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 α7S SONY  

ソニー SONY α7S ソニー SONY α7S ソニー SONY α7S ソニー SONY α7S
【ソニー α7S 徹底レビュー】です。開封・製品外観や描写力テストも掲載。

【一口コラム】4K動画対応のフルサイズ高感度モデル

 4月6日、ソニーは新型フルサイズ・ミラーレス、α7S(ILCE-7S)を海外で正式発表しました。発売時期および国内での販売計画は未定ですが、4K動画撮影に対応したフルサイズ・ミラーレスカメラとして注目されてきました。しかし、α7Sの「S」はSensitivity(感度)を意味するように、「ISO409600まで対応した高感度モデル」という側面の方により力を入れたモデルであるような印象も受けます。現在、拡張域でISO409600に対応しているのは、先月発売開始となったニコンD4Sのみです。ISO204800でも、対応しているのはニコンD4DfキヤノンEOS-1DXの3機種だけで、これらの機種が搭載しているイメージセンサーは35mmフルサイズ版の16〜18メガ画素となります。

 ちなみに、既存のα7(製品レビュー)は有効2430万画素で拡張域ではISO51200まで、α7Rは有効3640万画素で同じくISO51200までの対応であるのに対し、α7Sは有効1220万画素へと画素数が抑えられています。このことが、高感度性能の高さを実現した要因の一つであるものと思われます。

 α7Sの高感度性能をもう少し詳しく見ると、静止画では標準でISO100-102400、拡張でISO50-409600、動画では標準でISO200-102400、拡張でISO200-409600の対応となっています。動画よりも静止画の方が、低感度側の幅が広い点が違いとなっています。

 実際にISO409600でどのようなノイズレベルになるかは実機のテストをしてみなければわかりませんが、最近のレンズ交換式カメラでは、以前のように「単に設定できます」と言うレベルではなく、そこそこ使える画質となっていますので、それなりに実用性があるものと思われます。一般的に暗い室内ではISO100、絞りF5.6でシャッタースピードが1秒前後になります。ISO409600ではISO100から12段分高感度となるため、単純に計算すると1/4000秒でシャッターが切れることになります。「暗い室内でも絞りF5.6ではシャッタースピードの余裕がないから、F8まで絞ろうか」という世界であり、なかなかイメージしずらいところです。
 なお、夜景では同じ条件で15秒が標準的なシャッタースピードですので、ISO409600では1/250秒が適正露出に相当します。よほどの望遠レンズでなければ、F5.6でも手ぶれを気にする必要はありません。このこと一つをとっても、フィルム時代には考えられなかった世界が到来したように思います。

 【参考】デジカメ質問箱ISO25600では暗闇でも撮影できますか?

 なお、α7とα7Sとを比較すると、1画素あたりの面積はα7Sの方が約2倍広いため、同じ素子であれば1段分高感度性能が高くなります。しかし、実際に設定できる感度の幅は、標準で2段分、拡張では3段分拡がりましたので、センサーレベルでの進化も施されているものと思われます。搭載されている画像処理エンジン自体は、どちらもBIONZ Xです。

ソニー SONY α7 イメージセンサー
α7に搭載されている有効2430万画素のフルサイズ・イメージセンサー。

 まずは、α7Sの特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
  • イメージセンサーは有効1220万画素のフルサイズExmor CMOSセンサー。静止画の最大サイズは4240x2832、動画は3840x2160(HDMI出力のみ)。
  • 高感度性能は、通常時ISO100-102400、拡張時はISO50-409600に対応。
  • 画像処理エンジンは、α7/α7Rと同じBIONZ Xを搭載。
  • シャッタースピードはα7と同じで、1/8000-30秒、シンクロ同期は1/250秒まで。
  • オートフォーカスはα7Rと同様にコントラスト方式のみですが、-4EVまで対応しています。(α7Rは0EVまで。)
  • 連写性能は通常で2.5コマ/秒、速度優先時で5コマ/秒ですので、α7と同じです。RAW+JPEGでは通常時35枚、速度優先時25枚の撮影が可能です。
  • 動画圧縮形式は、XAVC S(ビットレートは50Mbps)とAVCHD、MP4に対応し、最大で3840×2160ピクセルの4K動画も撮影可能。ただし、4K時の記録はカメラ内ではできず、HDMI接続した外部録画機器での記録となります。
  • フルHD時には60pまで、4K時には30pまでに対応。
  • 動画撮影では、フルサイズフォーマット、APS-Cフォーマットのどちらでも、4K、フルHD撮影が可能。静止画記録時には3:2のアスペクト比なので、動画記録時(アスペクト比は16:9)には横幅一杯を活用し、上下がトリミングされることになります。
ソニー SONY α7S
フルサイズ、APS-Cサイズのどちらでも4KやフルHD動画撮影が可能。(SONYサイトより。)

