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特集 キヤノン EOS M2

キヤノン EOS M2 ~オートフォーカス等を機能強化した二代目

キヤノン EOS M2  by Inaba Kunio    オートフォーカス等の機能を強化した二代目ミラーレスカメラ  評価:5.0
キヤノン  EOS M2 Canon


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1.キヤノン EOS M2の位置づけと概要


 オートフォーカスを強化した二代目ミラーレス

 キヤノンは2012年9月にミラーレス市場に参入しました。記事「ミラーレスカメラの仕組みと選び方」にも記載しました通り、キヤノンのミラーレスカメラの主な特徴は次の通りです。
  • 好調なデジタル一眼レフを補完するシステムとして展開。
  • イメージセンサーも同等のASP-Cサイズを採用。
  • 新型EF-Mマウントはマウントアダプター経由でEFマウントと完全互換に。
  • 手ぶれ補正もレンズ側で実現。
 一言で言えば、デジタル一眼レフでは限界がある「小型サイズ化ニーズ」に対応するものとしてミラーレスカメラを位置付けているものと思われます。そのため、レンズマウントは異なりますが、マウントアダプターを介することでシームレスにすべてのEF資産を活用できるようになっています。キヤノンがミラーレス市場に参入後すでに1年半が経過しようとしていますが、今のところ専用レンズは3本だけで、いずれもミラーレスシステムでコンパクト化が容易な広角側の焦点域をカバーしているのも、こうした戦略から導かれているのかもしれません。

 →発売前の記事一口コラム:機能強化した二代目のミラーレス


キヤノン EOS M

2012年9月に登場した初代EOS M。描写性能はEOS KissX7i/X6i(レビュー)と同等です。

 今回登場したEOS M2は、初代EOS M(製品レビュー)から次のような進化をしています。
  • イメージセンサーの画素数は同じ有効1800万画素ですが、EOS KissX7(製品レビュー)相当のものが搭載されています。
  • 画像処理エンジンはDIGIC5で同じです。
  • オートフォーカスは「ハイブリッド CMOS AF」から、EOS KissX7と同じ「ハイブリッド CMOS AF II」に進化しており、ファームウェアをアップデートしたEOS Mよりもさらに最大2.3倍高速化しています。
  • 同時に、コントラスト方式と位相差方式を組み合わせた「ハイブリッド CMOS AF」が有効となるエリアは、EOS Mの画面の38%x26%から、EOS M2では80%x80%へと約6.5倍に拡がっています。
  • 連写速度は、最高4.3コマ/秒から4.6コマ/秒に高速化されました。
  • 連続撮影可能枚数は、RAWで6コマだったものが5コマへとわずかながら低下しています。RAW+JPEGは3枚とおなじですが、JPEG(Fine L)については16コマから15コマに減っています。
  • 動画性能はフルHD(30p)と同じです。
  • 新たにWi-Fiを搭載しています。スマートフォン等によるリモート操作にも対応。
  • ボディはわずかながらさらにコンパクトになり、ボディ体積・重さとも約8%小型軽量化されました。
 こうしてみるとEOS M2は、デジタル一眼レフEOSシリーズを補完するカメラとして、さらに特長を際立たせたミラーレスに進化したと言えそうです。

EOS M2のイメージセンサー

 EOS M2に搭載された新型イメージセンサー。像面位相差素子がカバーする面積を6.5倍に広げるとともに、オートフォーカススピードも最大2.3倍高速化しています。実際に比較してみると、その違いは明らかでした。AF速度はEOS Mの最大のウィークポイントでしたので、きちんと対応されたことに好感を持ちました。



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 EOS M2の魅力は?

 EOS Mが登場した時、キヤノンとしてのミラーレスカメラ戦略は、まだ十分クリアーではなかったように思います。その後、1年半の経過を踏まえてEOS M2がリリースされたことで、他社とは異なる方向性がかなり明確になったように思います。同じくデジタル一眼レフで圧倒的なシェアを獲得しているニコンとも異なる戦略であり、これからの推移が注目されます。

 今回、EOS M2を試してみて実感したのは、オートフォーカス速度をはじめとする「EOS Mで気になった点」を丁寧に対応しており、単にコンパクトカメラからのステップアップ用としてだけでなく、EOSデジタル一眼レフのサブカメラとしての魅力も高まったということです。このコンパクトさを維持しつつ、電子ビューファインダーにも対応したカメラが登場すれば、キヤノンのミラーレスシステムとしては十分なラインアップとなるかもしれません。少なくとも、デジタル一眼レフの市場が維持されている間については。

