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特集 ニコン COOLPIX P310
1.ニコン COOLPIX P310の位置づけと概要 |
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ニコン COOLPIX P310
by Inaba Kunio
ニコンの高級コンパクトCOOLPIX P300の後継機 評価:5.0
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COOLPIX P300からの進化2011年3月、ニコンが高級コンパクトデジカメの分野に初めて投入したのが、前機種のCOOLPIX P300である。それから1年が経過し、後継機としてリリースされたCOOLPIX P310は、型番からもわかるようにP300のマイナーチェンジモデルとしての位置づけである。とはいえ、ボディ筐体やレンズはほとんど同じものの、イメージセンサーは有効1220万画素から1610万画素へと3割以上も画素数が増やされており、マイナーチェンジと言い切るのにも若干のためらいを感じる。 COOLPIX P300からP310への進化点はおおむね次の3点である。
変化ということでは、まずはイメージセンサーに注目する必要があるだろう。1/2.3型のイメージセンサーはデジタルカメラにおけるボリュームゾーンであり、技術的にも最新の技術が投入されている。今回、同じセンサーサイズであるにもかかわらず、画素数が3割増しとなっており、描写性能に悪影響がないのか気になる点である。さらに高感度設定が標準でISO3200まで、拡張ではさらに一段分高く設定できる。このあたりも描写力テストでのチェックポイントとなるだろう。
同じサイズのイメージセンサーを搭載しているが、画素数は3割増しとなっている。
インターフェース面での変化も大きい。物理的な違いとしては、ボディ前面にFnボタンが新設された点がある。このボタンは、設定により、「画像サイズ」「ピクチャーコントロール」「ホワイトバランス」「測光方式」「連写」「ISO感度設定」「AFエリア選択」の機能を割り振ることができる。初期設定は「連写」の選択ボタンとなっているが、使うシーンによっては積極的に活用すると、テンポよく撮影することができるだろう。
レンズ左下に新たに設置されたFnボタン。近くに他のボタンはないため、手探りでも押し間違えることはない。
インターフェース上のもう一つの大きな違いは、モードダイヤルに「ユーザーセッティングモード」が入った点である。これは、メニューの中にある「ユーザーセッティング登録」を選択したときの設定内容を記憶してくれる機能であり、ユーザーが設定できるほとんどの項目が対象となる。高級コンパクトカメラは設定可能な項目が多いだけに、こうした機能は使い勝手を大きく向上させてくれる。 高級コンパクトの中のポジションCOOLPIX P310は、キヤノンのPowerShotS100と比べられることが多い。サイズ面ではほぼ同じであるが、イメージセンサーやGPSなどの機能面ではS100が一歩進んでいるのに対し、P310の方がより広角側に広く明るいレンズを搭載しており、実売価格の面でもアドバンテージがある。下記に、PowerShotS100を含め、いわゆる「高級コンパクト」のカテゴリーに入るカメラのうち、ズームレンズを搭載しているものを比べてみた。必ずしも際立った特徴があるカメラではないが、P310も高級コンパクトカメラのトレンドを踏まえていることがわかる。なお、P310には他の機種に搭載されているRAW撮影モードがない。P310が搭載しているイメージセンサーのサイズを考えれば、ある意味合理的な判断かもしれない。 【各機種の主な仕様】
熟成したサブカメラニコンには、一眼レフのサブカメラとしての使い方も視野に入れた現行コンパクトカメラとして、COOLPIX P7100とCOOLPIX P310の2つの製品がある。このあたりも、キヤノンのG1X、G12とS100の関係に似ているが、両機種の性格はやはり大きく異なる。COOLPIX P7100は、「一眼レフの代役としてすべてのシーンでそこそこ使えるカメラ」を目指しているのに対し、COOLPIX P310は「一眼レフユーザーが気軽に持ち歩け、きちんとした画質で撮影できるカメラ」といったスタンスとなる。つまり、機能や操作性ではP7100に及ばないものの、その代わりとして小型軽量なボディを得たわけである。それではCOOLPIX P310の実力はいかほどか、そしてP300からどのように進化したのか、順次チェックをしていきたい。 |
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