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特集 EOS KissX7

キヤノン EOS KissX7~世界最小・最軽量のデジタル一眼レフ

キヤノン EOS KissX7  by Inaba Kunio    『世界最小最軽量』だけでない新世代デジタル一眼レフ  評価:5.0
キヤノン  EOS KissX7 Canon



1.キヤノン EOS KissX7の位置づけと概要

 世界最小・最軽量のデジタル一眼レフ

 新登場したキヤノンEOS KissX7の魅力は、「世界最小・最軽量のデジタル一眼レフ」という表現に尽きるかもしれません。カメラとしての基本性能はEOS KissX7i/X6iを踏まえつつ、一回り以上コンパクトなボディを実現できたことには、正直驚きも感じます。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X7i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X7i(右側)。マウント部分は同じですが、X7の外形はX7iをそのまま縮小したような形状をしています。幅は16.3mm、高さは9.1mm、奥行きは9.4mm小型化されました。なお、X7iとX6iの外形はほぼ同じです。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X7i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X7i(右側)。どちらも液晶パネルは3型104万ドットのタッチパネルですが、X7iはバリアングル液晶となっています。ボタン類はX7iのクイックボタンがSETボタンに統合されるとともに、その周りのボタンが十字キーに置き換えられています。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X7i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X7i(右側)。X7のボディ上面には電子ダイヤルも搭載されています。サイズが小型化されたことで、X7はシャッターボタン周りのグリップ部形状が変わっています。X7iにはペンタ部にステレオマイクが置かれていますが、X7では左肩のモノラルマイクとなっています。
 キヤノンのデジタル一眼レフ・エントリークラスの中で、最上位機種はEOS KissX7iとなりますが、X7はカメラとしての基本性能はほぼX7iに準拠していることもポイントの一つです。

 X7iとX7の違いは「比較 キヤノン EOS Kiss X7 vs EOS KissX7i」を見ていただければと思いますが、主な差を列挙すると次の通りです。
  • イメージセンサーや画像処理エンジンは同じ。
  • 連写性能はX7の方が優れているが、連続撮影枚数はX7の方が高い。
  • X7iはバリアングル液晶やステレオマイクを搭載。
  • X7iの内蔵ストロボの方が光量が多い。
  • X7のファインダー倍率はX7iよりも高い。
  • 光学ファインダー使用時のオートフォーカス性能はX7iの方が高い。
  • 動画撮影やライブビュー時のオートフォーカス性能はX7の方が高い。
  • X7iは静音撮影モードを搭載。
  • ボディサイズと重さはX7の方が小さく軽い。
  • インターフェースは、ほぼ同じ。

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 小型デジタル一眼レフの意味

 他社を含め「小型のレンズ交換式カメラはミラーレスカメラが担う」という棲み分けができつつあるように思います。2012年7月にはキヤノンもEOS Mを市場に投入しましたので、この時点で「小型軽量」をセールスポイントとして打ち出したデジタル一眼レフEOS KissX7が登場したことに、意外な感じがしました。しかし、こうした展開は単なる思い付きではなく、キヤノンとしての戦略に基づくものであることも明らかだと思います。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。EOS Mのボディサイズは108.6x66.5x32.3mmなので、EOS KissX7との横幅の違いは8mmとなります。X7とX7iの差16mmと比べると、X7の幅はむしろEOS Mに近いと言えます。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。どちらも液晶パネルは3型104万ドットです。ボディサイズ的には「EOS Mに光学ファインダー部分を乗せたのがEOS KissX7」と言えます。
キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。両機種のボディ厚の差は倍近くなります。このあたりに、デジタル一眼レフでは超えることのできな「壁」を感じます。

 今後、エントリークラスのレンズ交換式カメラ市場に対し、キヤノンとしてどのような方向性で臨むのかは、EOS Mの次にどのようなミラーレスカメラが登場するのかで明らかになると思います。

 ニコンは、デジタル一眼レフとミラーレスとの差別化を、サイズと描写力で行いました。これに対し、キヤノンはミラーレスカメラでも同じ描写性能を確保する路線をとりましたので、逆に言えば一番の違いは「サイズ」となります。今回のEOS KissX7の登場により、ミラーレスからデジタル一眼レフまでをサイズ的にシームレスにつなげていく路線なのかもしれません。

 それでは実際に、キヤノンの最小最軽量デジタル一眼レフ、EOS KissX7の実力をテストしてみます。

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2.キヤノン EOS KissX7を開封し外観をチェック

 キヤノン Canon EOS KissX7を開封する

 キヤノンの新型デジタル一眼レフ、EOS KissX7が発売されました。ボディカラーはX6iやX7iと同様に、ブラックのみとなります。販売形態は、ボディのみ、ボディに新型18-55mm標準ズームレンズがセットになった「18-55 IS STMレンズキット」、これに55-250mm望遠ズームもセットになった「ダブルズームキット」の3つとなります。

