富士フイルムの新型Xシリーズ~外見は同じで中身は別人


FUJIFILM富士フイルムの新製品、X100SとX20のレビューを行いました。詳細は、各記事を見ていただければと思いますが、テストした印象を一言でいえば「外見は同じで中身は別人」ということになります。

X100SもX20も、機種のロゴを隠せば、前機種のX100、X10と識別できないほど外見は似ています。公表されているボディサイズも全く同じですので、おそらく外殻部品も共通ではないかと思われます。これほどまで似ていると、X100やX10ユーザーとしては買い替え対象にしにくいのではないでしょうか。

しかし、実際にはX100やX10に価値を見出した方にこそ向いている機種であると感じました。X100やX10で気になっていた点がブラッシュアップされるとともに、描写性能が大幅に向上しており、まずは店頭で手に取られることを強くお勧めします。

富士フイルム最初のXシリーズであるFinePixX100が発売されたのは2011年3月ですので、振り返ればわずか2年間で多くの機種がリリースされてきたことになります。富士フイルムは一般的なコンパクトカメラをフルラインで揃えてきた企業であり、多機能コンパクトやタフネスモデル、薄型タイプ、ネオ一眼など、ほぼすべてのジャンルをカバーしてきました。これだけのラインアップがあったからこそ、いち早く市場の変化を体感できたのかもしれません。2年前のタイミングで、高品質モデルに開発資源を投入するとともに、新しい切り口でミラーレスカメラ市場に参入した富士フイルムの狙いは、おそらく富士フイルム自身が考えていた以上の成果につながっているのではないでしょうか。

すでにコンパクトデジカメは、スマートフォンに市場を侵食されはじめていますが、さらに言えばスマートフォンやSNSを前提とした新しい立ち位置を見出さなければなりません。その一つの答えが、Xシリーズのような高画質であり、別の答えがキヤノンのPowerShotNのような「大胆な加工」になるのかもしれません。いずれにしても、レンズ固定式カメラは、それだけで完結できる魅力と楽しさがあります。これからのXシリーズがどの方向に進化していくのか。X100SとX20は、さらに期待を持たせてくれるカメラです。

富士フイルムX100S 詳細レビュー記事
富士フイルム X20 詳細レビュー記事