ニコン 1 J3と小型10倍ズームレンズをレビューしてみて


Canon powerShotN
先週末に発売となったニコン 1 J3と、小型10倍ズームレンズ 1NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6のレビュー評価を行いました。詳細は該当レビュー記事を見ていただければと思いますが、テストして実感したのは、ニコン1システムの『先見の明』です。昨年9月にV1とJ1が発表された時、採用されたイメージセンサーが1型であったことに落胆した方も少なくなかったと思います。私自身、D3100やD5100からミラーボックスと光学ファインダーを取り除き小型化したボディを想像していましたので、APS-C型の1/3以下となる「小型」センサーが搭載されたことに、ある種の驚きを感じました。

描写性能の点では、明らかにデジタル一眼レフよりも劣るため、「ニコンはとりあえずミラーレスに参入したが、好調なデジタル一眼レフの市場を傷つけないことを最優先とした」と評する声も耳にしました。しかし、登場から1年3か月が経過した現時点で振り返ってみると、こうした評価は正しくなかった、少なくともその半分は間違っていたことを痛感します。
ニコンが既存のデジタル一眼レフ市場をミラーレスカメラで侵食したくなかったということは、その通りだったと思います。しかし、だからといっておざなりにミラーレスを展開したのではなく、本気で新しい市場を切り拓こうとしていた(いる)ということは、十分理解されていなかったのではないでしょうか。V2やJ3をレビューしてみて、ミラーレスカメラの魅力である小型軽量をアピールしつつ、コンパクトカメラとは異なる描写性能や軽快な動作感を実現できたことで、デジタル一眼レフとは違う魅力を創り出すことに成功したと思います。

まだレンズのラインアップは整備途上ですが、これからも徐々に揃えられていけば、コンパクトなレンズ交換式カメラとして、エントリーからハイアマ(場合によっては一部のプロ用途も)までをも視野に入れたシステムとなるものと思われます。

今回のレビューを通じて感じたのは、そうしたニコンの「本気」です。