キヤノン Canon EOS M2

 細かい点ですが、モードダイヤルの項目が増え、P、Av、Tv、Mの設定がわかりやすくなったことで、「デジタル一眼レフのサブカメラ」としての使い勝手も向上させています。



 それでは、キヤノンの二代目ミラーレスカメラ、EOS M2の実力をテストしてみたいと思います。


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2.キヤノン EOS M2を開封し外観をチェック


 キヤノン EOS M2を開封する

 キヤノンのEOS M2は、2012年9月に登場したEOS M(製品レビュー)の2代目となります。オートフォーカス性能の強化やWi-Fiの搭載など、着実に進化していますので登場を待ち望んでいた方も多いと思います。

 キヤノンのミラーレスは、現時点ではこの2機種だけですが、噂では電子ビューファインダーを内蔵した上位機種も準備が進められているようですので、徐々にラインアップも揃っていくものと期待されます。

 EOS Mのボディカラーは、当初はブラック、ホワイト、シルバー、レッドの4種類でしたが、その後ベイブルーが追加されて計5色が揃えられていました。これに対し、EOS M2はブラックとホワイトの2色ですので、少々さびしい気もします。その代り、2013年7月に登場した広角ズームEF-M11-22mmを追加したトリプルレンズキットが追加されています。

 今回の評価機は、ダブルレンズレンズキットのブラックを購入いたしました。

Canon EOS M2

 EOS M2ダブルレンズキットのパッケージ。基本的なデザインはEOS Mのものと同じで、パッケージ表面にはボディやレンズ等の付属品が印刷されています。ダブルレンズキットやトリプルレンズキットには、スピードライト90EXやマウントアダプター EF-EOS Mも同梱されていますので、お買い得感が高いと思います。

Canon EOS M2

 蓋を開けると、トレイの上に保証書や使用説明書等が載せられています。このあたりもEOS Mと同じです。

Canon EOS M2

 トレイの下には、カメラ本体やレンズ等が格納されています。写真の右下がボディ本体、左側に2本のレンズ、右上はスピードライト90EXです。ボディとスピードライトの下にバッテリー等の付属品が入っています。

Canon EOS M2

 同梱されている使用説明書。使用説明書(基本編)とWi-Fi機能使用説明書(基本編)が冊子で同梱されており、これ以外にもデータの形で使用説明書とWi-Fi機能使用説明書がデータの形で同梱されていました。ちなみに、使用説明書(基本編)は116ページ、Wi-Fi機能使用説明書(基本編)は36ページであるのに対し、使用説明書は364ページ、Wi-Fi機能使用説明書は138ページとなっています。

Canon EOS M2

 付属品。左上からカメラ使用説明書CD-ROM、ソフトウェアCD-ROM、ソフトウェア使用説明書CD-ROM、バッテリーチャージャーLC-E12、バッテリーパックLP-E12、インターフェースケーブル、ネックストラップEM-100DB。このあたりもEOS Mと同じです。


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 キヤノン EOS M2の本体をチェック

Canon EOS M2

 EOS M2ブラックモデルのボディ前面。ボディサイズはEOS Mよりも僅かながら小さくなっています。レンズマウントの両側上部にステレオマイクが移設されています。

Canon EOS M

 EOS Mのボディ前面。基本的にはEOS M2と同じデザインですが、リモコン受光部の形状やEOSのロゴの処理が異なっています。

Canon EOS M2

 EOS M2の液晶モニター側。液晶モニターはEOS Mと同じ3型104万ドットでタッチ操作に対応しています。パネルのアスペクト比はイメージセンサーと同じ3:2となります。右側にある操作部の外周リングは電子ダイヤルで、これがEOS M2唯一のダイヤルとなります。基本的なインターフェースは、コンパクトカメラのステップアップユーザーを想定しているのだと思われます。

Canon EOS M

 EOS Mの液晶モニター側。ボタンの配置を含め、EOS M2と同じです。液晶モニターも同じものが搭載されています。

Canon EOS M2

 EOS M2のボディ上面。レンズ光軸上にアクセサリーシューが置かれています。シャッターボタンの同軸にモードダイヤルが置かれています。EOS Mでは「静止画」が「簡単撮影モード」と「応用撮影モード」の2つに分離されています。また、Wi-Fiの搭載に伴うインジケーターランプが新設されました。

