電子ビューファインダー内蔵のコンパクトミラーレス 【パナソニック LUMIX DMC-GM5】
11月13日から、パナソニックの新型ミラーレス、LUMIX DMC-GM5の発売が開始となります。当初はすべて13日の発売予定でしたが、その後外装部材調達の都合により、レッドは28日に変わりました。ブラックとグリーンは13日の発売予定です。
DMC-GM5は、2013年11月にリリースされたDMC-GM1(実機レビュー記事)の上位機種であり、新たに電子ビューファインダーを内蔵した点が一番のポイントとなります。もともとDMC-GM1は、マイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式カメラであるにもかかわらず、コンパクトカメラと同等の小型軽量ボディである点が注目されました。GM5では新たに電子ビューファインダーが内蔵されたにもかかわらず、ボディ高が5mm程度高くなるだけに抑えられてます。
また、GMシリーズのもう一つの特長は、デザインにも力が入れられている点です。ボディ外装はマグネシウム合金で、ボディ上面の軍艦部にある3つのダイヤルはアルミ切削加工で仕上げられています。カラーリングも、一般的なミラーレスカメラにはない色使いがされており、持っているだけでも楽しいカメラに仕上がっていると思います。
パナソニック LUMIX DMC-GM1。2013年11月の発売開始で、コンパクトカメラに匹敵する小型軽量なボディが注目されました。今回、GM5に合わせて、ソフト面を強化したDMC-GM1Sへとブラッシュアップされています。
それではLUMIX DMC-GM5の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーは総画素数1684万画素、有効1600万画素4/3型Live MOSセンサーで、DMC-GX7やDMC-GM1に搭載されているものと同等であると思われます。
- 画像処理エンジンも、DMC-GX7(実機レビュー記事)と同世代のヴィーナスエンジンが搭載されており、きめ細かい表現が可能な「ディテール再現フィルター」や、階調処理の演算精度向上により、なめらかな階調と広いダイナミックレンジを確保した「インテリジェントDレンジコントロール」が実装されています。2次元ノイズリダクションやマルチプロセスNRも引き続き搭載されています。
- 対応しているISO感度は、標準でISO200-25600、拡張でISO100に対応しています。GX7やGM1ではISO125まででしたので、低感度側が拡げられています。
- 新たに電子ビューファインダーが内蔵されました。GX7の276万ドット・チルト式EVFには及ばないものの、116万ドットの高精細パネルが搭載されています。接眼部の右側にはアイセンサーも設けられており、ファインダーと液晶モニターの切り替えもスムーズに行えます。視度調整にも対応しています。
- オートフォーカスもGX7と同等のものが搭載されています。
-4EVのローライト環境でもAFが機能します。
- 連写性能もGM1からわずかながら強化され、電子先幕時には最高5コマ/秒であったものが、GM5では5.8コマ/秒となっています。なお、GM1SではGM5と同等レベルにアップしています。
- シャッターはGM1と同等のものが搭載されています。電子先幕シャッターでは1/500秒まで対応しており、電子シャッターでは1/16000秒まで可能です。
- 動画撮影もGM1から強化されています。AVCHDではフルHD(60i)、MP4ではフルHD(30p)だったものが、MP4ではフルHDでは60pまで対応しました。なお、GM1SはGM1と同じです。
- 液晶モニターは同じ3型ですが、ドット数が104万ドットから92万ドットになるとともに、アスペクト比が3:2から16:9に変わりました。アスペクト比の変化は、EVF内蔵によるボディ高の制約によるものと思われます。なお、静電容量方式のタッチパネルは踏襲しています。
- 引き続きWi-Fiを内蔵しています。新たにQRコードで初期認証が行える機能が搭載されました。同じ機能がDMC-GM1Sにも搭載されています。
- ボディサイズは、幅はGM1と同じですが、高さは4.6mm高くなっています。ボディ厚は本体部分はGM1と同等ですが、ファインダー接眼部が突出している分、数値上はGM5が大きくなっています。
- ボディの重さはGM1よりも7g増しています。
LUMIX DMC-GM5(左側)とDMC-GM1(右側)。ボディサイズの幅は同じで、高さのみ4.6mm高くなっています。デザイン的にはDMC-GM1を踏襲しており、左上に見えるモードダイヤルのあたりのボディ高は一段下げられているため、GM1と同等の操作感であると思われます。イメージセンサーはどちらも有効1600万画素のパネルが搭載されています。なお、11月28日にはGM1をソフト面でブラッシュアップされたDMC-GM1Sも発売予定です。
LUMIX DMC-GM5(左側)とDMC-GM1(右側)。液晶モニターはどちらも3型ですが、GM1のパネルはアスペクト比が3:2であるのに対し、DMC-GM5では16:9に変わっています。これはEVFファインダー部を設置するために高さを抑えるためと思われます。その分、後ろダイヤルが新設されるなど、インターフェース面でも強化されています。
電子ビューファインダーは116万ドットのパネルで、EVF接眼部にはアイセンサーも設けられています。また、オプションでアイカップDMW-EC2も用意されています。なお、発売開始記念でアイカップとハンドグリップDMW-HGR1のプレゼントキャンペーンも行われています。
LUMIX DMC-GM5(左側)とDMC-GM1(右側)。EVF接眼部とグリップ部分が突出していますが、ボディ本体部分の厚さは、ほぼ同等となっています。また、GM1で内蔵されていたフラッシュが省略された一方で、アクセサリーシューが新設されています。シャッターボタンの同軸に電源スイッチが置かれており、その右側にはモードダイヤルというレイアウトはGM1を踏襲していますが、モードダイヤル上のカスタムポジションが2つから1つになっています。
ボディ外装はマグネシウム合金で、アルミ削り出しの3連ダイヤルなども、GM1から踏襲されています。
【LUMIX DMC-GM5とDMC-GX7、DMC-GM1の比較】
機種名 |

