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特集 LUMIX DMC-LX7
パナソニック LUMIX DMC-LX7 ~F1.4の大口径ズームを搭載 |
パナソニック LUMIX DMC-LX7
by Inaba Kunio
F1.4の大口径ズームレンズを搭載した新型高級コンパクト
評価:5.0
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1.パナソニック LUMIX DMC-LX7の位置づけと概要F1.4の新型LX2012年6月、ソニーDSC-RX100の登場は、各社の高級コンパクトの立ち位置を問い直すインパクトを持っていました。このジャンルの製品としては比較的小型だったキヤノンPowerShot S100とほぼ同じサイズのボディに、1型イメージセンサーと、28-100mmF1.8-4.9(焦点距離は35mm版換算画角)レンズを搭載したコンパクトカメラは、描写性能に力を入れてきた高級コンパクトカメラを土俵の外に投げ飛ばしかねない破壊力を持っています。そうした中、DSC-RX100登場後、高級コンパクトとして初のリリースとなったのがDMC-LX7です。 改めてDMC-LX7のポイントを整理すると、次のようになります。
正直なところ、スペックだけを見れば、DSC-RX100に正面から対抗できる力をもったカメラには見えないかもしれません。DMC-LX7の明らかな強みとしては、広角端でF1.4、望遠端でもF2.3の明るいレンズを搭載している点ですが、イメージセンサーのサイズが3倍近く違うことを考えると、これさえ心もとない気がします。
機能面でも最近の動向にきちんと目配りされており、電子水準器機能も新たに搭載されています。 とはいえ、DMC-LX7は、DSC-RX100登場前の世代に属する製品と言わなければなりません。総合力でどこまで肉薄できているのか、早速実力をテストしてみます。
2.パナソニック DMC-LX7を開封し外観をチェックパナソニック LUMIX DMC-LX7を開封する8月23日に発売となったDMC-LX7。発売開始直後ということで、店頭での実売価格は5万円台の前半あたりのようです。2010年8月に登場したDMC-LX5の実売価格は5万円強でしたので、概ね同じレベルでの販売開始といえるかもしれません。ボディカラーは今までのブラックに加え、ホワイトが用意されています。どちらも上品なカラーリングで、高級感を感じさせます。今回は汚れが目立ちにくいブラックモデルを購入しましたが、ホワイトモデルの実物は写真よりも良い感じです。 なお、発売開始時点の特典かもしれませんが、外付光学ファインダーDMW-VF1が付属してきました。これは35mm換算で24mmの画角をカバーするものです。固定焦点であり、当然バララックス補正も近距離用補助ラインのみとなっていますが、小型であるとともに見え方もクリアーです。
濃紺を基調とした箱には、ブラックボディが印刷されています。携帯電話のケースと同じようなサイズの箱です。
ケースを開けると、上段トレーに取扱説明書などが入っていました。下段の左側にはプラスティックの梱包材に入った本体があり、その右側には充電器などの付属品が格納されています。
DMC-LX7の付属品。左上より取扱説明書、CD-ROM、バッテリーチャージャーDE-A81A、バッテリーパックDMW-BCJ13、USB接続ケーブルK1HY08YY0025、ショルダーストラップVFC4901、レンズキャップVYK5W85、レンズキャップひもVFC4366。取扱説明書は簡易版で、詳細版はCD-ROMの中に入っています。コストとの兼ね合いはあるものの、できれば印刷した冊子の同梱が望ましいと思います。 LUMIX DMC-LX7の付属品をチェック
バッテリーチャージャーDE-A81A。DMC-LX5のものと同じで、比較的小型サイズです。バッテリーパックDMW-BCJ13の充電には、約155分かかります。
コンセントとの接続部は、回転させて格納させることが可能な仕組みとなっています。コンセント側にスペースは必要ですが、持ち運びは容易です。
バッテリーパックDMW-BCJ13。容量は1250mAhで、静止画であれば約330枚の撮影が可能です。
付属するレンズキャップ。脱着用のつまみ部分は外側となっていますが、比較的操作はしやすいです。