 販売開始時点の実売価格は、ボディ単体で7万円弱、「18-55 IS STMレンズキット」は8万円前後、「ダブルズームレンズキット」は10万円前後となっています。

 なお、ほぼ同時に登場したX7iでは、同じ構成となるボディ単体、標準ズームキットでは5000円程度高価で販売されているようです。

 今回は新型STM標準ズームをテストするため、「18-55 IS STMレンズキット」を購入しました。なお、発売開始ということで「EOS Kiss X7 スマイルフォトBOX 2013」が付いてきました。この中には、フォトバックや撮影テクニックBOOK、キャノンフォトサークルウェブ6か月無料体験チケットが入っています。とくにフォトバックは、おまけにしてはかなりしっかりした作りですので、購入される時には確認されることをお勧めします。

Canon EOS KissX7

 Canon EOS KissX7 EF-S18-55 IS STMレンズキットのパッケージ。白いケースにレンズを装着したボディの写真が印刷されています。

Canon EOS KissX7

 ケースを開けると、上段に使用説明書やCD-ROM等が入っています。さらにその下に、カメラ本体やレンズが格納されていました。写真の右側がボディで、左側にある包みが18-55STMレンズとなります。

Canon EOS KissX7

 同梱されていた付属品。左上より使用説明書、ソフトウェア使用説明書、カメラ使用説明書CD-ROM、充電器バッテリーチャージャーLC-E12、バッテリーパックLP-E12、インターフェースケーブル、ワイドストラップEW-300D、ソフトウェアCD-ROMとなります。保証書は国内有効のものですが、ボディ本体とレンズの各々に付属していました。

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 キヤノン Canon EOS KissX7の本体をチェック

Canon EOS KissX7

 ボディ前面。ボディ自体が小型化されたため、マウント口の大きさが目立ちます。外装はX6iと同じタイプの艶消し塗装で、指紋は比較的付きにくいと感じました。

Canon EOS KissX7

 液晶モニター側。X7i/X6iとの違いの一つが液晶モニター可動の有無です。液晶パネル自体はどちらも3型104万ドットで同じです。背面ボタンではSETボタン周辺のボタンが十字キーに変わりましたので、より液晶モニターを使うインターフェースになっています。

Canon EOS KissX7

 ボディ上面。アクセサリーシューにはカバーは装着されていません。モードダイヤルはX7iと同じものとなっています。電子ダイヤルも省略されていない点には好感を持ちました。

Canon EOS KissX7

 ボディ底面。三脚用の穴はレンズ光軸上に置かれています。左側のバッテリー室にはメモリーカードも格納されます。カメラ本体は台湾製。

Canon EOS KissX7

 ボディ左側面には、外部接続端子が置かれています。

Canon EOS KissX7

 ボディ右側面。中央下部に見えるカバーは、ACアダプター使用時にケーブルを出すためのものです。X7i/X6iでは、ボディ右側にメモリーカード挿入口も置かれていました。

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Canon EOS KissX7

 ボディ単体の重量は実測値で368gでした。公表されている仕様は370gですので、やや軽い結果となりました。

Canon EOS KissX7

 バッテリーとメモリーカードを内蔵した重さは実測で404gでした。カードによって異なりますが、仕様上では407gです。

Canon EOS KissX7

 マウント口から覗くとファインダースクリーンが見えます。スクリーン自体は固定式です。その前に見える緩衝材は、クイックリターンミラーを受け止めるものとなります。

Canon EOS KissX7

 ボディ側レンズマウント部。マウントの材質は金属製ですが、バヨネットの爪を固定する部分(黒色)は別部品となっています。ソニーなどでは同様の機種もありましたが、キヤノンでは初の採用となります。

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Canon EOS KissX7

 ペンタ部のCanonロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。

Canon EOS KissX7

 ボディ左肩の機種ロゴ。従来のKissシリーズと同様にロゴ全体が別部品化されています。ロゴの上にあるのは赤目緩和/セルフタイマーランプです。
 その左側には、内蔵ストロボ・ポップアップボタンがあります。電気式のため、電源が入っていないと機能しません。


Canon EOS KissX7

 ボディ下部にあるボタンは絞り込みボタンです。このあたりもX7i/X6iから省略されていません。

Canon EOS KissX7

 グリップ部には全面にゴムが貼付されており、ホールディング性の向上に役立っています。グリップ部にはリモコン受光部も置かれています。

Canon EOS KissX7

 シャッターボタン周辺のメインコントロール部。グリップ自体の張り出しが小型化されたため、シャッターボタンの位置が変わっていますが、ボタンやダイヤル類は基本的にX7i/X6iのものと同じです。

Canon EOS KissX7

 モードダイヤルの基部には、電源スイッチと動画切替スイッチが置かれています。このあたりもX7i/X6iと同じです。

Canon EOS KissX7

 ボディ親指部分のコントロール部。SETボタンにクイック設定ボタンが統合されるとともに、その周辺のボタンが十字キーに置き換えられています。光学ファインダーの右側にあるボタンはライブビュー撮影/動画撮影ボタンです。

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Canon EOS KissX7

 光学ファインダーの右側には視度調整つまみも設置されています。

Canon EOS KissX7

 ファインダー接眼部にはアイカップEfが装着されています。アイピースエクステンダーEP-EX15II等を装着する場合、いったんアイカップを外して間に挟み込むことになります。
 アクセサリーシューの下にある四角はディスプレイオフセンサーで、接眼時に液晶モニターを消灯させるものです。X7で新設された機能ですが、設定でOFFにすることも可能です。