DMC-GX7 |

LUMIX DMC-GM5 |

DMC-GM1S |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
4/3型Live MOSセンサー |
高感度性能 |
ISO200-25600 拡張でISO125 |
ISO200-25600 拡張でISO100 |
オートフォーカス |
高速オートフォーカス
-4〜+18EV |
連写性能 |
メカシャッター時:5コマ/秒 電子シャッター時:40コマ/秒 RAW有:9枚 |
電子先幕時:5.8コマ/秒 電子シャッター時:40コマ/秒 RAW有:7枚 |
動画 |
フルHD(60p) |
フルHD(60i) |
ファインダー |
電子ビューファインダー 276万ドット 視野率100% 1.39倍 |
電子ビューファインダー 116万ドット 視野率100% 0.92倍 |
- |
シャッター |
1/8000-60秒 1/320秒まで同調可能 |
1/16000-60秒 1/50秒まで同調可能 |
ストロボ |
GN5.0(ISO100) |
外付 |
GN4.0(ISO100) |
バッテリー |
DMW-BLG10 320枚 |
DMW-BLH7 260枚 |
DMW-BLH7 230枚 |
液晶モニター |
3型104万ドット(3:2) |
3型92万ドット(16:9) |
3型104万ドット(3:2) |
付加機能 |
Wi-Fi |
サイズ |
122.6 x 70.7 x 54.6mm |
98.5 x 59.5 x 36.1mm |
98.5 x 54.9 x 30.4mm |
重さ |
402g/360g |
211g/180g |
204g/173g |
発売時期 |
2013年 9月 |
2014年11月 |
2014年11月 |
実売価格 ()内は当初 |
70,000円前後 (95,000円前後) |
88,000円前後 |
73,000円前後 ※レンズキット |
GMシリーズは、DMC-GX7と同じ描写力をコンパクトなボディに実装している点に魅力があります。GM5では、新たに電子ビューファインダーも内蔵したことにより、概ねGX7に準じた使い方も可能です。EVFの見え方やカメラとしての機能面では、GX7の方が勝っている点が多いものの、実用上の差はかなり小さくなっていると言えます。
気になるとすれば価格面で、ボディ単体で9万円弱、レンズキットでは10万円弱という実売価格は、DMC-GX7スタート時に準じたレベルであると言えます。また、GX7は発売開始から1年が経過したこともあり、現時点ではボディ単体で7万円前後で入手できることも悩ましい点かもしれません。
とはいえ、実際に店頭でGMシリーズを触られると、コンパクトなボディの中にカメラとしての機能が凝縮されていることを実感されることと思います。高級感のあるボディ外装とデザインを含め、モノとしての魅力とカメラとしての実力を両立させた点は、他にはないGM5の特徴だと思います。
(
by Inaba Kunio)
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