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特集 X100S
1.富士フイルム FUJIFILM X100Sの位置づけと概要 |
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富士フイルム X100S
by Inaba Kunio
X100シリーズの完成形 中身が一新された高級コンパクト
評価:5.0
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X100シリーズの完成形、X100S1月、X20とともに発表されたX100Sが発売となりました。当初の予定よりは1週間遅くなりましたが、実際に店頭に並んでいるカメラを手に取ると、前機種であるX100と外見はほとんど変わらないものの、中身は一新されていることがわかります。まず、イメージセンサーが新世代のものに更新されました。単に画素数が1230万画素から1630万画素に増えただけでなく、新世代の「X-Trans CMOS IIセンサー」と「EXR Processor II」に進化したことで、解像感とノイズ感が向上しています。富士フイルムによれば、解像感は25%アップ、ノイズ感は30%軽減されているとのことです。このあたりは後ほど実機テストで確認してみます。 イメージセンサーまわりで見ると、連写性能が5コマ/秒(RAWで8コマまで)から6コマ/秒(RAWで9コマ)に強化されるとともに、動画撮影も1280X720(24fps)だったものが1920X1080(60fps)に対応しています。とくに動画性能については、比較的廉価なコンパクトカメラでもフルHD対応のものが増えている現状を考えると、順当なキャッチアップと言えます。
X100S(左側)とX100(右側)。外見はほぼ同じだが、中身は大きく進化。
一口コラムにも記載しれていますが、改めてX100Sのポイントを整理すると、次のようになります。
X100Sが想定しているユーザー層X100Sが想定しているユーザー層は、ソニーサイバーショットDSC-RX1のものと重なっているところがあります。どちらも35mm相当の画角をカバーする開放F2.0の単焦点レンズを搭載していることからも明らかなように、1枚1枚の写真を丁寧に撮り、そして撮る過程自体を楽しむユーザーとなります。しかし、DSC-RX1はイメージセンサーをフルサイズにすることで、より描写性能を重視しているのに対し、X100Sはマルチビューファインダーの搭載で「撮影の楽しさ」に力を配分しているといった違いもあり、実際の購入層は意外と異なっているような気がします。
X100S(左側)とDSC-RX1(右側)。どちらもデジタル一眼レフと同等の描写性能を持っています。
今回、X100Sをテストしてみて感じたのは、FinePix X100で気になっていた点に丁寧に手が入っているとともに、さらに描写性能を高めているということです。搭載しているレンズは単焦点ですが、35mm相当の画角はオールマイティに使える焦点距離であり、日常的なスナップなどにも適しています。その意味では、「誰にでもお勧めできるカメラ」に大きく進化したように思います。 それでは実際に、「X100シリーズの完成形」と言えるX100Sの実力をテストしてみます。 |