Canon EOS KissX7

 取り外したアイピースカップEf。プラスティック部品にゴムが装着されています。

Canon EOS KissX7

 アイピースカップEfの裏側。爪で固定する構造となっています。

Canon EOS KissX7

 光学ファインダー内。下部に情報が表示され、ファインダースクリーン上には合焦点がインポーズ表示されます。合焦した瞬間に赤く点灯します。

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Canon EOS KissX7

 ボディ左肩にあるMENUボタンとINFO.ボタン。これもX7i/X6iと同じです。

Canon EOS KissX7

 ボディ左肩には、モノラルマイク(左側)とスピーカー用の穴が開いています。X7i/X6iにはステレオマイクが内蔵されていますので、この点はX7との違いです。

Canon EOS KissX7

 ボディ左側面にある外部接続端子カバーの内側。上から外部マイク入力端子、リモコン端子(RS-60E3に対応)、映像/音声出力・デジタル端子、HDMIミニ出力端子となります。

Canon EOS KissX7

 ボディ下部のバッテリー室カバーを開いた状態。カバーは前側に開く形式です。蓋部分にはカードとバッテリーの挿入ガイダンスが刻印されています。

Canon EOS KissX7

 バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶側となります。

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Canon EOS KissX7

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。ボディサイズの割に照射位置は高くなっています。

Canon EOS KissX7

 液晶モニターに情報を表示させた状態。左上にあるINFO.ボタンで表示内容を切り替えます。

Canon EOS KissX7

 ライブビューモード時。ヒストグラムは表示させないことも可能です。

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 キヤノン Canon EOS KissX6iと比較

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。X6iの外形はX7iと同じですので、両機種を比較してみました。サイズは一回り違うだけでなく、ボタンやダイヤル類は同じように置かれていることがポイントだと思います。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。液晶モニター側のボタン類では、SETボタン周辺のボタンが十字キーに変わりましたので、より液晶モニターを使うインターフェースになっています。液晶パネルはどちらも3型104万ドットのタッチパネルですが、X6i/X7iはバリアングル稼働可能です。
 なお、X7にはファインダー接眼部の上にディスプレイオフセンサーが新設されています。


Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。大きな違いは、X6i/X7iにはアクセサリーシューの前にステレオマイクが内蔵されている点です。また、グリップ部の形状も変わっています。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。X7では外部接続端子は1箇所にまとめられています。高さやボディ厚も一回り違います。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。グリップ部をはじめボディ全体のボリューム感に違いがあります。

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Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。X6i/X7iではボディ右側に単独でメモリーカードスロットが置かれていますが、X7ではバッテリー室内に設けられています。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。内蔵ストロボのポップアップ位置はX6i/X7iの方が高くなっています。GNはX7の9.4に対し、X6i/X7iでは13と発光量も多くなります。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。X6i/X7iの方が発光位置が高いことがわかります。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。内蔵ストロボの発光位置を比較したもの。なお、X6i/X7iでは左手側グリップ部にもゴムが貼付されています。

Canon EOS KissX7

 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。どちらも同じ液晶パネルで、タッチ対応しています。

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Canon EOS KissX7

 同じようにコンパクトなソニーα55との比較。α55はトランスルーセントミラーを使っていますので厳密にはデジタル一眼レフではありませんが、正面からみたサイズは似ていることがわかります。サイズはX7の116.8×90.7×69.4mmに対し、α55は124.4x92x84.7 mmと、幅7.6mm、高さ1.3mmの違いがあります。

Canon EOS KissX7

 同じようにα55と比較したもの。α55はバリアングル液晶を搭載していることもあり、ボディ部分の厚さにも差があります。

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 キヤノン Canon EOS KissX7の付属品をチェック

Canon EOS KissX7

 充電器バッテリーチャージャーLC-E12。バッテリーパックLP-E12の充電には最大で2時間かかります。

Canon EOS KissX7

 充電器バッテリーチャージャーLC-E12のコンセントプラグ部分は回転するため、可搬性の面で優れています。

Canon EOS KissX7

 バッテリーパックLP-E12。容量は7.2V 875mAhです。静止画で約380枚、動画では1時間5分の撮影が可能です。なお、このバッテリーパックはEOS Mでも採用されています。

Canon EOS KissX7

 インターフェースケーブル。パソコンやプリンター等との接続に使用します。

Canon EOS KissX7

 付属するワイドストラップEW-300D。高級感はそれほどありませんが、しっかりとしたつくりです。

Canon EOS KissX7

 付属するカメラカバーR-F-3。EFマウント機種共通の付属品です。

Canon EOS KissX7

 ボディとの接続にはマウント部分の爪を活用します。

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3.キヤノン EOS KissX7の描写性能はどうか?