Canon EOS M

 EOS Mのボディ上面。上面左側にステレオマイクが置かれています。モードダイヤルは、「シーンインテリジェントオート」「静止画」「動画」の3項目となっています。M、Av、Tv、Pに設定するには、「静止画」の中の「応用撮影ゾーン」で行います。

Canon EOS M2

 EOS Mのボディ底面。左側にあるバッテリー室カバー内にメモリーカードスロットも置かれています。三脚用の穴はレンズ光軸上に設けられています。カメラ本体は日本製。

Canon EOS M

 EOS Mのボディ底面。ラベルのデザインが変わりましたが、基本的な構造は同じです。

Canon EOS M2

 EOS M2のボディ左側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。端子カバーは大型のものに変わっています。


Canon EOS M2

 EOS M2のボディ右側面。パネルの表面処理も変わっています。

Canon EOS M2

 EOS M2のCanonのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。ロゴの右上に見えるのがステレオマイクで、EOS Mではボディ上面に置かれていました。

Canon EOS M2

 ボディ右下にあるEOSのロゴ。EOS Mではグレーの印字でしたが、EOS M2ではCanonのロゴと同じような処理がされています。

Canon EOS M2

 EOS M2のイメージセンサー。有効画素数はEOS Mと同じ1800万画素ですが、EOS KissX7と同等のものに進化しています。オートフォーカスは「ハイブリッド CMOS AF」から、「ハイブリッド CMOS AF II」に進化しており、ファームウェアをアップデートしたEOS Mよりもさらに最大2.3倍の高速化が図られています。

Canon EOS M2

 セルフタイマーとAF補助光を兼ねるランプが置かれています。ランプの左側には、リモコン受光部があります。その左にあるのはステレオマイクのL側です。

Canon EOS M2

 EOS M2のグリップ部はEOS Mと同じで、ゴム製の指かかりが付けられています。見た目以上にホールド感の向上に役立っています。

Canon EOS M2

 シャッターボタンの同軸に置かれているモードダイヤル。このあたりのつくりもEOS Mを踏襲しています。

Canon EOS M2

 電源アクセスランプの右側にWi-Fiランプが新設されました。モードダイヤルの設定項目は、EOS Mの静止画が2つのモードに分離されたため、M、A、S、Pの設定がしやすくなっています。
 その右側に見える穴はスピーカーで、EOS Mでは電源ボタンの上にありました。


Canon EOS M2

 アクセサリーシューは、EOS Mではブラックの塗装がされていましたが、EOS M2ではシルバー地のままになっています。ストロボの脱着でこすれる部分ですので、この方が実用的かもしれません。
 アクセサリーシューの左側に見える指標はイメージセンサーの位置を示すもので、焦点距離を測る時の基準面となります。


Canon EOS M2

 液晶モニター右側のメインコントロール部。このあたりのインターフェースはEOS Mとほぼ同じです。SETボタンの外周にはホイール型の電子ダイヤルが置かれています。

Canon EOS M2

 ボディ側面にある外部接続端子カバーの内側。左側のAV OUT・デジタル端子、右側のステレオマイク入力端子、HDMIミニ端子が置かれており、端子自体はEOS Mと同じです。

Canon EOS M2

 ボディ下部にあるバッテリー室カバーを開いた状態。メモリーカードの挿入方向を示すガイドラインが印字されています。

Canon EOS M2

 バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。

Canon EOS M2

 液晶モニターの表示画面。アスペクト比は3:2で、タッチ操作にも対応しています。

Canon EOS M2

 INFO.クイック設定画面を表示させた状態。液晶モニターの右側にある「INFO.」ボタンを押すと、トグル式に画面が切り替わります。この画面で直接設定項目を選択することも可能です。

Canon EOS M2

 液晶モニターにはの視野角は比較的視野角の広いパネルが採用されています。

Canon EOS M2

 EOS M2(左側)とPowerShotS95(右側)。EOS M2はAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していますが、ボディサイズはPowerShotS95を一回り大きくした程度に収まっています。

Canon EOS M2

 EOS M2(左側)とPowerShotS95(右側)。EOS M2にはこれにレンズが加わりますが、ボディ部分だけを比べると、意外とサイズの差は小さいように感じます。

