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「ミラーレスカメラはガラパゴス化する」のか?

ガラパゴス・ケータイ


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 ミラーレスカメラの市場推移は?



 まずはじめに、レンズ交換式カメラの市場推移について確認してみたいと思います。「日経ビジネス記事」(以下は「記事」とさせていただきます)では、次のように整理しています。
  • レンズ交換式カメラ販売台数に占めるミラーレスカメラの割合は、2013年は2012年より0.3ポイント減って19.3%。
  • 日本国内ではミラーレスカメラの割合は38%だが、日本以外の地域では半分以下の16.4%にとどまる。(2013年)
  • 特に米国では厳しく、10%。
 「記事」の元データとなっているCIPA(カメラ映像機器工業会)の公表数値をまとめたのが、次の2つの表です。

市場別のレンズ交換式カメラ販売状況

 まず、販売台数(表1)で見ると、確かにミラーレスカメラの割合は2012年の19.6%が、2013年には19.3%に低下しています。また、ミラーレスカメラの割合は、日本国内市場が圧倒的に高いことも、この表から読み取ることができます。

 しかし、同じ内容を販売金額(表2)で見ると、別の側面も見えてきます。

 まず、販売金額で見ると、ミラーレスカメラが占める割合は、2012年の16.6%に対し、2013年は逆に1.4ポイント増えて18.0%になっており、そもそもミラーレスの占める割合は減っていません

 販売台数割合が減っているにもかかわらず販売金額割合が増えているということは、ミラーレスカメラの販売単価が相対的に上がっていることを意味します。実際に販売金額を販売台数で除してみる(表3)と、2012年は一眼レフ単価3万9千円に対しミラーレスは3万2千円となり平均単価は7千円の差があったのに対し、2013年は一眼レフ単価4万円に対しミラーレスは3万7千円と平均単価の差は3千円まで圧縮されていることがわかります。

市場別のレンズ交換式カメラ販売状況:単価

 販売単価をさらに地域別にみると、すべての地域で一眼レフよりミラーレスカメラの方が単価が上昇しており、すでに欧州、米州、その他地域ではミラーレスカメラの方が一眼レフよりも販売単価が高くなっています。このことから推測できるのは、少なくとも日本とアジア以外の地域では、ミラーレスカメラの方が企業利益に貢献しているのではないか、ということです。メーカー各社とも、デジタルカメラの高付加価値化を目指しており、その方向性に合致しているのは、一眼レフよりもミラーレスカメラであることを、これらの数値は示しています。

 さらに言えば、そもそもCIPAがミラーレスカメラの数値を切出して発表したのは、2012年度が最初です。はじめてのミラーレスが発売されたのは2008年10月ですから、わずか誕生から3年半で新たな分類をつくらなければならなくなるほど急速にミラーレスは発展してきた、ということになります。


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 「ガラパゴス化」とは何か?



 そもそも、ミラーレスカメラを「ガラパゴス」に擬えることは、基本的に誤っているのではないでしょうか。

 「ガラパゴス」と言ってイメージされるのは、特殊市場向けに高付加価値化した従来型携帯電話だと思います。しかし、ミラーレスカメラと一眼レフとでは、そもそもレンズ交換式カメラとしての原理的な部分や実現できる機能はほとんど同じです。

 両者の主な違いは構造上のもので、具体的には光学ファインダーとミラーボックスとなりますが、これらはもともとフィルム一眼レフにとって必須な部品です。デジタル一眼レフはフィルム一眼レフの構造をそのまま引き継いだために、これらの部品が残ったのです。

 カメラがデジタル化されると、光学ファインダーやミラーボックスがなくても一眼レフの機能を実現することが可能となります。まさにそれを実行したのがミラーレスカメラであり、「デジタル技術に最適化したレンズ交換式カメラ」であると言えます。ミラーレスカメラが市場に登場してから、まだ6年足らずですが、この間ミラーレスカメラの要素技術は飛躍的に進化してきました。たとえば、最初は見劣りがしていたファインダーの見え方やオートフォーカスにしても、すでに一眼レフに追いつきつつあり、部分的には凌駕している機能もあります。

 もともとフィルム一眼レフのフィルムをイメージセンサーに置き換えただけのデジタル一眼レフに対し、一眼レフで実現しようとした機能をデジタル技術で最適化したミラーレスカメラとの間で、最終的にどちらが淘汰されるかは明らかだと思います。すでにデジタル一眼レフを製造できるメーカーは、実質的に日本国内の4社だけとなっていることを考え合わせると、もしデジタルカメラの分野で「ガラパゴス」を探すのであれば、それはデジタル一眼レフに他なりません


 国内メーカーが生き残るためには?



 「記事」の最後はこのように締められています。

「コンパクトデジカメ市場の縮小に加え、ミラーレスの低迷。逆風の多いカメラ業界では、いつ業界再編が起こってもおかしくはない。」

 一見もっともに見えますが、これも原因と結果を取り違えた意見のように思えます。そうではなく、「ミラーレスが拡がるから、日本のカメラメーカーは業界再編の波に備えなければならない」のだと思います。

 一眼レフをつくるには、高い光学技術とメカ技術が必要です。この蓄積があったからこそ、フィルム時代に日本メーカーは市場を席巻することができました。デジタルカメラの初期では、幸いなことにフィルム一眼レフの構造をそのまま活用したデジタル一眼レフがレンズ交換式カメラの主流となったため、引き続き日本メーカーが実質的に市場を独占し続けることに成功しました。現在、一眼レフを開発製造しているメーカーは、キヤノン、ニコン、リコー(ペンタックス)、シグマの4社だけであり、もしこれからもデジタル一眼レフが順調であるのなら、日本のカメラ業界も安泰です。

 しかし、残念ながら、おそらくそうはならないでしょう。

 ミラーレスカメラでは、光学ファインダーはもちろんのこと、精巧に稼働するミラーボックスも必要ありません。誤解を恐れずに言えば、イメージセンサーと基盤を買ってきて組み立てるだけでレンズ交換式カメラをつくることができるのがミラーレス時代であり、レンズ交換式カメラ市場への参入ハードルが一気に下がったと言えます。ミラーレスカメラに本格参入したSamsungが、すでに欧米市場で存在感を増しているのも、その一例です。

 デジタル一眼レフがミラーレスカメラによって実質的に淘汰されるのは、単に時間の問題であると私は思います。そしてその時期は、私たちが思っている以上に早いかもしれません。フィルムカメラからデジタルカメラの移行期の波を、国内メーカーは上手に乗り切り、ブランドとシェアを守ることができました。すでに寄せつつある次の波に立ち向かうためには、業界再編を含めあらゆる可能性を検討していくことが求められているのではないでしょうか。

編集: Inaba Kunio)

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