描写力が進化したナノ一眼、PENTAX Q7


ペンタックス Q7
新製品レビューを行った雑感Part.2です。なお、レビュー詳細は各レビュー記事を見て頂ければと思います。

次に取り上げる、新型ナノ一眼、ペンタックス Q7です。外見は前機種となるQ10とほとんど同じですが、イメージセンサーが1/2.3型から1/1.7型へと一回り大型化されたことで、描写性能が大幅に向上しました。


2011年8月に登場した初代ナノ一眼、PENTAX Qは、110(ワンテン)サイズのフィルム一眼レフ、オート110を彷彿とさせるミラーレスカメラでした。金属を多用したクラシカルなデザインは、女性からの人気も比較的高かったようです。

ペンタックス auto110

2012年10月の二代目Q10では、イメージセンサーや機能面では基本的にQを踏襲していましたが、デザインが変わりカラーバリエーション(ボディ20色、グリップ5色で計100パターン)に対応した点が大きなポイントとなりました。

そして2013年7月に登場したのが、三代目Q7です。QからQ10の進化は、中身は一緒でデザインを変えたのに対し、Q10からQ7へはデザインが一緒で中身が一新された点が特長となります。とくにイメージセンサーが1/1.7型に変わり、一般的な高級コンパクトが採用しているCMOSとなったことで、描写性能が大幅に向上しました。一般的に描写性能は、イメージセンサーと画像処理エンジン、そしてレンズによって決まりますが、Q用のスタンダードレンズはコンパクトカメラを超える描写力を持っていますので、結果的に高い画質を生み出しています。

先日、デジカメWatchに掲載されたメーカーインタビュー記事を見ても、Q開発当初からイメージセンサーの大型化については想定していたことが触れられていますが、当時は1/1.7型はCCDしか入手できなかったため、むしろ描写性能が高いと考えた1/2.3型CMOSセンサーを選択したとのことでした。こうした経緯を考えると、Q7はQシリーズの本命と言えるかもしれません。

当初はスタンダード2本トイ3本だったレンズも1本ずつ増え、年内にはさらに2本のスタンダードレンズ、WIDEとTELE MACROも登場する予定です。ナノ一眼システムカメラとして、いよいよ魅力が増したと思います。

今回のテストでは、Q/Q10からどの程度描写性能が向上したのかが一番のチェックポイントであり、とくに高級コンパクトカメラと比べ描写力はどうなのかという点に興味がありました。高級コンパクトと言っても、フルサイズのイメージセンサーに単焦点レンズを搭載したDSC-RX1や、1.5型センサーのPowerShotG1X、1型センサーのDSC-RX100M2/DSC-RX100などの「超高級コンパクト」には太刀打ちできませんが、1/1.7型センサーを採用した一般的な高級コンパクトと比較すると、やはりQ7の方が一歩抜きん出ているという印象を受けました。このあたりは、ぜひ実際にレビュー記事のテストチャート等で確認していただければと思います。

ペンタックスブランドのレンズ交換式カメラとしては、中判クラスの645D、APS-CサイズのK-5II/K-50K-01、そしてQシリーズと大きく分けると4つの製品ラインが展開されています。噂レベルでは、フルサイズ・デジタル一眼レフの情報も流れており、まさに「マルチフォーマット」メーカーであります。リコーブランドでは、カメラユニット交換式のGXRも展開されていますので、「マルチフォーマット」こそペンタックスリコーというメーカーの差別化ポイントと言えそうです。