 描写力チェック1:高感度性能

 キヤノン EOS KissX7の基本感度はISO100で、静止画では標準でISO12800まで設定可能となっています。さらに、拡張設定では静止画でISO25600相当まで、動画ではISO12800相当まで拡げることができます。なお、拡張設定はメニュー内の「カスタム機能」の中の「ISO感度拡張」を「0:しない」から「1:する」に変えることで行います。

 ノイズ低減処理方法としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法とがあります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。

 カメラ内でのノイズ低減は、「高感度撮影時のノイズ低減」と「長秒時露光のノイズ低減」の2つがあります。どちらも、撮影メニューの中で設定します。

 「高感度撮影時のノイズ低減」は「OFF」、「弱め」、「標準」、「強め」の4段階を設定できます。「強め」にした場合、処理の負荷がかかるため連続撮影枚数が少なくなることに注意が必要です。初期状態では「標準」に設定されています。

 また、「高感度撮影時のノイズ低減」では「マルチショットノイズ低減機能」を選択することもできます。この場合、4枚を連続撮影し、カメラ内で自動的に1枚のJPEG画像を作成します。なお、RAWまたはRAW+JPEGのモード時には設定できません。

 「長秒時露光のノイズ低減」は、「OFF」と「AUTO」、ON」のどれかに設定します。「ON」に設定すると1秒以上のシャッター速度で撮影したときに長秒時ノイズ低減処理がかかります。長秒時ノイズ低減処理を行うと、画像を記録するのにかかる時間が長くなります。「OFF」にした場合には、長秒時ノイズ低減処理はかかりません。「AUTO」にすると、1秒以上のシャッター速度で撮影した画像に長秒時露光特有のノイズが検出されたときにノイズ低減処理がかけられます。初期設定では「OFF」になっています。

 EOS KissX7では、高感度ノイズ低減処理を「OFF」にしても、ISO1600まではほとんどノイズを感じません。ISO3200あたりから、暗部を中心にややノイズが目立ってきますが、1段分高感度側のISO6400でも十分実用的であると感じました。ISO12800以上になると、さすがに等倍画像ではノイズや解像感の低下が目立ってきますが、画像自体は破たんしていないため縮小するなど工夫すれば活用できると思います。

 高感度ノイズ低減処理を「標準」にすると、1~2段程度ノイズ感が低減されます。解像感は低下しますが、ISO12800でもそれなりに使えるレベルとなります。ノイズ低減を「強め」にすると、ノイズ感はさらに改善されるものの、解像感の低下もやや目立ちました。

 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「OFF」、「標準」、「強め」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。

SONY_ANEX-7
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO100(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO200(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO400(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO800(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO1600(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO3200(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO6400(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO12800(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

ISO25600相当(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7Canon EOS KissX7

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 描写力チェック2:解像度

 Canon EOS KissX7のイメージセンサーは有効1800万画素です。今回テストに使用したEF-S18-55F3.5-5.6 IS STMは、基本的に絞り開放から優れた解像感を示しました。

 今回のテストでは、開放から2段絞ると、周辺部を含め解像力が向上したため、F7.1のもので確認を行いました。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、余裕をもって2500本ラインの識別が可能であり、イメージセンサーの画素数を活かしていると感じました。

  レンズ名:EF-S 18-55mmF3.5-5.6 IS STM
 焦点距離:18mm (35mm換算 約29mm)
 絞り値:F7.1 (開放絞りF3.5から2段絞った状態)
 使用チャート:ISO12233準拠チャート


(下図は、図の赤枠の部分を等倍で切り出したもの。)

Canon EOS KissX7
 限界解像度チェック用のラインでは、2500本まで楽々と視認できています。モアレもほとんど発生していません。

Canon EOS KissX7
 横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本域まで余裕をもって視認できています。
Canon EOS KissX7
 参考まで、左上部分を切り出してみました。レンズ補正機能は切ってありますが、F7.1でも鮮明な画像となっています。

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 描写力チェック3:レンズ光学補正機能

 キヤノンEOS KissX7には、レンズの特性による収差を軽減する機能があります。撮影メニューの中にある「レンズ光学補正」がそれで、「周辺光量補正」と「色収差補正」の各々について「ON」と「OFF」のどちらかに設定できるようになっています。これらの補正はJPEGに対してかけられますので、RAWファイルについては付属のソフトウェア「Digital Photo Professional」を使って補正します。

 対応しているのは、補正データが登録されているレンズのみで、初期状態では25本分のレンズが登録されています。未登録レンズの補正情報をカメラに登録することも可能です。

 テストに用いたのは、EF-S18-55mmF3.5-5.6 IS STMとEF-S18-55mmF3.5-5.6 IS IIの2本で、後者は広角端の18mm域で確認をしました。なお、STMレンズの補正比較はEF-S18-55mmF3.5-5.6 IS STMをご覧ください。

 テストした結果、レンズ光学補正機能で良好に補正されることが確認できました。

 どちらのレンズも、廉価タイプの標準ズームレンズとしては、それほど強い周辺光量不足や色収差があるわけではありませんが、とくに広角端ではきれいに補正されています。

EF-S 18-55mmF3.5-5.6 IS STM
焦点距離18mm
(左から「オフ」「オン」)

Canon EOS KissX7 Canon EOS KissX7

EF-S 18-55mmF3.5-5.6 IS II
焦点距離18mm
(左から「オフ」「オン」)