レンズキャップの裏側です。親指の部分に見える2つの穴は、レンズキャップ用ストラップを取り付けるためのものです。
USB接続ケーブルK1HY08YY0025。パソコンやプリンターとの接続に使用します。
ショルダーストラップVFC4901。細いタイプですが、しっかりしたつくりとなっています。 LUMIX DMC-LX7の本体をチェック
ボディ前面。ボディのサイズは、DMC-LX5とほぼ同じですが、グリップ部の形状が変わっています。表面は半ツヤの塗装で、指紋が付きにくくなっています。
ボディ背面側。基本的なレイアウトはDMC-LX5のものを踏襲しています。液晶右上には、新たにND/FOCUSレバーが設置されています。
ボディ上面。やはりDMC-LX5と同様ですが、アクセサリーシューの前にステレオマイクが新設されています。
ボディ底面。レンズが太くなったことによるものと思われますが、三脚用の穴が右側にシフトされています。左側には、バッテリーとメモリーカードが格納されます。ボディ本体は日本製。
ボディ左側面。こちら側にはストラップ取付用の金具のみが配置されています。
ボディ右側面。中央部のカバー内には、外部インターフェースが格納されています。
レンズ鏡胴部の左側には、オートフォーカス切換スイッチが設置されています。なお、レンズ鏡胴はアルミ素材製。
レンズ鏡胴部の上面には、画面のアスペクト比を切り換えるスイッチが置かれています。その前には絞りリングがあります。記載されている絞り値は、絶対値となりますので、望遠側の焦点距離を使用する場合には注意が必要です。
レンズ付け根部分に「NANO SURFACE COATING」と記載されていますが、これはレンズに施されているナノサーフェイスコーティングを示しています。従来のコーティングと比べ、表面での反射を抑えることで、ゴーストやフレアを大幅に低減するとのことです。
ボディ右下には、ライカLEICAのLロゴが貼付されています。
レンズ正面には、レンズ銘と基本仕様が印字されています。VARIOとはズームレンズを意味し、SUMMILUXはF値が1.4のレンズであることを示すものです。
ボディ左肩にはLUMIXの文字が刻印されています。その右にあるのは、セルフタイマーとAF補助光を兼ねるランプです。
軍艦部右側のメイン操作部。モードダイヤルはDMC-LX5と同じです。シャッターボタンは一回り小さくなっています。
アクセサリーシューには、標準タイプのストロボや、電子ビューファインダーを装着できます。アクセサリーシューの手前に見えるのは、電子ビューファインダーDMW-LVF2装着時に使用する専用コネクターです。
右側のメインコントロール部分です。ボタン類は一部入れ替えられていますが、基本的にはDMC-LX5と同じです。
新たに設置された「ND/FOCUSレバー」。マニュアルフォーカス時のピント合わせや、NDフィルターのON/OFFの切換に使用します。
マニュアルフォーカス時にはピント位置が拡大されるとともに、下部にガイダンスバーが表示されます。
軍艦部左肩には内蔵ストロボとポップアップ用スイッチが配置されています。スイッチは機械式のため、電源が入っていなくても稼働可能です。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。広角端で最大8.5mの距離まで照射可能です。
ボディ右側面に格納されている外部インターフェース。上がHDMIミニ端子で、下がAV OUT/デジタル端子。
カメラ底面のバッテリー室カバーを開けた状態。挿入方向のガイダンスがグレーのプラスティック部分に刻印されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。
電源を切った状態では、レンズは鏡胴内に沈胴しています。
電源を入れると、レンズが伸長します。写真は広角端の状態です。広角端でもそこそこ突出していますが、ズーミングしても大きく伸びたりはしません。
写真は望遠端にしたときの状態です。この時のレンズ長が一番長くなります。
液晶パネルの表示は、情報表示部分を重ねることで、できるだけ画像を大きくするモードと、情報部分を外だしするモードの切り替えが可能です。写真は、できるだけ画像を大きく表示させるモードです。
情報を外だしするモード。画面上部の表示は変わりませんが、下部の情報表示部分が画像と重ならなくなります。