 キヤノン EOS M2の付属品をチェック

Canon EOS M2

 バッテリーチャージャーLC-E12。EOS Mのものと同じです。バッテリーパック LP-E12の充電に約2時間かかります。

Canon EOS M2

 コンセントとの接続プラグは折り畳み方式となっているため、可搬性の点で優れています。

Canon EOS M2

 付属するバッテリーパックLP-E12。容量は875mAhで、静止画230枚、動画1時間30分の撮影が可能となっています。

Canon EOS M2

 付属するインターフェースケーブル。パソコンやプリンター等との接続に使用します。ケーブルにはフェライトコアが付けられています。

Canon EOS M2

 付属するネックストラップEM-100DB。EOS Mのものと同じで、しっかりとしたつくりです。

Canon EOS M2

 ネックストラップの接続部。EOS Mと同様に新タイプのものです。取り付け金具の指標を合わせると固定されます。

Canon EOS M2

 ネックストラップの取付け部金具の裏側。写真はリリース状態で、指標を回転させると爪の部分が上にまわり、ボディ本体の取り付け金具分が外れなくなります。

Canon EOS M2

 ボディ側のストラップ取付け部。新タイプのものです。

Canon EOS M2

 ストラップをボディに取り付けた状態。写真の状態で、ストラップが外れなくなります。

Canon EOS M2

 付属するボディキャップ。型番はR-F-4で、EF-Mマウント用のキャップとなります。ちなみに、EFマウント用はR-F-3となります。

Canon EOS M2

 ボディ側のレンズマウント部バヨネット構造を利用して装着するタイプです。

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3.キヤノン EOS M2の描写性能はどうか?


 描写力チェック1:高感度性能

 Canon EOS Mの基本感度はISO100で、標準ではISO12800まで設定可能となっています。拡張設定ではISO25600まで設定可能です。ノイズ低減処理は、カメラ内での設定で行う方法と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられません。このあたりはEOS Mと同じです。

 カメラ内でのノイズ低減は、「高感度撮影時のノイズ低減」と「長秒時露光のノイズ低減」の2つとなります。どちらも設定メニューの中にあります。

 「高感度撮影時のノイズ低減」は「OFF」、「弱め」、「標準」、「強め」の4種類があります。設定すると高感度での効果が大きくなりますが、低ISOでも低輝度部分を中心にノイズ低減処理を行います。なお、「強め」に設定すると、カメラ内の処理量が増えるため、連続撮影可能枚数が大幅に低下するので注意が必要です。

 「長秒時露光時のノイズ低減」は、「ON」、「OFF」、「自動」の3種類があります。「ON」にすると1秒よりも低速のシャッター速度で撮影したときに常に長秒時ノイズ低減がかかります。「自動」では、1秒よりも低速撮影時に、長秒時特有のノイズが発生した時にのみ処理がかかります。

 EOS M2のイメージセンサーはEOS Mとは異なるものですが、画像処理エンジンは同じDIGIC5であることもあり、ノイズの出方は基本的にEOS Mと同様でした。

 高感度ノイズ低減を「OFF」にしても、ISO1600まではほとんどノイズ感は感じられません。設定感度がISO3200を超えると暗部を中心にややノイズが目立ってきますが、それでもISO6400では十分実用的であるように感じました。ISO12800では、さすがに等倍ではノイズが目立つものの、画像自体が破たんしているわけではないので、縮小して利用するのであれば十分使えるレベルであると思います。

 高感度ノイズ低減を標準にすると、1~2段分程度ノイズが低減化されます。解像感はやや低下するものの、ISO12800でもそれなりに使えるレベルとなっています。ノイズ低減を「強め」にすると、ノイズ感はさらに改善されるものの、解像感の低下も少々目立つようになります。

 下記のサンプルは、高感度撮影時のノイズ低減を「OFF」、「標準」、「強め」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。高感度撮影時のノイズ低減を「OFF」にしたものでは、長秒時露光時のノイズ低減も「OFF」にしてあります。下記の表示画像は等倍画像となりますが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。


SONY_ANEX-7
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO100(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO200(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO400(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO800(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO1600(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO3200(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO6400(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO12800(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2