  • ボディ形状はα7Rとほぼ同じです。
  • 液晶モニターも3型92万ドットでα7/α7Rと同じ。上側90°、下側45°のチルト可動に対応している点も踏襲しています。
  • ファインダーも同じで、0.5型236万ドットのパネルが採用されています。
  • Wi-FiやNFCも引き続き搭載しています。
  • ボディサイズは同じで、重さはα7Rよりも約40g重くなっています。

ソニー SONY α7S ソニー SONY α7
 α7S(左側)とα7(右側)。写真で見るとロゴ以外はほとんど同じに見えます。なお、下記に追記しました通り、マウント部の爪部分が樹脂部品から金属部品に変わったようです。

ソニー SONY α7S ソニー SONY α7
 α7S(左側)とα7(右側)。こちら側もほとんどというか全く同じように見えます。少なくとも外装部分の形状は同じなのかもしれません。

ソニー SONY α7S ソニー SONY α7
 α7S(左側)とα7(右側)。ボディ上面も見たところ同じです。モードダイヤルに設定されている項目も全く同じです。このまま量産されるのであれば、α7やα7Rと同様に、静止画も重視したカメラと言えるかもしれません。


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【ソニーα7Sとα7R、α7の比較】
機種名 SONY α7S
α7S
SONY α7R
α7R
SONY α7
α7
イメージ
センサー
有効1220万画素
フルサイズ
有効3640万画素
フルサイズ
有効2430万画素
フルサイズ
画像処理
エンジン
BIONZ X
マウント ソニーEマウント
ISO感度
静止画
ISO100-102400
拡張ではISO50-409600
ISO100-25600
拡張ではISO50-51200
オート
フォーカス
コントラスト検出方式
25点
EV-4 - 20
コントラスト検出方式
25点
EV0-20
ファストハイブリッドAF
(位相差/コントラスト)
99点(位相差検出方式)/25点(コントラスト検出方式)
EV0-20
シャッター
スピード
30-1/8000秒
フラッシュ同調は1/250秒まで
30-1/8000秒
フラッシュ同調は1/160秒まで
30-1/8000秒
フラッシュ同調は1/250秒まで
ファインダー 0.5型236万ドット
0.71倍
液晶モニター 3型92万ドット
アスペクト比4:3
上90°下45°チルト可動
連写速度 最高2.5コマ/秒
RAW+JPEGで35枚
速度優先時は、5コマ秒で25枚
最高1.5コマ/秒
RAW+JPEGで17枚
速度優先時は、4コマ秒で13枚
最高2.5コマ/秒
RAW+JPEGで27枚
速度優先時は、5コマ秒で23枚
動画撮影 1920x1080
(60p)
3840x2160※出力のみ
(30p)
1920x1080
(60p)
付加機能 Wi-Fi/NFC
バッテリー NP-FW50
380 コマ
NP-FW50
340コマ
サイズ
(W x H x D)
126.9x94.4x48.2 mm
重さ 489 g/446g 465g/407g 474g/416g

 また、今回は一緒に28-135mmF4.0電動ズームもリリースされるようです。

 4K撮影可能なミラーレスカメラとしては、一足先にパナソニックからDMC-GH4がリリースされました。イメージセンサーの面積は4倍違いますが、DMC-GH4では本体内でも4K動画の記録が可能であることや、ビットレートも100Mbpsが確保されているなどの差もあります。

 デジタルビデオカメラの分野では、ソニーはトッププレーヤーとしての地位を確保しています。一般に市販しているビデオカメラでも、Eマウント交換レンズに対応したフルサイズ機VG900や、4K動画に対応したAX1やAX100などの幅広いラインアップを展開しており、今回のα7Sのリリースでさらに層が厚くなったように思います。

