販売ランキング(2013年1月)を掲載~カメラの買い時は?


量販店のPOS情報をもとに作成された販売ランキングを掲載しました。今回は上位陣に大きな順位変動はなく、ニコンやキヤノンのデジタル一眼レフが、10位までの8機種を占めています。

ということで、販売ランキング自体には特段記載すべきこともないのですが、この表には一緒に平均販売価格も掲載しています。昨年6月から約半年の販売価格の推移をみていると、改めてデジカメの「買い時」判断の難しさを感じます。

たとえば、ニコンD3200ダブルズームキットは、前回の平均販売価格91,600円に対し今回は77,600円と、この1か月間で14,000円、率にすると15%以上も価格が低下しています。はじめてランキングに載った4か月前の平均価格は96,300円でしたので、この3か月間はほぼ横ばいだった価格が一気に下がったことを示しています。

かと思えば、同じニコンの製品でもD7000を見ると、ボディ単体は71,300円から76,800円へと5,500円の値上げ、18-105mmレンズキットも99,300円から103,800円へと4,500円の値上げがされています。上位30位までの機種で前回と今回の両方ともランキングに入った21機種を見ると、この1か月間で値下げとなったものが17機種、値上げとなったのが4機種、単純に変動額合計を機種数で割ると平均で1,119円の下落となっています。

機種ごとに見ると、基本的には時間の経過とともに価格も低下しています。とくに、比較的世代交代が早く製品寿命が短いエントリー機種では下落のペースは速く、概ね発売から2か月程度たった段階で価格低下の波が来るものが多いようです。これに対し上級機では、なだらかに価格は低下していき、後継機種が出てきそうな段階で一気に価格が下落するといった傾向があります。もちろん、こうした価格変動は在庫や他社競合製品の状況によっても大きく影響を受けますので、販売直後から一気に値段が下がり、その後は横ばいといった機種もあります。

なお、値段の下がるパターンは、国によっても違います。とくに米国では、発売直後から比較的安価で販売され、その価格のまま最後まで売り続けられるものも少なくありません。ですから、新製品の販売直後であれば米国の方が安価で購入でき、しばらくすると日本国内で購入した方が安価、といった傾向があります。これは国民性というものも影響していると思いますが、米国の場合は返品制度が大きな要因になっているという指摘もあります。

米国の返品制度は、日本国内の返品制度よりも条件が緩くなっています。まず返品理由が問われることはなく、使用後のものであっても90日以内であれば返品を受け付ける、という販売店が多いようです。つまり、デジカメを購入して90日以内に値段が下がった場合、一度返品して再度購入すれば、安価で買い直せることになります。ですから、販売直後から商品寿命が尽きるまで、基本的には同じ価格で売られる製品が非常に多いわけです。

PRICE

ということで、一概に「販売後、○○頃が買い時」ということは言えませんが、それでは身も蓋もありませんので、私自身が考えている目安を書いておきます。

レンズ交換式カメラ(大きな進化がある機種):すぐに価格は下がらないので、販売直後に購入。
レンズ交換式カメラ(ブラッシュアップ機種):旧製品の在庫がなくなる頃に一気に下がることが多いので、しばらく様子を見る。
ミラーレスカメラ:販売開始後しばらくして価格が下落するものが多いので、2~3か月程度待ってから購入。
コンパクトカメラ(高級コンパクト):すぐに価格は下がらないので、販売直後に購入。
コンパクトカメラ(その他):ミラーレスカメラと同じ。あまり進化していなければ、旧世代を選択することも。

以上、ご参考になれば幸いです。