ISO25600(左から「OFF」「標準」「強め」)
Canon EOS M2 Canon EOS M2 Canon EOS M2


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 描写力チェック2:解像度

 Canon EOS Mのイメージセンサーは有効1800万画素です。今回テストしたEF-M22mmF2.0 STMの結果は、基本的に絞り開放から優れた解像力を示しました。このレンズは、2段絞ると周辺部を含めさらに解像力が向上したため、開放絞りF2.0から2段絞ったF4.0のもので確認を行いました。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本ラインを超えて視認可能です。画素数を活かした高い解像力を示しているといえます。
※レンズ絞り値の表記で誤記があり訂正いたしました。ご指摘くださった方に感謝申し上げます。

  レンズ名:EF-M22mm F2.0 STM
 焦点距離:18mm
 絞り値:F4.0 (開放絞りF2.0から2段絞った状態)
 使用チャート:ISO12233準拠チャート


(下図は、図の赤枠の部分を等倍で切り出したもの。)

Canon EOS M2
 限界解像度チェック用のラインでは、2500本まで視認できています。モアレもほとんど発生していません。

Canon EOS M2
 横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本域まで視認できています。

Canon EOS M2
 参考まで、左上の画像です。わずかながら収差が残っていますが、良好に補正されています。

 描写力チェック3:レンズ光学補正機能

 キヤノンEOS M2には、レンズの特性による収差を軽減する機能があります。撮影メニューの中にある「レンズ光学補正」がそれで、「周辺光量補正」と「色収差補正」の各々について「する」と「しない」のどちらかに設定できるようになっています。これらの補正はJPEGに対してかけられますので、RAWファイルについては付属のソフトウェア「Digital Photo Professional」を使って補正します。

 対応しているのは、補正データが登録されているレンズのみで、初期状態ではEF-Mレンズ3本を含む計25本分のレンズが登録されています。未登録レンズの補正情報をカメラに登録することも可能です。

 なお、周辺光量補正を「する」にすると、画像周辺部にノイズが発生する場合があります。また、色収差補正を「する」にすると、連続撮影可能枚数が大幅に減りますので注意が必要です。

 テストに用いたのは、EF-M22mmF2.0 STMで、絞り開放で確認をしました。

 テストした結果、絞り開放では周辺光量の低下が認められましたが、レンズ光学補正機能で良好に補正されることが確認できました。

EF-M22mm F2.0 STM
焦点距離22mm
(左から「しない」「する」)

Canon EOS M2 Canon EOS M2


 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数

 キヤノンによると、EOS M2の連写性能は次の通りです。
  • 約4.6コマ/秒で、JPEG(ラージ、ファイン)で13コマ、RAWで5コマ、RAW+JPEG(ラージ、ファイン)で3コマの連続撮影。

 実際の連写テストで使用したメモリーカードは高速タイプのものです。
 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)

RAW+JPEG(FINE L) RAW JPEG(FINE L)
連写
(約4.6コマ)

 概ね4.6コマ/秒のペースで3枚を連写。その後は概ね1.1コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね4.6コマ/秒のペースで5枚を連写。その後は概ね1.7コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね4.6コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。
 ※上記のテスト結果は、撮影環境や被写体によっても左右されます。

 EOS M2はローエンドのミラーレスカメラとしては標準的な連写性能を持っていますが、RAWやRAW+JPEGでの連続撮影可能枚数は、やや物足りない印象を受けました。ただし、JPEG(Eine Large)では、4.6コマ/秒のペースでカード容量一杯までの撮影ができましたので、JPEGメインの撮影であれば快適に連写を楽しむことができると思います。

 なお、バッファー容量が一杯になったのちは、時々わずかながらもたつきを感じることがありましたが、気になるほどのレベルではありませんでした。

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4.結局、EOS M2は「買い」か?


 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 比較的小型軽量で高級感のあるボディ。
  • EOS KissX7と同等の高い描写力。
  • ISO12800まで設定可能な高感度性能。(ISO3200までは十分実用可能。)
  • フルHD動画撮影が可能。
  • 有効1800万画素による解像感。
  • 大幅に高速化されたオートフォーカス。
  • 強化されたクリエイティブフィルターなど、カメラ内の編集機能が豊富。
  • Wi-Fiを搭載。スマートフォン等によるリモート操作も可能。
  • EFレンズの全機能が使用可能。(ダブルレンズキットにはマウントアダプターが標準添付。)

