【一口コラム】 40倍ズームに進化したネオ一眼
富士フイルムからミドルクラスのネオ一眼、FinePixS8200が登場しました。前機種であるS4500は2012年2月に発売開始されましたので、ほぼ1年での世代交代となります。
富士フイルムはネオ一眼にも力を入れてきたメーカーです。現行機種では、ローエンドに位置するFinePixSL300、ミドルクラスのFinePixS8200、上位機であるFinePixHS30EXR、ハイエンドでXシリーズのX-S1と4つの製品シリーズを展開しています。これだけのラインアップを揃えているのは、富士フイルムだけです。
FinePixSL300(左)とFinePixHS30EXR(中)、X-S1(右)。サイズは異なりますが、ミニ「デジタル一眼レフ」といったデザインとなっています。
FinePixS4500からの主な進化ポイントは、
- イメージセンサーがCCDからCMOSに変わるとともに、有効画素数も1400万画素から1620万画素へと高画素化されました。
- CCDからCMOSに置き換わったことで高感度側が拡張されており、標準でISO1600までだったものがISO12800へと3段分拡がっています。
- レンズの望遠端が720mm相当から960mm相当へと伸ばされています。
- レンズ鏡胴部にはズームレバーが新設されました。
- 電子ビューファインダーは同等ですが、視度補正機構が内蔵されました。
- 液晶モニターが23万ドットから46万ドットへと高画素化されました。
- 連写性能も10コマ/秒に強化。
- フルHDでの動画撮影にも対応しています。
- ボディサイズはやや大きくなり、重さも増しています。
といった点で、イメージセンサーをはじめ描写性能と機能面の強化がされています。型番がS4500から一気にS8200に飛んでいるのも伊達ではありません。
FinePixS8200の主な仕様をS4500と比較すると、次のとおりとなります。
【FinePixS8200とS4500の比較】
機種名 |
FinePixS8200 |
FinePixS4500 |
イメージセンサー |
有効1620万画素
1/2.3型 CMOS |
有効1400万画素
1/2.3型 CCD |
レンズ |
4.3-172.2mm
(約24-960mm相当) |
4.3-129mm
(約24-720mm相当) |
ファインダー |
0.2型 20万ドット |
0.2型 20万ドット |
ISO感度 |
ISO100-12800 |
ISO100-1600
(拡張設定でISO6400まで) |
シャッタースピード |
8-1/1700秒 |
8-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
3型23万ドット |
連写速度 |
10コマ/秒 |
8コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(60fps) |
1280 X 720(30fps) |
インターフェース |
USB、HDMI mini |
USB、HDMI mini |
バッテリー |
アルカリ乾電池で300枚 |
アルカリ乾電池で300枚 |
サイズ
(W x H x D) |
122.6×86.9×116.2mm |
118×80.9×99.8mm |
重さ
(含カード、電池) |
670g/577g |
543g/448g |
FinePixS8200(左側)とS4500(右側)。基本的なデザインは踏襲していますが、サイズがやや大きくなっています。
FinePixS8200(左側)とS4500(右側)。液晶パネルは同じ3型ですが46万ドットに高画素化されました。電子ビューファインダーはほぼ同じものと思われますが、新たに視度補正機構が内蔵されました。
FinePixS8200(左側)とS4500(右側)。レンズ鏡胴部左側にズームレバーが新設されていますので、右手はシャッターだけに集中させることも可能です。
こうしてみると、オールマイティなネオ一眼として、高い完成度であることを感じます。これ1台あれば、ほとんどのシーンに対応できるという利便性がさらに強化されており、業務用のカメラとしても活躍できる実力を持っていると思います。
すでにFinePixHS30EXRの後継機の噂も流れていますが、費用対効果に優れた魅力的なミドルクラス・ネオ一眼として、S8200はさらに磨きがかかっています。残るポイントはファインダーの見え方と動作レスポンスですが、これらがどう進化したのか、気になるところです。
(2013年 1月22日 記)
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