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特集 ネオ一眼 LUMIX DMC-FZ150
1.ネオ一眼 LUMIX DMC-FZ150の位置づけと概要 |
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「ネオ一眼」というジャンル「ネオ一眼」という言葉をはじめて使ったのは、おそらく富士フイルムである。富士フイルムも、以前は「ハイエンド一眼スタイルデジタルカメラ」と称していたが、2006年発売のS9000から「ネオ一眼デジタルカメラ」と呼ぶようになった。「レンズ一体型で電子ビューファインダーを搭載しているデジタルカメラの呼称」と定義されている「ネオ一眼」の外見上の特徴は、ズームレンズ装着の一眼レフを小型化した形状にある。最近では、薄型コンパクトで10倍以上の光学ズームを搭載しているデジタルカメラも珍しくはなくなったが、やはり「ミニ一眼レフ」の形をしていないカメラは「ネオ一眼」とは呼ばれていない。 国内主要メーカーの多くは「ネオ一眼」をラインアップの一翼に加えており、現時点で入手できる現行機は、次の8機種となる。 キヤノン:PowerShot SX40 HS ソニー:DSC-HX100V ニコン:COOLPIX P500 パナソニック:DMC-FZ150、DMC-FZ48 ペンタックス:X90 富士フイルム:FinePix S4000、FinePix HS20EXR これ以外にも、後継機が出ているもののまだ潤沢に店頭に並んでいる旧機種や、電子ビューファインダーこそ搭載していないが、形状は「ネオ一眼」的なものを含め、少なくない機種が展開されている。 【各機種の主な仕様】
ネオ一眼のプラス面とマイナス面非レンズ交換式デジタルカメラの中で、一つのジャンルを築いている「ネオ一眼」。機種ごとの違いはあるものの、基本的な特徴はおおむね共通しているものも多い。まず、プラス面から見てみると、 ◎群を抜いて高倍率のズームレンズを搭載。 ◎レンズの描写力は、コンパクトカメラよりも高い傾向。 ◎電子ビューファインダーを内蔵しているため、一眼レフと同等の操作感。 ◎ダイヤル関係を中心とした直接的なインターフェース。 ◎どのようなシーンでも、それなりの撮影ができる。 といった点があげられる。一言でいえば、「一眼レフの代わりとして、オールマイティに使える(少なくともそう思わせてくれる)デジタルカメラ」が、ネオ一眼なのである。 逆に、マイナス面では、 ●搭載しているイメージセンサーが小さい割に、ボディは大きく重い。 ●一眼レフの「サクサク感」と比べると、モッサリしたレスポンス。 ●高倍率ズームによる描写力の限界。 といった点となる。つまり、絶対的な実力はコンパクトカメラの中で決して低くはないものの、なまじ一眼レフと似ているがために比べられてしまう「がっかり感」といえるかもしれない。 なぜFZ150を取り上げたのか今回、非レンズ交換式デジタルカメラのレビュー第一号として、このパナソニックLUMIX DMC-FZ150を取り上げた。しかし、あらためて上記の比較表を見ると、少なくとも仕様上は凡庸な性能であることがわかるだろう。搭載されている25-600mm24倍光学ズームは、倍率だけを見ればネオ一眼の中でも最低クラスである。イメージセンサーや電子ビューファインダー、液晶モニターにしても、数値上は平均的なものとなっている。仕様上での目立つ違いとしては、液晶モニターがバリアングルであることと、RAWモードでの撮影ができることぐらいかもしれない。 実は、「凡庸なスペック」という中に、FZ150の特長が隠されているのだ。それは、実際に手に取って操作するとすぐにわかる。ややもすると仕様上の数値を追い求めてきた既存のネオ一眼の立ち位置を離れ、カメラとしての総合力が追及されているのである。つまり結論から言えば、今までのネオ一眼から一眼レフへと、頭一つ分近づいたのがFZ150なのである。
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