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • オプションでも電子ビューファインダーに対応していない。
  • フラッシュが外付のみ。(ダブルレンズキット、トリプルレンズキットには標準添付。)
  • ボタン類が少なく、細かい設定にはタッチパネル操作が必要。
  • 14bitRAWで5枚の連続撮影可能枚数。
  • カメラ内RAW現像機能は非搭載。
  • EF-Mレンズの強化が急務。

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付録.製品仕様からみた EOS M2の特長


記録媒体  SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード
撮像画面サイズ  約22.3×14.9mm
使用レンズ  キヤノンEF-Mレンズ群
 キヤノンEFレンズ群(EF-Sレンズを含む): マウントアダプターEF-EOS Mが必要
(有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.6倍に相当)
撮像素子  有効約1800万画素CMOSセンサー
 アスペクト比 3:2
 ※EOS Mも同じ。
ダスト除去機能  自動/ダストデリートデータ付加
記録フォーマット  DCF 2.0
 JPEG、RAW(14bit、キヤノン独自)RAW+JPEG同時記録可能
記録画素数  L(ラージ):約1790万(5184×3456)画素
 M(ミドル):約800万(3456×2304)画素
 S1(スモール1):約450万(2592×1728)画素
 S2(スモール2):約250万(1920×1280)画素
 S3(スモール3):約35万(720×480)画素
 RAW(ロウ):約1790万(5184×3456)画素
 ※EOS Mも同じ。
ピクチャースタイル  オート、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3
表現セレクト機能  雰囲気を選んで撮影する、明かりや状況にあわせて撮影する
エフェクトショット  可能(〈CA〉モード時)
ホワイトバランス  オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル
ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能
ノイズ低減  長秒時露光、高感度撮影に対応可能
画像の明るさ自動補正  オートライティングオプティマイザにより対応
高輝度側・階調優先  可能
レンズ周辺光量補正  周辺光量補正、色収差補正
オートフォーカス  ハイブリッド CMOS AF II方式(ライブ1点AF、顔+追尾優先AF、ライブ多点AF)
 ※EOS Mはハイブリッド CMOS AF方式。
測距点  最大31点
輝度範囲  EV1~18(常温・EF-M 22m F2 STM使用・ISO100)
フォーカスモード  ワンショットAF、サーボAF
AF補助光  あり(LED)
測光方式  撮像素子によるリアルタイム測光
 評価測光、部分測光(画面の約11%)、スポット測光(画面の約2.8%)、中央部重点平均測光
測光範囲  EV1~20(常温・EF-M 22m F2 STM使用・ISO100)
露出制御方式  プログラムAE(シーンインテリジェントオート、クリエイティブオート、ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、キッズ、料理、夜景ポートレート、手持ち夜景、HDR 逆光補正、プログラム)、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出
ISO感度  かんたん撮影ゾーン:ISO 100~6400自動設定
 (手持ち夜景:ISO100~12800自動設定)
 応用撮影ゾーン:ISO100~12800任意設定(1段ステップ)、ISO100~6400自動設定、および「H」(ISO25600相当)の感度拡張が可能
 ※EOS Mも同じ。
露出補正  手動:1/3、1/2段ステップ±3段 AEB:1/3、1/2段ステップ±2段(手動露出補正との併用可能)
AEロック  自動:ワンショットAF・評価測光時、合焦と同時にAEロック
 手動:AEロックボタン押しによる
シャッター  電子制御式、フォーカルプレーンシャッター
シャッター速度  1/4000~1/60秒(シーンインテリジェントオートモード。
レンズや撮影条件により1/60秒より低速になることがあります)
 ストロボ同調最高シャッター速度=1/200秒
 1/4000~30秒、バルブ(すべての撮影モードを合わせて)
 ※EOS Mも同じ。
ドライブモード  1枚撮影、連続撮影、セルフタイマー 10秒/2秒/10秒後連続撮影
連続撮影速度  最高約4.6コマ/秒
 ※EOS Mは4.3コマ/秒
連続撮影可能枚数  JPEGラージ/ファイン:約13枚(約17枚)
 RAW:約5枚(約5枚)
 RAW+JPEGラージ/ファイン:約3枚(約3枚)
