ブラッシュアップされたコンパクトミラーレス 【パナソニック LUMIX DMC-GM1S】
パナソニックの新型ミラーレス、DMC-GM5 の発売にあわせ、昨年11月に登場したDMC-GM1(実機レビュー記事) の後継機、DMC-GM1Sもリリースされます。GM5はGM1の上位機の位置づけとなりますが、とくに電子ビューファインダーの有無が大きな違いとなります。GM1が登場してから1年が経過しましたので、GM5で実現された新機能などを中心に、ソフトウェア面でブラッシュアップをした機種がDMC-GM1Sとなります。
DMC-GM1は沈胴式の標準ズーム、LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6(描写力テスト) とのセット販売のみとなりますが、現時点では5万円以下にまで下がっていることもあり、店頭でもかなりの人気があります。その意味では、ソフトウェアおよびカラーリングの変更を施すことで、ライナップを充実させるという手法も十分効果的であると言えそうです。
パナソニック LUMIX DMC-GM1。2013年11月の発売開始で、コンパクトカメラに匹敵する小型軽量なボディが注目されました。今回、GM5に合わせて、ソフト面を強化したDMC-GM1Sへとブラッシュアップされています。
それではLUMIX DMC-GM1Sの特長について、GM1からの進化ポイントを見てみたいと思います。
拡張域でのISO感度設定が、低感度側でISO100(GM1ではISO125)まで設定可能となりました。
オートフォーカスでは、顔認証AFが顔・瞳認証AFに強化されています。
クリエイティブコントロールがP/S/A/Mモードでも設定可能になりました。
フィルター設置時にも、フィルター効果なしの画像を同時に記録可能になりました。
Wi-Fi設定時、QRコードを使った認証が可能になりました。
再生画面からWi-Fiでの画像アップロードが可能になりました。
撮影した動画をつなぎ合わせてショートムービーを作成するスナップムービーモードに対応しました。
動画撮影中に、液晶画面のタッチでピント位置の移動が可能になりました。
動画編集時にフェードインやフェードアウトが可能になりました。
連写性能が強化され、AF-S時には5コマ/秒から5.8コマ/秒に、AF-C時には4コマ/秒から5コマ/秒に強化されています。
ボディカラーが、ブラック、シルバー、ホワイト、グリーンから、ブルー、ブラウンに変わりました。
LUMIX DMC-GM1S(左側)とDMC-GM1(右側)。ハードウェア的には同じで、ボディサイズや重さも同一です。ボディカラーは、GM1ではブラック、シルバー、ホワイト、オレンジが用意されていましたが、GM1Sではブルーとブラウンの2色となります。
LUMIX DMC-GM1S(左側)とDMC-GM1(右側)。上面も同一です。ボディ外装はマグネシウム合金で、アルミ削り出しの3連ダイヤルなども、GM1を踏襲しています。
【LUMIX DMC-GM1SとDMC-GM5、DMC-GM1の比較】
機種名
DMC-GM5
LUMIX DMC-GM1S
DMC-GM1
イメージ
センサー
有効1600万画素
4/3型Live MOSセンサー
高感度性能
ISO200-25600 拡張でISO100
ISO200-25600 拡張でISO125
オートフォーカス
高速オートフォーカス
-4〜+18EV
連写性能
電子先幕時:5.8コマ/秒 電子シャッター時:40コマ/秒 RAW有:7枚
電子先幕時:5コマ/秒 電子シャッター時:40コマ/秒 RAW有:7枚
動画
フルHD(60p)
フルHD(60i)
ファインダー
電子ビューファインダー 116万ドット 視野率100% 0.92倍
-
シャッター
1/16000-60秒 1/50秒まで同調可能
ストロボ
外付
GN4.0(ISO100)
バッテリー
DMW-BLH7 260枚
DMW-BLH7 230枚
液晶モニター
3型92万ドット(16:9)
3型104万ドット(3:2)
付加機能
Wi-Fi
サイズ
98.5 x 59.5 x 36.1mm
98.5 x 54.9 x 30.4mm
重さ
211g/180g
204g/173g
発売時期
2014年11月
2014年11月
2013年11月
実売価格 ()内は当初
88,000円前後
73,000円前後 ※レンズキット
45,000円前後 (81,000円前後) ※レンズキット
DMC-GM1Sはソフトウェアを中心としたブラッシュアップモデルですので、進化ポイントをどう評価するかによって選択は分かれてくると思います。同時に発売となるDMC-GM5のレンズキットは9万8千円前後でのスタートとなりますので、7万3千円前後で販売開始となるGM1Sとは2万5千円程度の差となります。
また、旧モデルとなるDMC-GM1については、すでに5万円を下回る価格で購入可能です。とくにボディ全体がブラックのモデルはGM1Sには用意されていませんので、このあたりもポイントになってくるかもしれません。
GM1SとGM5との選択に関していえば、電子ビューファインダーの必要性に尽きると思います。描写性能や機能面ではほぼ同等ですし、液晶モニターの実質的なサイズや、内蔵フラッシュの有無などの点では、逆にGM1Sの方が勝っている点もあります。より小型軽量なボディと予算面を重視されるのであればDMC-GM1S、それを超える魅力をEVFに感じられるのであれば、DMC-GM5ということになります。
いずれにしても、パナソニックのミラーレスカメラの中で、GMシリーズは魅力的なセグメントになりそうです。
(
2014年11月11日
by Inaba Kunio)