付属してきた光学ファインダーDMW-VF1。取扱説明書と巾着型ソフトケースも付いていました。
光学ファインダーを持ち運ぶときに使用するソフトケース。意外としっかりとしたつくりで、高級感もあります。
光学ファインダー。金属製でずっしりとした重みがあります。35mm版で24mmの画角に対応しています。
カメラ本体にはアクセサリーシューを利用して装着します。ストッパー等はありませんが、きっちりとはまるため、脱落事故は起きにくいように感じました。
本体に装着した状態。スナップなどの速写用に使えるだけでなく、クラシカルなデザインを楽しむことができます。
光学ファインダーを覗いた状態。上部には近接撮影時のバララックス対応用にガイド線が表示されています。実際に接眼すると、ラインは白く見えます。視認性は極めて高く感じました。 Sponsored Links 3.LUMIX DMC-LX7の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能LUMIX DMC-LX7の基本感度はISO80で、標準ではISO6400まで設定可能となっています。これに加えて拡張設定でISO12800に設定することもできますが、記録は3メガ画素のJPEG画像のみに制限されます。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられません。 カメラ内でのノイズ低減は、セットアップメニュー内に項目があるのではなく、撮影メニューの「フォトスタイル」で「ノイズリダクション」を操作して行います。標準では「0」となっており、プラスとマイナスに各々2段階、計5段階から選択することができます。マイナス側は解像感優先、プラス側はノイズ軽減優先となります。なお、フォトスタイルの中では、コントラストやシャープネス、彩度の設定も可能です。 DMC-LX7では、1/1.63型CCDから1/1.7型CMOSセンサーに換装されており、高感度性能の向上を確認することができました。 ノイズリダクションを「-2」にしても、ISO800まではほとんどノイズ感を感じさせません。ISO1600になると、暗部を中心にわずかにノイズが出てきますが、十分常用可能なレベルです。ISO3200になると急激にノイズが増えますが、まだ活用できるレベルにとどまっています。ISO6400以上は、基本的には緊急避難用になると感じました。 ノイズリダクションを「+2」にすると、ノイズ低減を実感できますが、解像感も低下します。基本的には標準の「0」の設定で良いと思います。 下記のサンプルは、ノイズリダクションを「-2」、「0」、「+2」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなっています。表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。なお、ISO12800撮影時には画像サイズが小さくなるため、切り出し範囲が広くなっています。
ISO80(左から「-2」「0」「+2」) 描写力チェック2:歪曲収差LUMIX DMC-LX7は、35mm換算で24-90mm、光学3.75倍ズームを搭載しています。開放F値はF1.4-2.3と明るいレンズですが、それほど倍率に無理がないせいか、歪曲収差は良好に補正されていました。広角端では周辺部に樽型収差が確認できます。望遠側に移るにつれ収差は徐々に小さくなり、35mm換算で50mmを超えたあたりで、ほとんど目立たなくなります。 コンパクトカメラの場合、電子的な補正がかけられているかどうかがわからないケースが多いですが、おそらくDMC-LX7でも電子的な補正が加味されているものと思われます。 焦点距離:4.7mm(35mmサイズ換算24mm) 焦点距離:5.5mm(35mmサイズ換算28mm) 焦点距離:9.8mm(35mmサイズ換算50mm) 焦点距離:17.7mm(35mmサイズ換算90mm) 描写力チェック3:解像力解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。チェックの結果は、コンパクトカメラとしては比較的大型な1/1.7型センサーを搭載しているものの、ほぼ標準的な解像力でした。画像中心部に関しては、広角端では1800本のラインあたりまで識別可能でした。望遠側に移るにつれ、徐々に解像感が増し、標準域では2000本のラインまで識別できました。その後、やや解像力は低下するものの、それでも望遠端でも1800本を超えるラインまで確認することができました。なお、これらのチェックはいずれも絞り開放で行っています。 画像周辺部に関しては、中心部と比べるとやや画像が甘くなりますが、それでも1段絞るとかなり鮮明度が上がりました。コンパクトカメラとしてはしっかりとした画像となっています。