 ※EOS MはJPEGラージ/ファイン:15枚、RAW5枚、他は同じ
動画撮影機能  MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式
 リニアPCM
 MOV形式
記録サイズ
フレームレート
 1920×1080(Full HD):30p/25p/24p
 1280×720(HD):60p/50p
 640×480(SD):30p/25p
 30p:29.97fps、25p:25.00fps、24p:23.976fps、
 60p:59.94fps、50p:50.00fps
(60p/50p、30p/25pはビデオ出力方式によって切り換え)
 ※EOS Mも同じ。
ファイルサイズ  1920×1080(30p/25p/24p):約330MB/分
 1280×720(60p/50p):約330MB/分
 640×480(30p/25p):約82.5MB/分
測光方式  撮像素子による中央部重点平均測光、および評価測光
サーボAF  可能
露出制御  動画自動露出モード、動画マニュアル露出モード
露出補正  1/3段ステップ±3段
ISO感度  自動露出撮影時:ISO100~6400自動設定
 マニュアル露出時:ISO100~6400自動/任意設定
 H(ISO12800相当)の感度拡張が可能
ビデオスナップ  2秒間/4秒間/8秒間から設定可能
録音  内蔵ステレオマイク、外部ステレオマイク端子装備、録音レベル調整可能、ウィンドカット機能あり、アッテネーター機能あり
 ※EOS Mも同じ。
グリッド表示  2種類
液晶モニター  TFT式カラー液晶モニター
画面サイズ/ドット数  ワイド3.0型(3:2)/約104万ドット
 ※EOS Mも同じ。
明るさ調整  手動(7段階)
メニュー表示言語  日本語、英語、簡体字中国語
タッチパネル機能  静電容量方式
再生機能  1枚表示、1枚+情報表示(簡易情報、撮影情報、ヒストグラム)、インデックス表示(4/9/36/100枚)、画像回転可能
拡大ズーム倍率  約1.5~10倍
画像送り  1枚/10枚/100枚/撮影日/フォルダー/動画/静止画/レーティング
ハイライト警告  ハイライト部分点滅表示
動画再生  可能(液晶モニター、映像/音声出力、HDMI出力)、スピーカー内蔵
BGM選択  スライドショー、動画再生時に選択可能
スライドショー  全画像/日付/フォルダー/動画/静止画/レーティング切り替え効果を5種類選択可能
クリエイティブ
フィルター
 ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、油彩風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風
撮影後のリサイズ  可能
ダイレクトプリント  JPEG画像、RAW画像で対応可能、著作権情報に対応
カスタマイズ機能  7種 マイメニュー登録可能
インターフェース  アナログ映像(NTSC、PAL対応)/ステレオ音声出力
パソコン通信、ダイレクトプリント用(Hi-Speed USB相当)、GPSレシーバーGP-E2接続
HDMIミニ出力端子  タイプC(解像度自動切り換え)、CEC対応
外部マイク入力端子  φ3.5mmステレオミニジャック
リモコン端子  リモートスイッチRS-60E3用
ワイヤレスリモコン  リモートコントローラーRC-6に対応
無線LAN  IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n
 DS-SS変調方式(IEEE 802.11b)/OFDM変調方式(IEEE 802.11g/n)
 通信距離:約15m
 送信周波数(中心周波数):2412~2462MHz、チャンネル:1~11ch
 接続方式:インフラストラクチャーモード、カメラアクセスポイントモード
 セキュリティ:オープン、共有キー、WPA-PSK、WPA2-PSK/WEP、TKIP、AES
 ※EOS Mは無線LAN非搭載。
LAN機能  カメラ間で画像を送受信:1枚送信、画像選択送信、リサイズ送信
 スマートフォンと通信:スマートフォンで画像の閲覧/操作/受信、リモートコントロール
 Wi-Fi対応プリンターへ印刷画像を送信
 登録したウェブサービスへカメラ内の画像やリンク先を送信
 DLNA対応メディアプレーヤーを利用して画像を閲覧
使用電池  バッテリーパックLP-E12、1個
 ACアダプターキット ACK-E12使用により、AC駆動可能
撮影可能枚数の目安  常温(23℃)約230枚/低温(0℃)約200枚
 ※EOS Mも同じ。
動画撮影可能時間  常温(23℃):約1時間30分
 低温(0℃):約1時間20分
 ※EOS Mも同じ。
大きさ  約104.9(幅)×65.2(高さ)×31.6(奥行)mm
 ※EOS Mは108.6×66.5×32.3mm。
質量  約274g(本体のみ)
 約238g(CIPAガイドラインによる)
 ※EOS Mは298g/262g。
動作環境  0℃~+40℃、85%以下

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