さらに他機種に水をあけた二代目RX100


ソニー サイバーショット DSC-RX100M2
このところ新製品が相次いで登場しています。詳細は各レビュー記事を見て頂ければと思いますが、実際に実機をテストしたときに感じた雑感を記載したいと思います。

まず最初は、昨日レビュー記事を掲載したソニー サイバーショット DSC-RX100M2です。

昨年6月に初代DSC-RX100が登場したときの驚きは、今でも記憶に新しいのではないかと思います。6月4日にネット上で情報が流れ、翌々日6日に国内正式発表、そして15日に発売開始でしたから、まさに電撃的な登場だったと言えるかもしれません。

DSC-RX100のポイントは、1型センサーと28-100mm相当F1.8-4.9ズームレンズを搭載したコンパクトカメラ、ということになると思います。今までもキヤノンPowerShotG1XシグマDP Merrillシリーズなど、比較的大きなイメージセンサーを採用した機種はありましたが、DSC-RX100はそれをスタイリッシュなボディの中に実装してしまった点に驚かされたわけです。正直な印象を述べれば「なんだ、やればできるじゃないか」というものであり、さらに言うと「今までのスタイシッリュ・高級コンパクトは仕様の出し惜しみをしていたのか」というものです。その後1年が経過する中、いまだ他社からは真っ向から立ち向かう高級コンパクトは出てきていませんので、後の方の印象はちょっと「うがった見方」だったように思います。

店頭での反応も極めてよく、高級コンパクトカメラとしては予想を超えた数が販売されたようです。おそらく、ソニーのデジカメ戦略もDSC-RX100の成功によって大きく変わったのではないかと思われます。

現時点でも、コンパクトさと画質の両方を重視されるのであれば、DSC-RX100がベストチョイスである現状を考えると、必ずしも後継機をリリースする必要はなかったかもしれません。そうした中、登場した二代目DSC-RX100M2は、まさに初代の正統進化モデルと言えます。

私が感心したのは、初代で気になっていた点が丁寧に対応されている点です。電子ビューファインダーへの対応や充電端子の移設、また初代でも使えますがオプションでグリップが用意された点からも、ユーザーの声に応える姿勢を感じさせます。さらに1型以上のイメージセンサーとしては初となる裏面照射型CMOSセンサーが採用されたことで、とくに高感度側でのノイズレベルが改善されています。DSC-RX100M2は、日常的に持ち歩くカメラとして、さらに魅力を高めたカメラであると感じました。

DSC-RX100M2の完成度を踏まえると、他社がどのように対抗してくるのか興味が募ります。大型センサー、使い勝手の良い比較的明るいズームレンズ、コンパクトなボディに加えWi-Fiやチルト液晶など多機能性も備えたDSC-RX100M2に正面から立ち向かうカメラを生み出すことは、そうそう簡単なことではないかもしれません。しかし、RX100が目指している方向は高級コンパクトに求められる一つの典型例であり、この分野をソニーの一人勝ち状態で放置していくとは思えません。そう遅くない時期に出てくるであろう対抗機がどのような切り口で市場に切り込んでくるのか、考えただけでワクワクしてきます。