Canon EOS KissX7 Canon EOS KissX7

Canon EOS KissX7
 画像左上:レンズ光学補正なし
 (レンズ:EF-S 18-55mmF3.5-5.6 IS STM 18mm F3.5

Canon EOS KissX7
 画像左上:レンズ光学補正あり
 (レンズ:EF-S 18-55mmF3.5-5.6 IS STM 18mm F3.5

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 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数

 仕様上で見ると、キヤノン EOS KissX7の連写性能は、
  • 連続撮影:4コマ/秒
  • 静音撮影:2.5コマ/秒
となっており、同様に連続撮影可能枚数は、
  • JPEG(ラージ/ファイン):28枚(キヤノン環境で1140枚)
  • RAW:7枚(同8枚)
  • RAW+JPEG(ラージ/ファイン):4枚(同4枚)
です。
  • JPEG(ラージ/ファイン)では、カード容量一杯まで連写。
  • RAWでは、9枚の連写後、0.6~0.7秒ごとに1枚のペースでカード容量一杯まで連写。
  • RAW+JPEG(ラージ/ファイン)では、5枚の連写後、0.9秒ごとに1枚のペースでカード容量一杯まで連写。
といった速度でカード容量一杯まで無限連写が可能でしたので、実用上はかなりのシーンをカバーできるかもしれません。

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4.結局、キヤノン EOS KissX7は「買い」か?

 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 現時点ではAPS-Cクラス最高レベルの描写力。
  • 新たに搭載した1.3Xクロップモードにより、撮影の幅を拡大。
  • 標準でISO6400、拡張ではISO25600相当まで設定可能な高感度性能(ISO3200までは十分常用可能) 。
  • 有効2410万画素とローパスレスによる高い解像感。
  • 前機種より高速化されたライブビューモードでのAF。
  • 視野率100%、倍率0.94倍のファインダー。
  • 強化されたオートフォーカス性能。
  • モーター非内蔵AFレンズでもオートフォーカス可能。Aiレンズもマニュアルで使用可能。
  • 大型化・高輝度化で視認性が向上した液晶モニター。
  • 950コマ(連写では3550コマ)撮影可能なバッテリー機能。
  • フルHDで60fpsに対応し、内蔵マイクもステレオ化。
  • カメラ内の編集機能を強化。
  • 防塵防滴性能、ボディ上面の液晶パネルなど、上級機にふさわしい基本性能。

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • 5コマ/秒にとどまる連写性能。(D7000は6コマ/秒)
  • 6コマにとどまる連続撮影可能枚数。(D7000は10コマ。いずれも14bitRAWロスレス圧縮時。)※注1
  • アイピースシャッターは非内蔵。
  • 固定式の液晶モニター。(このクラスではやむをえない?)

※注1:14bitRAWロスレス圧縮+JPEG Fineで撮影すると、DXモードでは1コマ/0.8秒、1.3Xクロップモードでは1コマ/0.4秒での無限連写が可能でした。