【追記】
 Twitterの返信で気が付いたのですが、写真で見るとα7Sのマウント内側爪は金属製のように見えます。α7/α7Rを含め、今までのEマウント機の爪部分は樹脂製でしたので、もし事実なら強度面での対応かもしれません。ちなみに、EマウントのビデオカメラレコーダーNEX-VG900などでは爪部分も金属製でしたので、ビデオカメラ基準に基づき金属化された可能性もあります。

ソニー SONY α7S ソニー SONY α7
α7S(左側)とα7(右側)。マウント内側の爪部分が、樹脂から金属に変わったように見えます。

by Inaba Kunio)

【追記】

 5月16日、国内でも正式発表となりました。6月20日の発売予定で、予想価格は23万円前後となっています。α7Rの発売時点の価格は20万円前後、α7は14万円前後でしたので、これらよりは高くなりますが意外と安いようにも思います。ちなみに現時点の実売価格は、α7Rが18万円前後、α7は12万円前後ですので、α7Rとは5万円程度の価格差となります。この価格であれば、高感度対応の静止画カメラとしてのニーズにも十分応えられるように思います。

by Inaba Kunio)








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【厳選レビュー記事】

◎デジカメWatch ソニー、「α7S」「α77 II」「サイバーショットRX100M3」の説明会を実施

  2014年5月16日 鈴木誠
  • 特殊カメラではない「α7S」。
  • コンパクトも高級機は需要拡大。
  • 多様化するαシリーズ。FEレンズの新ロードマップも。

◎デジカメWatch ソニー、超高感度“ISO409600”で撮れる「α7S」を国内発表

  2014年5月16日 武石修
  • 有効1,220万画素・拡張ISO409600対応。
  • 6月20日に発売。店頭予想価格は税別23万円前後の見込み。
  • 35mmフルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラとして初めて4K(3,840×2,160ピクセル)動画の撮影に対応。4K動画は対応する外付けレコーダーを組み合わせて記録。
  • センサーの感度が上がったことで、これまで合焦できなかった-4EVという暗所でも合焦できる。

◎ITmedia 4K動画撮影可能な「α7S」海外発表 最高ISO感度 ISO409600

  2014年4月7日 編集部
  • 画像処理エンジンは「BIONZ X」を採用しており、動画圧縮形式はXAVC SとAVCHD、MP4に対応。
  • 最大で3840×2160ピクセルの4K動画を撮影。
  • 24p/30p(25p)時にはビニング(複数ピクセルのデータを擬似的に合成する技術)なしでの全画素読み出しが可能。
  • 4K動画については本体にセットするメモリカードへの記録は行えず、HDMI接続した外部録画機器への出力。

◎デジカメWatch ソニー、4K動画出力に対応した「α7S」を海外発表

  2014年4月7日 鈴木誠
  • 有効1,220万画素・拡張ISO409600対応。
  • 4月7日、米ラスベガスで開幕した国際放送機器展NAB2014において、Eマウント機「α7S」を発表。
  • 静止画撮影が可能だが、非圧縮の4K動画出力に対応するなど、4K制作機材のひとつとして紹介。
  • 高感度・低ノイズを特徴とし、設定可能な感度は常用ISO100-102400、拡張ISO50-409600。
  • 外観は発売済みのα7R/α7と同様。ダイヤルやボタンの配置などにも違いは見られない。
  • NAB2014では、新製品の「Eマウント電動ズームレンズ」と「XLRアダプターキット」も参考展示。


【ソニー α7S 基本仕様】  →ソニー α7S メーカー製品情報のページ
画素数 1220万(有効) 画像素子 フルサイズCMOSセンサー
ISO感度 100〜102400
拡張で50-409600相当
記録フォーマット JPEG/RAW
連写撮影 2.5 コマ/秒(速度優先時5コマ/秒) シャッタースピード 1/8000〜30 秒
液晶モニター

3型 92万ドット/非タッチ対応

ファインダー形式 EVF
0.5型236万ドット
ファインダー視野率(上下/左右) 100/100 ファインダー倍率 0.71倍(35mm換算)
電池タイプ 専用電池 専用電池型番 NP-FW50
撮影枚数 380コマ レンズマウント ソニー Eマウント
記録メディア メモリースティック デュオ、メモリースティック PRO デュオ、SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード
付加機能 Wi-Fi/NFC ゴミ取り機能
ライブビュー バリアングル
内蔵フラッシュ RAW+JPG同時撮影
動画撮影 4K(30p)
幅x高さx奥行き 126.9x94.4x48.2 mm 本体重量 489 g/446g
セット販売

 
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