4.7mm域(35mmサイズ換算24mm) F1.4 4.結局、LUMIX DMC-LX7は「買い」か?独断 素晴らしい! ポイント
独断 もう一息! ポイント
Sponsored Links 付録1.製品仕様からみた LUMIX DMC-LX7の特長
Sponsored Links 付録2.発売前のファーストレビュー【一口コラム】 新型LX登場7月18日、パナソニックUSAは、LUMIX DMC-G5やDMC-FZ200とともに、DMC-LX7を発表した。事前の噂では、LX5と同等サイズのイメージセンサーが搭載されるのではないか、という予想とともに、ソニーのRX100のような大型センサー、というものもあった。実際にふたを開けてみれば、1/1.7型と、LX5の1/1.63型を踏襲するものであった。DMC-LX7の主な仕様は、
DMC-LX7(左側)とLX5(右側)。グリップ部分の形状などの
違いはあるが、基本的なデザインは前機種を踏襲している。 DMC-LX7(左側)とLX5(右側)。液晶側ボタン類の配置もほぼ同じ
だが、ダイヤル部の左側にフォーカスレバーが新設されている。 DMC-LX7(左側)とLX5(右側)。ボディ上面のレイアウトもほぼ共通する。
LX7では、アクセサリーシューの前部にステレオマイクが設置されている。 前機種となるDMC-LX5と比較すると、次のとおりである。 【DMC-LX7とDMC-LX5の比較】
LX5と比較すると、明らかに違うのがレンズの明るさである。LX5のF2-3.3も、コンパクトカメラとしてはトップクラスの明るさであるが、これがさらにF1.4-2.3と1段明るくなった。レンズ構成は、両面非球面ED(特殊艇分散)レンズを含む10群11枚であり、このうちの5枚(9面)が非球面レンズとなっている。高感度性能の向上も含め、より室内など暗めのシーンでもシャッター速度が稼げるカメラとなっている。 Panasonic USAのホームページには、レンズ構成図とともにMTF曲線も掲示。
コンパクトカメラではあまり例を見ないが、パナソニックの自信が垣間見られる。 (Panasonic USAホームページより) その他は、11コマ/秒の連写性能、フルHDに対応した動画性能や液晶パネルの高精細化、電子水準器機能の搭載など、この間の基礎技術の向上を反映した内容と言えるだろう。なお、アメリカでは30日に価格が発表される予定で、ボディカラーは黒に加えて白も用意されるようだ。 どちらかといえば、LXシリーズの熟成モデルとなったDMC-LX7。実際の描写性能がどのように向上したのか、実機でのテストが楽しみである。 (7月18日 記) DMC-FZ200とともに、DMC-LX7が日本国内でも発表された。発売は8月23日の予定で、DMC-LX7の店頭予想価格は6万5千円とのこと。DMC-LX5が2010年8月に登場した時の実売価格が5万円前後だったことを考えると、やや高めでのスタートかもしれない。日本国内でもブラックモデルとともにホワイトモデルもリリースされる。 (7月25日 記) いよいよ来週発売予定であるが、初回予約特典として光学ファインダーDMW-VF1(本日の価格COM最安値は8,454円)が付属するようだ。これは35mm換算で24mmの画角をカバーしている。高級感があり、見え方もクリアーであるが、やはり、せっかくなら電子ビューファインダーなら、という思いは残る。 DMC-FZ200とともに発売日が1週間遅れ、8月30日となったとのこと。予約をされていた方は注意してほしい。 (8月20日 記) 再度の訂正です。メーカーに確認したところ、予定通り23日発売開始とのことでした。お詫びして訂正いたします。 (8月21日 記) |
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パナソニック LUMIX DMC-LX7 メーカー製品仕様のページ |
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