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付録1.製品仕様からみた EOS KissX7の特長

記録媒体  SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード
撮像画面サイズ  約22.3×14.9mm
使用レンズ  キヤノンEFレンズ群(EF-Sレンズを含む)
(有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.6倍に相当)
撮像素子  有効約1800万画素CMOSセンサー
 アスペクト比 3:2
 ※EOS KissX7iも同じ。
ダスト除去機能  自動/手動/ダストデリートデータ付加
記録フォーマット  DCF 2.0
 JPEG、RAW(14bit、キヤノン独自)RAW+JPEG同時記録可能
記録画素数  L(ラージ):約1790万(5184×3456)画素
 M(ミドル):約800万(3456×2304)画素
 S1(スモール1):約450万(2592×1728)画素
 S2(スモール2):約250万(1920×1280)画素
 S3(スモール3):約35万(720×480)画素
 RAW(ロウ):約1790万(5184×3456)画素
ピクチャースタイル  オート、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3
表現セレクト機能  雰囲気を選んで撮影する、明かりや状況にあわせて撮影する
ホワイトバランス  オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能
ノイズ低減  長秒時露光、高感度撮影に対応可能
画像の明るさ自動補正  オートライティングオプティマイザにより対応
高輝度側・階調優先  可能
レンズ光学補正  周辺光量補正、色収差補正
クリエイティブフィルター  ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、油彩風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風
ファインダー  ペンタダハミラー使用、アイレベル式
 ※EOS KissX7iも同じ
視野率  上下/左右とも約95%(アイポイント約19mm時)
 ※EOS KissX7iも同じ
倍率  約0.87倍(50mmレンズ・∞・-1m–1
 ※EOS KissX7iは約0.85倍
アイポイント  約19mm(-1m–1時/接眼レンズ中心から)
視度調整範囲  約-3.0~+1.0m–1(dpt)
フォーカシング
スクリーン
 固定式、プレシジョンマット
オートフォーカス  TTL二次結像位相差検出方式
測距点  9点AF(中央クロス測距、F2.8 対応・縦線検出)
 ※EOS KissX7iは9点全点F5.6対応・クロス測距(中央F2.8対応・斜めクロス測距)
輝度範囲  EV-0.5~18(常温・ISO100)
 ※EOS KissX7iも同じ
フォーカスモード  ワンショットAF、AIサーボAF、AIフォーカスAF、手動(MF)
AF補助光  内蔵ストロボ間欠発光方式
測光方式  63分割TTL開放測光
 評価測光(すべてのAFフレームに対応)
 部分測光(中央部・ファインダー画面の約9%)
 スポット測光(中央部・ファインダー画面の約4%)
 中央部重点平均測光
 ※EOS KissX7iも同じ
測光範囲  EV 1~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100)
 ※EOS KissX7iも同じ
露出制御方式  プログラムAE(シーンインテリジェントオート、ストロボ発光禁止、クリエイティブオート、ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、夜景ポートレート、プログラム)、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、自動深度優先AE
ISO感度  かんたん撮影ゾーン:ISO 100~6400自動設定
 応用撮影ゾーン:ISO100~12800任意設定(1段ステップ)、ISO100~6400自動設定、および「H」(ISO25600相当)の感度拡張が可能
 ※EOS KissX7iも同じ
露出補正  手動:1/3、1/2段ステップ±5段 AEB:1/3、1/2段ステップ±2段(手動露出補正との併用可能)
AEロック  自動:ワンショットAF・評価測光時、合焦と同時にAEロック
 手動:AEロックボタン押しによる
シャッター  電子制御式、フォーカルプレーンシャッター
シャッター速度  1/4000~1/60秒(シーンインテリジェントオートモード)
 ストロボ同調最高シャッター速度=1/200秒
 1/4000~30秒、バルブ(すべての撮影モードを合わせて)
 ※EOS KissX7iも同じ
内蔵ストロボ  リトラクタブル式、オートポップアップストロボ
 ガイドナンバー約9.4(ISO 100・m)
 焦点距離約18mm相当の画角に対応、充電時間約3秒
 ※EOS KissX7iはGN13
外部ストロボ  EXシリーズスピードライト(カメラ側操作で機能設定可能)
調光方式  E-TTL II 自動調光
ストロボ調光補正  1/3、1/2段ステップ±2段
FEロック  可能
シンクロ端子  なし
ドライブモード  1枚撮影、連続撮影、静音1枚撮影、静音連続撮影、セルフタイマー10秒/2秒/10秒後連続撮影
連続撮影速度  最高約4コマ/秒
 静音連続撮影:最高約2.5コマ/秒
 ※EOS KissX7iは5コマ/秒。静音撮影機能はなし
連続撮影可能枚数  JPEGラージ/ファイン:約28枚
 RAW:約7枚
 RAW+JPEGラージ/ファイン:約4枚
 ※EOS KissX7iは、22枚、6枚、3枚
ライブビュー撮影機能  アスペクト比切り換え 3:2、4:3、16:9、1:1
フォーカス  ハイブリッド CMOS AF II方式
 ※EOS KissX7iはハイブリッドCMOS AF方式
測光方式  撮像素子によるリアルタイム測光
測光範囲  EV 0~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100)
クリエイティブ
フィルター
 ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、油彩風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風
動画撮影機能  MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式
 リニアPCM
 MOV形式
記録サイズ
フレームレート
 1920×1080(Full HD):30p/25p/24p
 1280×720(HD):60p/50p
 640×480(SD):30p/25p
 30p:29.97fps、25p:25.00fps、24p:23.976fps、
 60p:59.94fps、50p:50.00fps
(60p/50p、30p/25pはビデオ出力方式によって切り換え)
 ※EOS KissX7iも同じ。
ファイルサイズ  1920×1080(30p/25p/24p):約330MB/分
 1280×720(60p/50p):約330MB/分
 640×480(30p/25p):約82.5MB/分
フォーカス方式  ハイブリッド CMOS AF II方式
 手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大確認可能)
測光方式  撮像素子による中央部重点平均測光、および評価測光
測光範囲  EV 0~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100)
露出制御  動画撮影用プログラムAE(露出補正可能)、マニュアル露出
露出補正  1/3段ステップ±3段(静止画±5段)
ISO感度  自動露出撮影時:ISO100~6400自動設定
 マニュアル露出時:ISO100~6400自動/任意設定
 H(ISO12800相当)の感度拡張が可能
ジオラマ風動画  可能
ビデオスナップ  2秒間/4秒間/8秒間から設定可能
録音  内蔵モノラルマイク、外部ステレオマイク端子装備、録音レベル調整可能、ウィンドカット機能あり、アッテネーター機能あり
グリッド表示  2種類
動画編集  シーン前後カット可能(約1秒単位)
液晶モニター  TFT式カラー液晶モニター 静電容量方式
画面サイズ/ドット数  ワイド3.0型(3:2)/約104万ドット
 ※EOS KissX7iも同じ。
明るさ調整  手動(7段階)
メニュー表示言語  日本語、英語、簡体字中国語
再生機能  1枚表示、1枚+情報表示(簡易情報、撮影情報、ヒストグラム)、インデックス表示(4/9/36/100枚)、画像回転可能
拡大ズーム倍率  約1.5~10倍
画像表示検索  1枚/10枚/100枚/撮影日/フォルダー/動画/静止画/レーティング
ハイライト警告  ハイライト部分点滅表示
動画再生  可能(液晶モニター、映像/音声出力、HDMI出力)、スピーカー内蔵
BGM選択  スライドショー、動画再生時に選択可能
クリエイティブ
フィルター
 ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、トイカメラ風、ジオラマ風
撮影後のリサイズ
トリミング
 可能
ダイレクトプリント  JPEG画像、RAW画像で対応可能
カスタマイズ機能  8種 マイメニュー登録可能
インターフェース  アナログ映像(NTSC、PAL対応)/ステレオ音声出力
パソコン通信、ダイレクトプリント用(Hi-Speed USB相当)、GPSレシーバーGP-E2接続
HDMIミニ出力端子  タイプC(解像度自動切り換え)、CEC対応
外部マイク入力端子  φ3.5mmステレオミニジャック
リモコン端子  リモートスイッチRS-60E3用
ワイヤレスリモコン  リモートコントローラーRC-6に対応
Eye-Fiカード  対応
使用電池  バッテリーパックLP-E12、1個
 ACアダプターキット ACK-E15使用により、AC駆動可能
撮影可能枚数の目安  ファインダー撮影:常温(23℃)約380枚/低温(0℃)約350枚
 ライブビュー撮影:常温(23℃)約150枚/低温(0℃)約140枚
 ※EOS KissX7iは440枚/180枚(23℃時)
動画撮影可能時間  常温(23℃):合計約1時間5分
 低温(0℃):合計約1時間
 ※EOS KissX7iは約1時間40分(23℃時)
大きさ  約116.8(幅)×90.7(高さ)×69.4(奥行)mm
 ※EOS KissX7iは133.1×99.8×78.8mm
質量  約370g(本体のみ)
 約407g(CIPAガイドラインによる)
 ※EOS KissX7iは525g/580g
動作環境  0℃~+40℃、85%以下

