ。Canonロゴと同じく、刻印の上白インクが流されています。
実像式光学ファインダーの対物側。レンズのズーミングにあわせて視野角も変わります。
グリップ上部の電子ダイヤル。カメラを構えた時に、右手の人差し指で操作できる位置に置かれています。
ボディ上面右側。まさに「軍艦部」と呼ばれるのがふさわしいように、ダイヤル類が多数置かれています。2段重ねとなっているダイヤルが印象的です。
実像式光学ファインダーの接眼側。左側にあるダイヤルは視度補正用です。ファインダー内には電子的な表示はされませんが、接眼部の右側にある2つのインジケーターがカメラ状況を表示します。その左にあるSボタンはショートカット用のボタンで、ホワイトバランスやセルフタイマーなどの機能を登録できます。
ボディ上面にはアクセサリーシューが置かれており、EOS用の外付フラッシュを使用できます。
左肩にあるストロボポップアップ用のレバー。機械式のため、電源が入っていない状態でも機能します。
ストロボをポップアップさせた状態。発光部がボディ内にあったPowerShotG12よりも高い位置で照射します。
液晶面右側のメインコントロール部。ボタン類の配置は、PowerShotG1Xとほぼ同じです。
ボディ右側面にある外部接続端子カバーを開いた状態。上からリモコン端子、A/V OUT デジタル端子、HDMiミニ端子となります。
ボディ底面のバッテリー室カバーを開いた状態。メモリーカード挿入方向のガイダンスシールが貼付されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードのラベル面が前側となります。
大型化・高精細化された液晶パネル。視認性も向上しています。
電源を入れると沈胴していたレンズが伸びます。写真は広角端の状態です。
レンズ長は望遠端で一番長くなります。写真は望遠端の状態です。
レンズ右下にはリング取り外し用のボタンがあります。このボタンを押すとバヨネット構造で固定されているリングを外せます。
はずしたリング。金属製です。
リングを外した状態。ここにフィルターアダプターFA-DC58DやコンバージョンレンズアダプターLA-DC58Lを装着し、テレコンバーターTC-DC58Eや58mm径のフィルターを装着可能です。テレコンバーターを装着すると焦点距離が1.4倍となりますので、約200mm相当の画角を楽しめます。 PowerShotS110との比較
PowerShotG15(左側)とPowerShotS110(右側)。同じイメージセンサーを搭載していますが、コンセプトにあわせ外観も大きく異なっています。
大きさ、厚さだけでなくダイヤル類の数も違います。より小型軽量スリムボディを目指しているS110と、デジタル一眼レフの代わりを務められる高機能性・操作性を重視するG15の役割りの差を感じさせてくれます。 Sponsored Links 3.キヤノン PowerShotG15 の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能PowerShotG15は、同時に発売となったPowerShotS110と同じイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載していますので、撮像素子にかかわる基本的な描写性能は、ほぼ同等であると思われます。PowerShotG15の基本感度はPowerShotS110と同じくISO80で、ISO12800までの設定が可能となっています。PowerShotG12ではISO80からISO3200まででしたので、2段分設定可能幅が広がっています。 高感度性能については、撮影メニューの中に「高感度時NR」の項目があり、「弱」「標準」「強」の3段階で設定できます。PowerShotG15はRAWでの撮影も可能となっていますので、撮影後にパソコンでノイズリダクション処理をかけることもできます。なお、RAWまたはRAW+JPEGでの撮影時には、自動的に「標準」での撮影となります。このあたりもPowerShotS110と同じです。 下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものとなりますが、やはりPowerShotS110と同等の結果となりました。高感度時ノイズリダクションを標準に設定してチェックすると、ISO800まではほとんどノイズを感じませんが、ISO1600あたりから暗部を中心にノイズが目立ってきます。ISO3200になるとノイズも目立つようになってきますが、やはり実用範囲に入っていると思います。ISO6400以上になるとかなりノイズが増え解像感の低下も感じられますが、縮小するなどの使い方によっては、活用可能だと感じました。 高感度ノイズリダクションを「標準」にすると、かなりノイズ感は改善されますが、解像感にはそれほど影響は感じられませんでした。「強」にすると、さらに高感度ノイズは低減化されましたが、解像感の低下も目立ってきます。なお、高感度ノイズリダクションは、ISO1600以上で強くかかってくるように感じました。 下記のサンプルは画像の一部をほぼ等倍で切り出したものですが、クリックすると元画像が表示されますので、あわせて参照していただければと思います。
ISO80(「弱」「標準」「強」) Sponsored Links 描写力チェック2:歪曲収差PowerShot G15のレンズは35mm換算で28mmから140mmの光学5倍ズームのため、高級コンパクトの範疇ではややズーム域が広いレンズとなっています。PowerShotG12も焦点域は同じでしたが、G15になってズーム全域で1段半分明るくなっています。PowerShot G15には「ゆがみ補正」等の項目はありませんので、必要であれば撮影後にソフトウェアで補正をかけることになります。 下記のサンプルは、広角端、標準域、望遠端で撮影したものです。いずれも絞り開放となっていますが、歪曲収差、周辺光量不足とも良好に補正されています。 歪曲収差に関しては、広角端では画面周辺部にわずかに樽型収差を確認することができますが、気にならないレベルであると思います。その後、望遠側に移るにつれ補正がされていき、標準域あたりでほぼ完全に補正されています。 焦点距離:6.1mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:11.4mm(35mmサイズ換算52mm) 焦点距離:30.5mm(35mmサイズ換算140mm) Sponsored Links 描写力チェック3:解像力レンズ固定式のカメラでの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されます。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いましたが、結果は、コンパクトカメラとしては高い解像力を示しています。35mm換算で28mm相当の広角端では、開放から高い解像力を示しています。モアレの影響が出ているが、部分的に2500本のラインも視認することができました。望遠側に移るにつれ、徐々に解像感の低下が認められましたが、望遠端でも2200本のラインを確認することができました。 画像周辺部については、全般的に鮮明度の高い画像となっていますが、やはり1段程度絞るとしっかりとした画像となります。 実際のチャートは画像をクリックすると表示されるので、ぜひ直接確認していただければと思います。
6.1mm域(35mmサイズ換算28mm) F1.8 Sponsored Links 4.結局、キヤノン PowerShotG15は「買い」か?独断 素晴らしい!![]()
独断 もう一息! ![]()
Sponsored Links 付録1.製品仕様からみた PowerShotG15の特長
Sponsored Links 付録2.発売前のファーストレビュー【一口コラム】F1.8の明るいレンズを搭載したGキヤノンからPowerShotG12の後継機、PowerShotG15が正式発表となった。店頭予想価格は5万9980円となっており、10月中旬に発売開始される予定である。
G15をG12と比較すると、次のような特徴が見えてくる。
PowerShotG15(左側)とPowerShotG12(右側)。高さはほぼ同じだが幅は5mm程度小さくなった。内蔵ストロボがポップアップ式に変わっている。
PowerShotG15(左側)とPowerShotG12(右側)。液晶モニターが大型化、高精細化されたが、バリアングル可動は省略となった。固定式となった点は残念だが、その分小型化に貢献していることがわかる。
PowerShotG15(左側)とPowerShotG12(右側)。ストロボがポップアップ式となったことで形状が変わっているが、全体としてのデザインはG12を踏襲している。 主な仕様についてG12(2010年10月発売)と比較すると、次のとおりである。 【G15とG12の比較】
(9月19日 記) |
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