【一口コラム】 Xブランドのスタイリッシュコンパクト2代目
富士フイルムのスタイリッシュ・高級コンパクトXF1(製品レビュー) の後継機、XQ1が登場しました。XF1は2012年11月の発売ですので、ちょうど1年ぶりの世代交代となります。
XQ1(左側)とXF1(右側)。富士フイルムXシリーズで、薄型スタイリッシュなボディです。
XF1はX10(製品レビュー) の描写力がベースとなっていましたが、XQ1はベースとなるX10をX20(製品レビュー) にバージョンアップさせたカメラと言えます。
XQ1の主なポイントは次の通りです。
イメージセンサーはX10にも搭載されていた有効1200万画素2/3型EXR-CMOSから、X20の有効1200万画素2/3型X-Trans CMOS
IIセンサーに換装。ローパスフィルターレスで、絞り込み時の回析ボケなどに対する点像復元処理機能も搭載。
イメージセンサーとともに画像処理エンジンもX20と同じEXR Processor IIに進化したことで、AF最速0.06秒、起動時間0.99秒、撮影間隔0.3秒、シャッタータイムラグ0.015秒に高速化されました。
連写速度も、最高10コマ/秒(サイズはM、Sのみ)から最高12コマ/秒(すべてのサイズ)へと強化されています。
シャッタースピードも、1/2000秒までが1/4000秒までへと高速側が強化されています。
レンズはXF1と同じ25-100mm相当F1.8-4.9の光学4倍ズームを搭載。
設定できるISO感度は、ISO100~12800。XF1ではISO4000以上は画像サイズに制限がありましたが、XQ1ではすべての画像設定でISO12800まで対応しています。
XF1ではズームリングの操作で電源ON/OFFを行いましたが、XQ1では通常のカメラと同じ電源ボタンがボディ上面に置かれています。
ズーム操作はマニュアル操作から電動に変わりました。これに伴い、レンズ鏡胴には新たにコントロールリングが設けられています。このあたりは、他社を含めスタイリッシュ高級コンパクトに一般的なインターフェースに変わりました。
液晶モニターは3型のままですが、46万ドットから92万ドットへと高精細化されました。
動画撮影もフルHDでは30fpsまでだったものが、60pに強化されました。
新たにWi-Fiを内蔵しています。ただし、スマートフォンによるリモート操作には対応していません。(記事「デジカメによって異なるWi-Fi機能に注意」 をご参照ください。)
XF1にあったAV出力機能は、XQ1では省略されました。どちらもUSBやHDMI出力には対応しています。
撮影可能枚数は、XF1の300枚から、XQ1では240枚に減っています。
ボディサイズは、XF1の107.9x61.5x33.0mmから、XQ1では100x58.5x33.3mmへと小型化されています。撮影環境での重さも225gから206gへとわずかながら軽量化されました。
XQ1(左側)とXF1(右側)。ボディ形状は似ていますが、XF1のクラシカルなデザインから一般的なスタイリッシュコンパクトのテイストに変わっています。レンズの光学系は同じです。なお、XQ1はブラックモデルですが、シルバーモデルとは表面処理が異なっています。
XQ1(左側)とXF1(右側)。液晶パネルはどちらも3型ですが、46万ドットから92万ドットへと高精細化されました。インターフェースも似ていますが、XF1では液晶モニター右上部にあったメインコマンドダイヤルが省略され、レンズ鏡胴のコントロールリングが新設されています。
XQ1(左側)とXF1(右側)。ボディ上面に電源ボタンが新設されました。XF1ではボディ前面にあったステレオマイクは上面に移設されています。
【XQ1とXF1の比較】
機種名
XQ1
XF1
イメージ
センサー
有効1200万画素
2/3型 X-Trans CMOS II
有効1200万画素
2/3型 EXR CMOS
レンズ
25mm〜100mm F1.8-4.9
(35mm換算)
25mm〜100mm F1.8-4.9
(35mm換算)
ISO感度
ISO100-12800
ISO100-3200
(拡張でISO12800)
シャッタースピード
30-1/4000秒
30-1/2000秒
液晶モニター
3型92万ドット
3型46万ドット
ファインダー
-
-
連写速度
12コマ/秒
10コマ/秒
動画撮影
1920 X 1080 (60p)
1920 X 1080 (30p)
インターフェース
USB、HDMI mini
USB、HDMI mini、A/V output
バッテリー
NP-48
240枚
NP-50A
300枚
付加機能
フラッシュ内蔵 /Wi-Fi
フラッシュ内蔵
サイズ
(W x H x D)
100×58.5×33.3 mm
107.9×61.5×33.0 mm
重さ
206g / 187g
225g / 204g
イメージセンサーと画像処理エンジンはX20と同等ですので、両機種のサイズを比較してみたいと思います。
【XQ1とX20のサイズ比較】
XQ1(左側)とX20(右側)。X20は28-112mm相当F2.0-2.8のレンズと、実像式光学ファインダー(液晶表示付)を搭載している分、サイズが大きくなっています。
※XQ1:100mm X 58.5mm X 33.3mm 206g/187g。
X20:117mm X 69.6mm X 56.8mm 353g/333g。
XQ1の発売開始は11月23日の予定で、現時点での予約実売価格は4万円強となっています。XF1登場時の価格は5万円前後でしたので、比較するとかなり買いやすい価格だと思います。XF1ではマニュアルズームリングなどメカニカル部分が多くありましたので、このあたりもコストに影響していたのかもしれません。
ちなみに、現時点でのXF1の実売価格は3万円前後となっています。描写性能をはじめ全般的にブラッシュアップされていますので、XF1の特徴的なデザインにこだわらないのであれば、やはりXQ1の購入をお勧めします。
(2013年10月18日 by Inaba Kunio)