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付録2.発売前のファーストレビュー

【一口コラム】 最小最軽量のデジタル一眼レフ

 キヤノンから新型デジタル一眼レフが2機種登場しました。EOS Kiss X6iのブラッシュアップモデルであるEOS Kiss X7iと、小型軽量化した新モデルEOS Kiss X7です。キヤノン自ら「世界最小・最軽量のデジタル一眼レフカメラ」と謳うだけに、コンパクトさが目を引きます。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X6i
 EOS KissX7(左側)とEOS KissX6i(右側)。サイズはEOS Kiss X6iの133.1x99.8x78.8 mmに対し、EOS KissX7は116.8x90.7x69.4 mmと一回り以上小型です。重さも575g対407gと、実に約168gの差となっています。

 EOS KissX7のコンパクトさは、同じキャノンのミラーレスカメラEOS Mと比較すると、より明らかになります。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。EOS Mのサイズは108.6x66.5x32.3 mmなので、EOS KissX7との横幅の違いは8mmです。X7とX6iの差16mmと比べると、むしろ幅はEOS Mに近いと言えます。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。どちらも液晶パネルは3型104万ドットです。サイズ的には、EOS Mに光学ファインダー部分を乗せたのがEOS KissX7と言えます。
キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS M
 EOS Kiss X7(左側)とEOS M(右側)。ボディ厚の差は倍近くなります。デジタル一眼レフとミラーレスカメラの構造上の違いを感じます。

 EOS Kiss X7には、次のような特徴があります。
  • イメージセンサーは有効1800万画素APS-CサイズCMOSで、EOS KissX6iやEOS Kiss X7iと同じものです。
  • 連写性能は、EOS Kiss X6i/X7iの5コマ/秒に対し、EOS Kiss X7は4コマ/秒。
  • 連続撮影枚数は、EOS Kiss X6i/X7iの6コマに対し、EOS Kiss X7は8コマ。(RAW時)
  • 光学ファインダーの視野率は同じですが、倍率は0.85倍に対して0.87倍とわずかに大きい。
  • オートフォーカスは、X6iは9点全点クロス測距F5.6対応、X7iは9点全点クロス測距F2.8対応に対し、X7は9点中央のみクロス測距F2.8対応となっており、やや下回る。
  • 内蔵フラッシュは、X6i/X7iのGN13に対し、X7はGN9.4。
  • ボディサイズは、X6i/X7iの133.1x99.8x78.8 mmに対し、X7は116.8x90.7x69.4 mm。
  • 重さもX6iの575g、X7iの580gに対し、X7は407g。
  • シャッターは30~1/4000秒と同じものの、新たに静音撮影にも対応。
  • シーンモードやクリエイティブモードでの撮影も強化。

 今回同時に発表となったEOS Kiss X7iとの比較表は次の通りです。

【キヤノン EOS Kiss X7とX7iの比較】

機種名 EOS Kiss X7 EOS Kiss X7i
イメージセンサー 有効1800万画素
APS-C型CMOS
有効1800万画素
APS-C型CMOS
ファインダー ペンタダハミラー
視野率95%、倍率0.87
ペンタダハミラー
視野率95%、倍率0.85
ISO感度 ISO100-12800
(拡張でISO25600まで)
ISO100-12800
(拡張でISO25600まで)
シャッタースピード 30-1/4000秒
シンクロ同調1/200秒まで
30-1/4000秒
シンクロ同調1/200秒まで
液晶モニター 3型104万ドット 3型104万ドット
連写速度 4コマ/秒(RAWで8コマ) 5コマ/秒(RAWで6コマ)
動画撮影 1920 X 1080(30p) 1920 X 1080(30p)
付加機能 ストロボ内蔵 ストロボ内蔵
バッテリー LP-E12
350枚
LP-E8
400枚
サイズ
(W x H x D)
116.8x90.7x69.4 mm 133.1x99.8x78.8 mm
重さ
(含カード、電池)
407g/370g 580g/525g

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X6i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X6i(右側)。マウント部分は同じですが、外形はX6iをそのまま縮小したような形状をしています。

キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X6i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X6i(右側)。どちらも液晶パネルは3型104万ドットですが、X6iはバリアングル液晶となっています。タッチパネルにも対応しています。ボタン類はX7iのクイックボタンがSETボタンに統合されるとともに、その周りのボタンが十字キーに置き換えられています。
キヤノン EOS Kiss X7 キヤノン EOS Kiss X6i
 EOS Kiss X7(左側)とEOS Kiss X6i(右側)。ボディ上面の電子ダイヤルも搭載されています。サイズが小型化されたことで、シャッターボタン周りのグリップ部形状が変わっています。

 今回発表されたEOS KissX7の魅力は、やはり機能や性能を省略することなく、大幅にボディを小型軽量化した点です。発売は4月下旬の予定で、販売店の価格はボディ単体で7万2千円前後、新設計の18-55mmSTMレンズキットが8万円前後、ダブルズームキットが11万円弱となっています。2012年6月発売のX6iとはキットとなるレンズが若干違いますが、やや廉価でのスタートとなっています。

※新設計となったEF-S18-55mmF3.5-5.6 IS STMについては、EOS Kiss X7iの記事もご参照ください。

(2013年 3月25日 記)

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 独断 デジカメ対決! どっちが良い? 


☆ vs キヤノン EOS KissX7i
☆ vs ニコン D3200

 

【厳選レビュー記事】

◎デジカメWatch 写真で見るキヤノンEOS Kiss X7

  2013年 3月21日 編集部
  • APS-C一眼レフ最小最軽量。EOS Kiss X7iとの比較も
  • ボディのみの重量は、おおよそ500g前後のエントリー一眼レフの相場を下回る約407g(バッテリー、記録メディア込み)。
  • 撮像素子の有効画素数は約1,800万。感度はISO100-12800(拡張でISO25600相当)が設定可能。
  • モードダイヤルや前ダイヤルといった操作部を省略していない。

◎ITmedia 写真で見る、世界最小最軽量デジタル一眼レフ「EOS Kiss X7」

  2013年 3月21日 編集部
  • 基本的なデザインは歴代の「EOS Kiss X」を踏襲しながら、そのまま小型化したようなデザイン。
  • メニュー画面も既存EOS Kiss Xシリーズをほぼ踏襲。
  • ボタン類など操作インタフェースに大きな変更は行われていない。

◎デジカメWatch キヤノン、APS-Cデジタル一眼レフで世界最小の「EOS Kiss X7」

  2013年 3月21日 編集部
  • 4月下旬に発売。店頭予想価格は、ボディのみが約8万円前後、「EOS Kiss X7・EF-S18-55 IS STMレンズキット」が約9万円前後、「EOS Kiss X7・ダブルズームキット」が約12万円前後。
  • より一層の小型ボディを実現したデジタル一眼レフカメラ。
  • ライブビュー撮影時の撮像面AF可能範囲が大幅に広がった。
  • エントリークラス初の静音撮影が可能。
  • ボディ以外のX7とX7iの主な違いは、液晶モニターとAFセンサー。


【キヤノン EOS Kiss X7 基本仕様】
画素数 1800万(有効) 画像素子  APS-C 約22.3×14.9mm
CMOS
ISO感度 100~12800
(拡張でISO25600)
 
記録フォーマット  JPEG/RAW(14bit) 
連写撮影 4 コマ/秒  シャッタースピード 1/4000~30 秒 
液晶モニター 3型 104万ドット
タッチパネル 
ファインダー形式  ペンタダハミラー
ファインダー視野率(上下/左右) 95/95 ファインダー倍率 0.87
電池タイプ 専用電池  専用電池型番 LP-E12
撮影枚数 350コマ レンズマウント キヤノンEFマウント 
記録メディア SDHCカード SDカード SDXCカード   
手振れ補正機能   ゴミ取り機能 
ライブビュー   バリアングル 
内蔵フラッシュ   RAW+JPG同時撮影 
動画撮影 1920x1080(30p)
幅x高さx奥行き 116.8x90.7x69.4 mm  本体重量 407g/370g
セット販売 EF-S18-55 IS STM レンズキット
ダブルズームキット(EF-S18-55 IS STM+ EF-S55-250)

 キヤノン EOS Kiss X7 メーカー製品仕様のページ
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